2018年12月10日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
タグ: ジャズ・ロック
淡い叙情性だったり、知的な凶暴性だったり、ザッパばりの諧謔性だったり、プログレッシヴな感性を持ったジャズ・ロック/アート・ロック作品を世界中からピックアップしてご紹介!
ソフト・マシーンやニュークリアスやカンタベリー・ミュージックやザッパ『ホット・ラッツ』あたりのファンは、ディープな作品たちを探求是非!
まずはアメリカから!
EMBRYOやSUPERSISTERの作品にも参加した名ジャズ・サックス奏者チャーリー・マリアーノ率いる米ジャズ・ロック・グループ。70年にRCAビクターよりリリースされた作品。
ゴングばりのスペーシーさ、ソフト・マシーンばりの知性、マグマばりの強靭さをもっていて、アメリカのグループとは思えないユーロ・ロック的な魅力に富んだずばり傑作!
ザッパ・ファンにオススメの作品をなんとオーストラリアで発見!
酷い虎ジャケは、ザッパばりの諧謔精神たっぷりですが、音の方は、ラテン・フレイヴァーに木漏れ日感が加わったグルーヴィー・ジャズ/フュージョン・ロックで、なんと、オーストラリアのグループ!
お次はなんと旧ユーゴのグループ!
72年に結成された旧ユーゴスラビア出身のプログレ・グループ。74年のデビュー作。
ジャズ・ロックではありませんが、抑制されたギターのトーンは、フォルムラ・トレのようであり、ニュークリアス時代のクリス・スペディングのようであり、ハードに畳みかけるところはパトゥーのオリー・ハルソールのようであり、アートな逸品。
お次はベルギー!
ベルギーと言えば、カンタベリー好きにはCOSが人気ですが、COSのメンバーが後に結成したバンドもまた良い感じ。
COSのメンバーだったKey奏者とベース奏者によるグループなんですが、ナショナル・ヘルスやギルガメッシュのファンはずばり必聴!
ベルギー出身、ギターレスでサックス奏者とオルガン奏者を含み、女性ヴォーカル在籍という編成のプログレ・グループ。70年のデビュー作。
ヴァン・ダー・グラーフにソウルフルな女性ヴォーカルが入ったら?って感じで、強烈な暗黒おとぼけジャケに負けず、サウンドもキてます。
もう一枚、ユーロのジャジーなアート・プログレをご紹介。
GONGも在籍していたBYGレーベルより70年にリリースされた唯一作。
これはまるで、初期ソフツのジャズ感、初期フロイドのサイケ感、フラワー・トラベリン・バンドのガレージ感をゴッタ煮にした感じ!?
フランスにはまだまだアート&ジャジーな作品がございます。3枚、オススメ盤をピックアップしましょう。
元マグマの仏女性コンポーザーによる74年作で、初期マグマ作もプロデュースしたローラン・チボーがベースで参加。
淡いトーンで精緻に描かれた音世界は、まるでRワイアットのソロみたい。
豚ジャケの中でも屈指のオシャレさ!?
ソフト・マシーンやゴングのファンにはオススメのフランスのジャズ・ロック・バンド。
これはクール!
ジャズ畑で活躍していたメンバーが結成したフレンチ・プログレ・グループ、71年にUNITED ARTISTSからリリースされた唯一作。
VDGGやジェスロ・タルやクリムゾン『アイランド』あたりが好きなら、もう「おおっ!」となっちゃう強烈かつ静謐な逸品。
さぁ、ここからは一気にジャズ・ロック度を増して、突っ走っていきますよ~。
テクニカルなギタリストを堪能していきましょう。
ユーロのジャズ・ロックでテクニカルなギタリストと言えば、やはりこれでしょう!
レビュワー6人が満点評価!
MAX SUNYARの「弾き倒す」という言葉がぴったりの超絶ギター、それと寸分狂わずユニゾンで合わせる脅威のキーボード、スピード感あり安定感ありのリズム隊など、とにかく恐るべしなテクニックによるスリリングな演奏の応酬が圧巻。
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スペインを代表するジャズ・ロック・バンド、ICEBERGが76年にリリースした2nd『COSES NOSTRES』をピックアップ!
ジャズ・ファンにもお馴染みのテリエ・リピダルが在籍していたグループのニッチな作品もご紹介いたしましょう。
Terje Rypdalって、こんなにアグレッシヴなギタリストでしたっけ?
『4th』あたりのソフツやマハヴィシュヌへの挑戦状とも言える、北欧フリー・ジャズ/ロック悶絶の一枚がこちら!
北欧だとこの作品もメラメラジャケに負けない強烈さ!
スウェーデンにマハヴィシュヌやブランドXに対抗できる超絶ジャズ・ロック/フュージョン・グループが居たとは!ジャケはB級ハード臭ぷんぷんだけど・・・。
2018年に晴れてリイシューを果たしたこんな凄いグループもいます!
フィンランドにまだこんな凄いジャズ・ロックが眠っていたのか…。ファンキーなテクニカル・ジャズ・ロックと弦楽によるクラシカル要素が見事に同居する75年の唯一作!
現代のインドネシアに注目のギタリストが居るんです。
その名は、DEWA BUDJANA。
6万人もの観客を動員する90年代以降のインドネシアを代表するロック・バンドGIGIのギタリストなんですが、ジャズ/フュージョン系ギタリストとしての腕前も超一級品。
アメリカにて、ジャズ/フュージョンの名手達と繰り広げたイマジネーション溢れる2013年作をご紹介。
カンタベリー・スタイルのグループも何枚かピックアップいたしましょう。
こ、これ、70年作ってことは、ハットフィールドより前か・・・すごい。しかも、オランダとは!
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カンタベリー・スタイルのバンドとしてユーロ・ロックのファンに人気のグループですが、ほぼ同時期に活動していることから、カンタベリーのグループのフォロワーというよりは、R&B~サイケデリック・ロックを出発点に、オルガンやフルートをフィーチャーしながらジャズ・ロック化する中で同じようなサウンドにたどり着いたバンドと言えるかもしれません。
イタリアのグループ、81年作。
4thあたりのSOFT MACHINEやBRAND Xなどの英ジャズ・ロックをベースに、地中海のヌケの良さを加えたサウンドは、かなりレベル高いです。
現代のエストニアに、超ハイ・クオリティなカンタベリー・スタイルのグループを発見!
まさか00年代にエストニアに、ソフト・マシーンやハットフィールドのDNAを継ぐカンタベリーなグループが生まれるとは・・・。
硬質さとリリシズム、それを包むエストニアならではの透明感。絶品です。
【カンタベリー】コーナーを後に、ブラスが印象的なグループをピックアップいたしましょう。
エストニアから北欧つながりでデンマークのグループをご紹介。
謎のお婆さんジャケ以外は最高なんだが・・・。
デンマークの一流ジャズ・ミュージシャンによるブラス/ジャズ・ロック・グループで、知的でいてグルーヴィーで、熱気むんむんでいてシャープで。悶絶・・・。
ごった煮が魅力のジャーマンからもブラスがブイブイいうジャジーな逸品をピックアップいたしましょう。
「ソフト・マシーン+ジャーマンロック これぞ即買いの一品!カンタベリーなアンサンブル、スリリングな演奏、そしてそれを覆うジャーマンな質感。「ジャーマンな質感」とは何だと言われそうですが、それは聞いてのお楽しみ」by kobakunさん
もう一枚、ドイツより。
モンドなジャズを軸に、『6th』あたりのソフツに通じるミニマルなエッセンスも入れてて、2本のフルートも良いし、このドイツのジャズ・ロック・バンド、実にクール~。
センチメンタルな音が恋しくなってきました。南米の作品をピックアップいたしましょう。
アルゼンチンのバンドネオン(タンゴで用いられるアコーディオンのような蛇腹楽器)奏者。ジャズ・ロック色の強い77年作。INVISIBLEのギタリストやESPIRITUのキーボーディストなど、プログレ人脈のゲストも注目。
ハットフィールドやソフト・マシーンがタンゴをやったとしたら?といった感じの愛すべき名品。
南米でカンタベリーに通じる叙情と知性を感じさせる一枚と言えば、これもはずせません。
アルゼンチンを代表するミュージシャンでありギタリスト、Luis Alberto Spinettaによる77年作。
アルゼンチンのリターン・トゥ・フォーエヴァー?ハットフィールド&ザ・ノース?
アルゼンチンでジャズ・ロックと言えば、このバンドはマイナーながら激カケレコメンドです。
な、なんと70年代はじめのアルゼンチンに、初期ニュークリアスに比肩するジャズ・ロック・バンドが居たとは・・・。
マイナーながらアンサンブルのふくよかさが凄い。
南米つながりでブラジルからも一枚セレクト!
イマジネーション豊かな圧倒的な表現力を聴かせるブラジリアン・ジャズの名作。
フュージョン・タッチの洗練されたジャズ・ロックなら、イスラエルも宝庫。
SHESHETも素晴らしいが、イスラエル・ロック・シーンを代表するミュージシャンYoni Rechter率いるこのグループのまばゆさも凄い。
地中海つながりでラストはスペイン!
ジャケはサイケ/オリエンタルなのに、聴いてびっくり、音は硬派なジャズ・ロック!
電化マイルスやソフト・マシーンのファンはもちろん、ヘンリー・カウなどスリリングなチェンバー・ロックのファンも必聴のスペイン発の名盤!
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一日一枚ユーロロックの名盤をピックアップしてご紹介する「ユーロロック周遊日記」。スペインはバルセロナのジャズ・ロック・シーンを築いた元祖と言えるグループOMの71年デビュー作『OMG』をピックアップ。
いかがでしたか?
ジャジー&アートなサウンドをお楽しみいただけたなら嬉しいです。
引き続き、ジュークボックスや関連記事で探求をお楽しみください。
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70年代にスペインでおこったロック・ムーヴメント「Musica Laietana ライエターナ・ミュージック」を特集!
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SHESHETやKTZAT ACHERET(NO NAMES)をはじめ、ジャズをベースにした洗練された演奏と巧みなポップ・センスがブレンドしたまばゆい音楽の宝庫、イスラエルを大特集!
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NHK-FMの『プログレ三昧』でDISCUSが取り上げられ、プログレ・ファンにとって注目すべきエリアとなったインドネシア。DISCUSにも勝るとも劣らない硬派かつイマジネーション溢れるジャズ・ロック/プログレの名作が続々と届いておりますので、ピックアップ!
エストニアのジャズ・ロック・グループ、2010年の4thアルバム。手数多くシャープでアグレッシヴなリズム隊、流麗なフェンダー・ローズ、たおやかに飛翔するサックス!リズム隊の硬質さとエレピや管楽器のしなやかさとのバランスが絶妙。カンタベリー・ミュージックの遺伝子を受け継ぐ正統派グループ!これは素晴らしい作品です。ジャズ・ロックのファンにはかなりオススメ!痺れますよ。
スペインはバルセロナ出身のジャズ・ロック・グループ。76年作の2nd。1stよりヴォーカリストが脱退。本作以降はすべてインストゥルメンタル作品になります。Voが居なくなったせいか、サウンドは1stのテクニカルな部分を更に押し進めた硬派なテクニカル・ジャズ・ロック。スペインを代表する天才ギタリストMax Sunyerのギターは相変わらず冴え渡っていて、フラメンコや北アフリカ音楽のエッセンスを感じさせるアラビックでエキゾチックな旋律をゴリゴリとアグレッシヴに、なおかつ地中海フレイヴァーいっぱいに爽やかで流れるように弾き倒すフレージングはテクニック、センスともに抜群。そんなMaxのギターにユニゾンであわせるKey奏者、Josep Mas “Kitflus”も特筆で、彼らの高速ユニゾンと白熱したソロの応酬がバンドの最大の持ち味です。そんなマハビシュヌばりのキレ味抜群のテクニックに加え、シンフォニック&スペーシーなシンセによるプログレ・フレイヴァーや、たおやかさや清涼感やエキゾチズムなどの地中海フレイヴァーもあって、色彩豊かなサウンドは世界的にみても屈指のクオリティ。70年代半ばにバルセロナで興ったジャズ・ロック/アヴァン・ロックのムーヴメント『ライエターナ・ミュージック』を代表する作品で、スペインが世界に誇るジャズ/フュージョン・ロック傑作です。
イスラエルを代表するロック・グループKAVERAT〜ソロ〜プロデューサーなどイスラエル・ロック・シーンを代表するミュージシャンYoni Rechterを中心に、APOCALYPSEのZohar Leviなども参加したグループ。75年作。変拍子をビシバシと決める手数多くシャープなドラム、流麗なエレピ、アグレッシヴに切れ込むヴァイオリン!Yoni Rechterによる叙情溢れるメロディ&ヴォーカルと、フュージョン・タッチのテクニカルなアンサンブルとが絡み合った逸品。それにしても抜群のセンス!Yoni Rechter周辺にハズレなし。まばゆい名作!
イタリアのグループ、81年作。手数多くシャープなドラム、時にリードも取るアグレッシヴなベース、軽快かつ流麗なインタープレイからグルーヴ感溢れるバッキングまで印象的なエレピ&ピアノ、グイグイと引っ張る力強いサックスによるジャズ/フュージョン・ロック。変拍子のキレの良さなど、テクニック抜群。4thあたりのSOFT MACHINEやBRAND Xなどの英ジャズ・ロックをベースに、地中海のヌケの良さを加えたサウンドは、かなりレベル高いです。クロスオーバー寄りのジャズ・ロックが好みの方は必聴のグループ。おすすめです。
アルゼンチンのバンドネオン(タンゴで用いられるアコーディオンのような蛇腹楽器)奏者。ジャズ・ロック色の強い77年作。INVISIBLEのギタリストやESPIRITUのキーボーディストなど、プログレ人脈のゲストも注目。バンドネオンのサウンドは哀愁いっぱいですが、ドラムやギターが入ると一気にプログレッシヴに。手数多くシャープなドラム、ソフト・マシーンを彷彿とさせる硬質なキーボード、流麗な早弾きをビシバシとキめるギターなど、ソフト・マシーン『バンドルズ』あたりも彷彿とさせるアグレッシヴなサウンドで聴き手に迫ります。ビシバシとしたアンサンブルに圧倒されていると、バンドネオンが哀愁のフレーズを奏で、ギターがリリシズム溢れる泣きのフレーズを奏で、一気に南米色を増していき、聴き手の胸に迫ります。これは表現力豊かな素晴らしい作品です。名作!
COSのメンバーだったKey奏者とベース奏者を中心に、WATERLOOやPAZOPやPLACEBOで活動していたフルート奏者、ギタリスト、ドラムにより結成されたベルギーの5人組ジャズ・ロック・バンド。77年の唯一作。爽やかに柔らかにたゆたうフルートを中心に、優美なエレピ、フィル・ミラー彷彿の繊細なギターが織りなすサウンドは、カンタベリーのナショナル・ヘルスやギルガメッシュに通じている印象。シャープでいてファンキーなグルーヴ感もあるリズム隊も特筆ものです。精緻かつダイナミズムもあるサウンドは、カンタベリー・ミュージックをはじめ、COSやPAZOPなどベルギー・ジャズ・ロックのファンは必聴でしょう。名品です。
スペインはバルセロナ出身。60年代にPIC-NICというポップ・バンドで活躍し、後にジャズ/フュージョン・シーンでも活躍するスペインを代表する名手の2人、ギタリストのToti SolerとピアノのJordi Sabatesを中心に69年に結成。わずか2年という短い活動期間ながら、スペインのジャズ・ロック・シーンの祖を築いたとも言われる名グループ。71年の唯一作。ドラムはイギリス人で、ヘンリー・カウでお馴染みのTim Hodkingsonの兄弟のPeter Hodkingson。彼のロバート・ワイアットばりの手数多くタイトなリズムを土台に、Todiがゴリゴリとアグレッシヴにギターを弾き倒すテンションみなぎるジャズ・ロックが印象的。フルートやピアノによるイマジネーション溢れるパートや、サックスがフリーキーに暴れたり、アレンジも巧みでかなり痺れます。電化マイルスやソフト・マシーンのファンはもちろん、ヘンリー・カウなどスリリングなチェンバー・ロックのファンも間違いなく気に入るでしょう。Todi Solerのギターは本当に素晴らしく、北欧の名手Jukka Tolonenが好きな方にも是非オススメしたいです。ジャケはサイケ/オリエンタルですが、サウンドは硬派なジャズ・ロック。これは傑作です。
Terje Rypdal(g、sax)、Bjornar Andresen(b)、Espen Rud(dr)によるノルウェー産トリオ。70年作。サックス&ギターがフリーキーに暴走する硬質なフリー・ジャズ。1曲目のイントロからいきなりレッド・ゾーン振り切れっぱなし!SOFT MACHINEの3rd〜5th、エレクトリック・マイルスのファンは必聴!
72年に結成された旧ユーゴスラビアはベオグラード出身のプログレ・グループ。74年にJUGOTONレーベルよりリリースされたデビュー作。オープニング・ナンバーから10分を越える大曲で、抑制されたトーンで感情を切々と紡ぐアーティスティックな佇まいのリード・ギターが印象的な情感たっぷりのナンバーで、イタリアのフォルムラ・トレを彷彿させます。ヴォーカルの語感もイタリアっぽいですし。2曲目は一転して、強烈に歪んだファズ・ギターによるスリリングな変拍子ギター・リフ、ボコスカとダイナミックに畳み掛けるリズム隊によるハード・ロックを炸裂。ギターにはジャジーな響きがあって、英国のパトゥが頭に浮かびます。ヴォーカルはやはりイタリアン・ロックに近い感じで、ハードなサウンドの中にユーロならではの奥ゆかしさや気品を感じます。以降も、アーティスティックなナンバーとハードなナンバーを織り交ぜながら、ロバート・プラントばりのシャウトに痺れるブルース・ハードな最終曲まで一気に畳み掛けます。辺境臭はなく、本格派ぷんぷんの名作。素晴らしい!
ベルギー出身、ギターレスでサックス奏者とオルガン奏者を含み、女性ヴォーカル在籍という編成のプログレ・グループ。70年のデビュー作。サックスが低く垂れ込めるVDGGばりに荘厳なパートとジャジーなオルガンをフィーチャーしたジャズ・ロックなパートを行き交うアンサンブル、そしてジュリー・ドリスコールやキャロル・ギライムスを彷彿させるソウルフルな女性ヴォーカル。ベルギーのプログレと言えば、WATERLOOやIRISH COFEEのようなオルガン・プログレやCOSやPAZOPなどカンタベリー・フィーリングなジャズ・ロック・グループを思い出しますが、その両方のエッセンスを併せ持つのがこのグループ。シャープな高速リズムに女性スキャットとサックスとオルガンがユニゾンで畳みかける4曲目は、まさにこのグループならではと言えます。強烈な印象を残すジャケに負けない、ハイ・レベルでオリジナリティ溢れる好グループ!
フランスのジャズ・ロック・グループが71年に発表した2ndアルバム。ソフト・マシーンの「Fourth」「Fifth」あたりとも比肩しうる硬派なテクニック&アンサンブルに、ゴングの持つユーモアのスパイスをちょっぴりまぶした最高にイカしたアルバム。知名度は今ひとつですが、内容は圧倒的です。名作。おすすめ。
ジャズ畑で活躍していたメンバーが結成したフレンチ・プログレ・グループ、71年にUNITED ARTISTSからリリースされた唯一作。手数多くタイトでふくよかなリズム隊、サイケにうねるファズを効かせたファズ・ギター、むせぶフルートやヴァイオリンをフィーチャーしたサウンドは、強烈なアンダーグラウンド臭を放っています。レーベルからのインフォには、ヴァン・ダー・グラーフやジェスロ・タルが引き合いに出されていますが納得。リリカルなパートも魅力的で、『アイランド』期のクリムゾンを彷彿させる静謐な叙情美も印象に残ります。フレンチ・ジャズ・ロックの底力を感じさせる逸品。
ジャズ・ドラマーとして10年以上のキャリアがあり、アメリカのジャズ・メンのヨーロッパ・ツアーを数多くサポートしていたというドラマーKlaus Weiss(NIAGARAでも活躍)を中心に、71年に結成されたジャーマン・ジャズ・ロック・バンド。73年作2nd。ラテン・フレイヴァーあるドラムやパーカッション、2人の奏者によるフレーズが柔らかに交差したゆたうフルート、同年『6th』をリリースしたソフト・マシーンを彷彿させるミニマルなオルガンやエレピ。ポップでオシャレなモンド・ジャズを軸に、ここぞでは、カンタベリーにラテン・フレイヴァーを加えたようなジャズ・ロックを聴かせます。スペインはバルセロナのジャズ・ロック・バンドにも通じるセンスの良さ。ジャズ/ジャズ・ロック/フュージョンのファンはもちろん、全編でフルートがフィーチャーされてるので、フルート好きにもオススメです。
サンタナに影響を受けたオーストラリアのジャズ/フュージョン・ロック・グループ。75年唯一作。元ヘロンのG.T.ムーアによるレゲエ・バンドのような木漏れ日感あるゆる〜いグルーヴのヴォーカルがはじまり、フュージョンタッチの流麗なエレピが入り、ベースが疾走しだすと、バンドがスピーディーに走り出します。高速で乱れ打たれるパーカッション、軽快なカッティング・ギターもクール!パブ・ロック感のある親しみやすいヴォーカルも良いし、ハードかつ滑らかなトーンで早弾きを繰り出すギターもカッコよし。オシビサなどアフロ・ロックとともに、英ココモのようなご機嫌なフレイヴァーもあって、カンタベリーに通じるようなジャズ・ロッキンなキメも挿入するし、さらに素っ頓狂なジャケの通りにザッパに通じるようなセンスもあって、これは良いバンド!
フランスの女性コンポーザーで、ヴォーカル、鍵盤楽器、ギターを操るマルチ・ミュージシャン。ローラン・チボーが参加し、ベースを弾いていることで知られる74年作1st。チボーのソロ作にも参加しているSerge Derrienがフルート&ギターで参加。シャープなドラム、淡く幻想的なハモンド・オルガン、浮遊感のあるスキャットを中心に、時に深遠へと下降するZEUHL系ジャズ・ロックをはじめ、柔らかに紡がれるアコギにフルートやピアノがこぼれ落ちそうなリリシズムを乗せるアコースティックなナンバー、クラシカルなオルガンとアンニュイな歌声が美しいポップなヴォーカル・ナンバーなど、淡いトーンで精緻に描かれた音世界とメロディセンスが素晴らしい佳曲ぞろい。ローラン・チボーの幻想的なソロ作、ロバート・ワイアットの1stソロのファンなら、この作品も気に入るでしょう。ほぼ無名なことに驚く奇才です。
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ジャケも最高だが、音もカッコ良すぎる。ハットフィールド&ザ・ノースの1stやヘンリー・カウのファンは間違いなく気に入るでしょう。このキレ味・・・スペイン・ジャズ・ロックすごいっす。
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アルゼンチンらしい「詩情」と言えばこの作品は屈指の一枚でしょう。しとしとと柔らかな雨のようなメロディから陽光のようなメロディまで、どこを切ってもメランコリック。
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