2021年12月3日 | カテゴリー:カケレコ新品棚お散歩隊,世界のロック探求ナビ
タグ: ブルース・ロック
ひとつのキーワードを頼りに新品棚前を散歩し、メジャー盤、ニッチ盤を問わず、独断と多少の偏見まじりで新品タイトルをご紹介させていただいている新品棚お散歩隊、本日は「ブルース」をキーワードに作品をピックアップ!
■A.B.SKHY / RAMBLIN’ ON
米ウィスコンシン州ミルウォーキーにて68年に結成されたブルース・ロック・バンド、70年作。ずっしりしたベース音とスライド・ギターが冴えるブルース・ロック「Gotta Be Free」で疾走感たっぷりに始まる今作は、動きまくるベースとタイトなドラムが作り出す、腰を揺らすグルーヴィーなビートが最高に気持ちいいです!程よくワイルドなボーカルと豪快なスライド・ギターの絡みもいいですね!ずっとブルース・ロックなのかと思いきや、「Hope For The Future」では12弦ギターが煌びやかに鳴り響き、「Trackin Shoes」ではゆったりとしたブルース・ロックにギターが浮遊感たっぷりに漂う気だるいサウンドだったり、サイケデリックなテイストも加わってきます。長尺のジャム・セッションも挟みながら進むそのサウンドは、ブルース・ロックとサイケデリック・ロックが見事に融合しています。
■FANNY ADAMS / FANNY ADAMS
オーストラリアのブルース・ロック・バンド。71年作の唯一のアルバム。切れのあるギター・リフを中心としたブルース・ハードを中心に、気だるいアコースティカルなパートを巧みに盛り込んだアンサンブルはかなりの完成度。アンダーグラウンドな雰囲気はなく、サウンドの隅々から「本物感」が漂っています。派手さはありませんが、いぶし銀の名作。
■SPOT / SPOT
スイスのグループ、70年代初期にリリースされたおそらく唯一のアルバム。ソリッドなギターと哀愁のヴォーカル&コーラスが印象的なブルース・ロックをベースとしつつ、フォーキーなアコギやリリカルなキーボードも織り交ぜた、一辺倒ならざるプログレッシヴなサウンドが持ち味。ちょっぴり幻想的で粛々とした雰囲気も相まって、「秘宝感」漂う一枚に仕上がっています。ディープなハード・ロックのファンは是非。
■LITTLE BOY BLUES / IN THE WOODLAND OF WEIR
64年結成、シカゴの4人組サイケデリック・ロック・バンド。68年唯一作。出自であるガレージ時代の名残りを匂わす荒々しいファズ・ギター、土臭く粘っこいヴォーカル&シャウト、黒っぽい鍵盤をフィーチャーしたブルージーなサウンド。ストリングスとファズの掛け合いが実に奇妙なサイケ感を描き出しているサイケ・ポップ曲、ブルージーなファズとホーン・セクションが胸を熱くする南部色豊かな楽曲など、「ボスタウン・サウンド×南部サウンド」といった感じの分裂気味なサウンドですが、いずれも楽曲のクオリティは高水準。
■MARTIN PHILIPPI BLUES BAND / MARTIN PHILIPPI BLUES BAND
独ニュルンベルクのブルースマン、Martin Philippi率いるバンドが77年にリリースした唯一作。Robert JohnsonやOtis Rushをはじめとするブルース・クラシックのカヴァーが主で、A面にあたる前半はPhilippiのアコギ弾き語り、B面にあたる後半からはバンドをバックに付けたグルーヴィーなエレクトリック・ブルース・ロックを披露。バンド・メンバーにはIHRE KINDERのベーシストWalti Schneiderも名を連ねており、軽快なベース・ラインにタメを効かせた芳醇なギター、独特なまろやかさを持ったPhilippiのヴォーカルや巧みなブルース・ハープが絡み合う洒脱かつ濃密なサウンドがかなり格好いいです。ラストを飾るMuddy Waters「I Got My Mojo Workin’」のファンキーなカヴァーもセンス◎。本格ブルース好きは是非。
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