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イタリアン・ジャズ・ロックの最高峰、アルティ・エ・メスティエリ特集!

スタッフ佐藤です。

ユーロ・シーンにおいて、とりわけ重要なアーティストがひしめいているのがイタリアン・ロック・シーン。

P.F.MとBANCOをはじめとして、NEW TROLLSやGOBLIN、AREAやOSANNAなど英国の主要アーティスト達にも比肩する実力派がごろごろしていますよね。

その中で、ジャズ・ロック・バンドとしてAREAと並び最高峰に位置するのがARTI E MESTIERIです。

2021年に80~00年代の作品の数々が最新リマスターにて一挙に国内盤リリースされましたので、それを記念して今回はARTI E MESTIERIの足跡を辿ってみたいと思います♪

ARTI E MESTIERIとは



ARTI E MESTIERIは、ELPタイプのキーボード・ロック・トリオTHE TRIPのドラマーだったFurio Chiricoを中心に、TRIP解散と同年の73年トリノで結成されたジャズ・ロック・バンド。

85年までに5作品をリリースし活動を停止。99年に復活を遂げてからは日本を含む各国でのライヴ活動を軸にする傍らオリジナル・アルバムもリリースするなど、今もってレジェンド・バンドとしての存在感を放ち続けています。


そんな彼ら特徴は、何といってもFurio Chiricoの驚異的な手数を誇るドラミングを土台とするテクニカルな演奏、そして地中海の情景が目に浮かぶような美しく芳醇なメロディ・センスにあると言っていいでしょう。

Furio Chiricoと言えば、プレイを聴けば誰もがその凄まじさを認めざるを得ない超人ドラマー。打音が連なって聴こえるほどの速すぎるスネア連打、これでもかと手数を詰め込む猛烈なフィルイン、そこまでアグレッシヴに叩きまくっていても寸分も狂うことのない強靭なリズム感覚。リード楽器以上に演奏をグイグイと引っ張っていくその存在感抜群のドラミングは、とにかく痛快無比の一言です。

ギター、キーボード、サックス、ヴァイオリンというリード楽器たちが紡ぐ、地中海の伝統音楽を思わせる仄かなエキゾチズムを漂わせた美しいメロディラインも彼らの魅力。バンドは内陸トリノ出身で活動圏が地中海に面しているわけではないのですが、雄大な地中海の海原を想起させるイマジネーションに富んだ旋律の素晴らしさにおいてもイタリアン・ロック随一と言って間違いありません。

そんなARTI E MESTIERIの音楽性を把握するには、やっぱり1st『TILT』の1曲目を飾るこの曲がうってつけ。

Gravita 9.81

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変拍子を交えつつアグレッシヴに突き進む技巧的なジャズ・ロックを、地中海地域の伝統音楽に根ざした薫り高い叙情性が包み込むサウンドは、まさに「孤高」の領域に至っています。



メロディの芳醇さはそのままに1stに比べいくぶん緊張感が緩和された印象の2nd『GIRO DI VALZER PER DOMANI』も、ジャズ・ロック・ファン必聴の作品です。

リラックスした軽やかなタッチの演奏を聴かせたかと思うと、突如持ち前のバカテクが炸裂。緩急に富んだアンサンブルが魅力的だなぁ。

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その後ギタリストのGigi Venegoniが脱退するなどメンバーチェンジを経て、前作から4年後に3rdアルバム『QUINTO STATO』がリリースされました。

従来よりカッチリとまとまりのあるバンド・アンサンブルを重視したジャズ・ロックが印象的。

ドラムを筆頭に奔放に発せられたかのような各音が無駄なく折り重なり、沸々と盛り上がっていく知的なアンサンブルが聴き所です。

聴く者の耳を釘付けにするようなインパクトこそ前2作に劣りますが、その分、聴けば聴くほどプロフェッショナルな演奏の妙が楽しめる好作品!

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その3rdが気に入ったなら、83年の4thアルバム『ACQUARIO』もお楽しみいただけるでしょう。

本作ではFurio Chirico以外のメンバーが一新されていますが、テクニックの水準はしっかり維持されているのでご安心を。

疾走するFurio Chiricoのドラミングは言わずもがな、ドラムに煽られるかのように次々とスリリングなフレーズを応酬させるサックス、エレピ、ギターのテクニックも抜群。

随所でメロウなフュージョン・タッチも顔を見せますが、まだまだテクニカル・ジャズ・ロックとして一級品と呼ぶべき快作です。

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85年には5thアルバムとなる『CHILDREN’S BLUES』を発表。

前作以上にメロウかつファンキーな作風ですが、フリオ・キリコのドラムは相変わらず鋭利なフレーズを連発。

主にサックスが担うジャズ/フュージョン然とした滑らかなメロディとドカドカと遠慮会釈なくタイトに叩き込むリズムとの温度差がこの作品ならではの独特なテンションを生み出していて、やはりARTI E MESTIERI以外では聴けないサウンドを作り上げています。

メロウ&ファンキーでありつつ演奏の凄まじい切れ味も楽しめる大曲「Waiting For Laura At Banfora Hotel」が聴き所!

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先述の通りこの5thアルバムをもってARTI E MESTIERIは活動を停止しますが、90年代に入りオリジナル・メンバーと新メンバーで構成された新体制で再結成。00年には素晴らしい新作『MURALES』と共に華麗なる復活を遂げたのでした。

民族音楽色を強めた郷愁を誘うサウンドを土台にして躍動する、往年と変わらぬ手数でタイトに打ち込むドラム、芳醇な歌心を備えたベース、煌びやかに音を散らすキーボード、柔らかな気品を放つヴァイオリン、そして哀愁のフレーズをとめどなく紡ぎ出すギター。

テクニカルな演奏の中に悠久のロマンが匂い立つようなジャズ・ロックが堪能できる傑作!

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翌01年にリリースされたのが、未発表曲中心のレア音源集『ARTICOLLEZIONE』

『TILT』に収録されながら一部のCD規格以外ではカットされている「Scacco Matto」を筆頭に、デビュー以前のデモ音源、アルバム未収録曲、英語ヴァージョン、新曲など貴重な12曲をまとめた、アルティ・ファンなら押さえておきたい一枚!

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03年には彼らを象徴する「Gravita 9.81」など過去の名曲をスタジオ・ライヴ録音した『PROGDAY』をリリース。

傑作1stより「Gravita 9.81」と大作「Articolazioni」、ライヴ盤のみで聴けたファンタジックな英語曲「Comin’ Here To Get You」など全4曲を現ラインナップでプレイ。

オリジナル・メンバー達のプレイはもはや達人級ですが、再始動時に加入したCorrado Trabuioの芳醇な響きのヴァイオリンが特筆もので、オリジナル版に忠実でありながらも独自の優美な表情を加えているように感じます。

アルティ・ファンなら一聴の価値あり!

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結成30周年を記念し過去の楽曲や初期の未発表楽曲を新録した7thアルバム『ESTRAZIONI』も注目の一枚。

往年と変わらぬ怒涛のスピードとテクニックを叩き込むパートと滑らかなタッチのリラックスしたパートとが緩急自在に切り替わる目の醒めるようなアンサンブルが相変わらずお見事すぎます~。

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結成より30年以上を経てなお凄まじい演奏クオリティを維持し続ける彼らの雄姿を日本人ファンに見せつけたのが05年。

そんな初来日公演を記録した『FIRST LIVE IN JAPAN』では、往年とほぼ同等かそれ以上に研ぎ澄まされたテクニックが躍動する名演が繰り広げられており興奮必至!

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そして、2015年に約10年ぶりに届けられた8thスタジオ・アルバム『UNIVERSI PARALLELI』がこれまた素晴らしい出来栄えでした。

2度目の来日公演に先立ってリリースされた15年作!

次々に繰り出される哀愁のメロディと爆発的な技巧とテンション。叙情派ヴォーカルをフィーチャーしたロマンティックな歌ものも情感たっぷりです。

往年とほぼ遜色のない技巧と叙情性に溢れんばかりの情熱が加わって、ますます生き生きとした輝きを感じさせるかのようで素晴らしいですよね!

ずばり、名盤『TILT』と同等レベルに近い感動を与えてくれる会心作!

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アルバムリリース後の15年に行なわれた来日公演でも、本作からのナンバーをメインに70年代の名曲を交えたパフォーマンスが披露され、集まったプログレ・ファンを熱狂させてくれました。

その時の様子はこちらでお伝えしております♪


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7月5日のアルティ・エ・メスティエリの来日公演へ行ってまいりました。3時間超の大熱演となったステージの模様を、オリジナル楽曲の音源を交えてお伝えしてまいります!

その後19年にも来日公演を敢行するなど、衰え知らずの活動を展開しているのがとにかく嬉しいですよね。

現在はコロナ禍で海外アーティストの公演は困難な状況ですが、また海外アーティストの来日が可能になった暁には、真っ先にそのパフォーマンスが観たいバンドの一つです!

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圧倒的な手数と変拍子を難なく操る卓越したリズムセンスによって、リード楽器にも負けない存在感を放つ達人ドラマーたち。そんな猛者の名演が楽しめるが楽しめる作品をご紹介しましょう!

ARTI E MESTIERIの在庫

  • ARTI E MESTIERI / MURALES

    アレアと並ぶイタリアン・ジャズ・ロック史上の名バンド、全盛期メンバーによる01年再結成作

    アレアと並ぶイタリアン・ジャズ・ロック史上の名バンド。オリジナル・メンバーが再結集してリリースした01年再結成作。民族音楽色を強めた郷愁を誘うサウンドメイクを土台にして躍動する、往年と変わらぬ手数でタイトに打ち込むドラム、芳醇な歌心を備えたベース、煌びやかに音を散らすキーボード、柔らかな気品を放つヴァイオリン、そして哀愁のフレーズをとめどなく紡ぎ出すギター。ARTI E MESTIERIというバンド以外では絶対に聴くことのできないテクニカルな演奏の中に悠久のロマンが匂い立つようなジャズ・ロックが堪能できます。傑作!

  • ARTI E MESTIERI / PROGDAY

    03年の再始動作、過去の名曲4曲をプレイしたスタジオ・ライヴ作品

    アレアらと並びイタリアン・ジャズ・ロックの最高峰に位置するバンド。Frio ChiricoとBeppe Crovellaを中心とする編成で再始動、前作『Murales』から3年を経てリリースされた03年スタジオ・ライヴ作品。傑作1stよりオープニングを飾る「Gravita 9,81」と大作「Articolazioni」、ライヴ・アルバムでのみで聴けたファンタジックな英語曲「Comin’ Here To Get You」など全4曲を演奏。2人の演奏の素晴らしさは言わずもがなですが、前作でもプレイしたCorrado Trabuioの芳醇な響きのヴァイオリンが特筆もので、オリジナル版に忠実でありながらも独自の優美な表情を加えているように感じます。アルティ・ファンであれば一聴の価値ありの好盤です!

  • ARTI E MESTIERI / LIVE 1974-2000

    イタリアが誇る超絶技巧ジャズ・ロック・グループ、74年のライヴ音源&99-00年のライヴ音源を収録、全28曲

    1999年から2000年にかけてのライヴ音源18曲と74年の1stアルバム発表直前のライヴ10曲の2枚組ライヴアルバム。まるで途切れないテンションに思わず絶句。ジャズ・ロック・ファン、必聴

  • ARTI E MESTIERI / GIRO DI VALZER PER DOMANI

    イタリアが誇る超絶技巧ジャズ・ロック・バンド、超絶技巧派はそのままにフュージョン・タッチの軽やかさが加わった75年2nd

    プログレッシブ・ロック界を代表する技巧派ドラマーFurio Chiricoといぶし銀のプレイを聴かせるキーボーディストBeppe Crovellaを擁する、イタリアを代表するジャズ・ロックグループの75年2nd。その内容は、前デビュー作の路線を継承しながらよりジャズ・ロック寄りのアプローチを打ち出し、フュージョン色もほのかに香らせながら進行する作風です。楽曲が細分化されているため短くまとまった感じを受けるも、やはりその内容は前デビュー作に引けを取らない密度の濃さと超絶技巧の連続であり、前作よりタイトなサウンドで迫る名盤となっています。

  • ARTI E MESTIERI / ACQUARIO

    フリオ・キリコ以外のメンバーを一新した83年4th

    アレアらと並びイタリアン・ジャズ・ロックの最高峰に位置するバンド。超絶ドラマーFurio Chirico以外のメンバーを一新し、83年にスタジオ・ライヴで録音された4thアルバム。疾走するFurio Chiricoのドラムは言わずもがな、ドラムに煽られるかのように次々とスリリングなフレーズを応酬させるサックス、エレピ、ギターのテクニックも抜群。アンサンブルのまとまりとテンションは前作以上で、テクニカルなジャズ・ロックとして間違いなく一級品と呼ぶべき快作です。

  • ARTI E MESTIERI / CHILDREN’S BLUES

    イタリアン・ジャズ・ロックの雄、85年作

    アレアらと並びイタリアン・ジャズ・ロックの最高峰に位置するバンド。85年作の5thアルバム。前作以上にメロウかつファンキーな作風が印象的ですが、フリオ・キリコのドラムは相変わらず鋭利なフレーズを連発。主にサックスが担うジャズ/フュージョン然とした滑らかなメロディとドカドカと遠慮会釈なくタイトに叩き込むリズムとの温度差がこの作品ならではの独特なテンションを生み出しています。10分を越える大曲「Waiting For Laura At Banfora Hotel」が聴き所。

  • ARTI E MESTIERI / FIRST LIVE IN JAPAN

    05年6月の初来日公演を収録、全18曲

    アレアと並ぶイタリアン・ジャズ・ロック史上の名バンド、2005年に行われた初来日公演を収録。イタリアン・ロック・ファンにはなじみ深い1st『Tilt』と2nd『Giro Di Valzer Per Domani』を中心とするセットリストとなっており、最も勢いのあった初期の名曲群をたっぷりと堪能できます。00年代以降に参加の若手メンバーの演奏力も充実しており、オリジナルと遜色ないパフォーマンスが発揮された好ライヴ作となっています。

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