スタッフ佐藤です。
12月1日からスタートした約3年ぶりとなる「新品CDセール」、もうチェック済みでしょうか。
カケレコ史上最大となる今回の新品セール、まだまだ500タイトル以上もの作品がお買い得プライスとなっております。
本日は、その中から「これがセール…!?」というタイトルを、いくつかの注目ジャンルごとにピックアップしてまいりましょう!
まずは、アメリカのSSW&ブルース・ロックからおすすめセールタイトルをご紹介!
セール化してお買い得になったので、とりあえずポール・マッカートニー・ファンの方はこちらを聴いてみて!
淀みなく紡がれるポール直系のキャッチーかつリリカルな美旋律は、聴いていて思わず笑みが零れてしまう素晴らしさ。
アメリカではブルース・スプリングスティーンと並び称されるほどのロック・シンガーなんだけどなぁ…。
強靭な喉を生かした声量豊かでワイルドなヴォーカルがカッコいい~。
この曲、「ヘイ・ジュード」の終盤をスワンピーにしたような感じで最高じゃないですか?
ニッチな作品ではあるものの、実は2021年に惜しくも亡くなったDusty Hill、そしてFrank BeardというZZ TOPを結成するリズム隊が在籍したバンド!
それにしても、これTim Hardin「If I Were A Carpenter」のカバー曲だったのか・・・。
テキサスの地でガレージ・サイケに料理されると、こんなにも野放図で荒々しくもキャッチーになっちゃうのね。
こっちもニッチなブルース・ロックですが中身は強烈ですよ~。
CREAMやジミヘンに通ずるサイケ・ハードに、教会音楽の荘厳で優美なハーモニーが交わったら…!?
米国産だけど繊細な哀愁もあって、英ハード・ファンにもグッと来そう。
続いては、ユーロ・ジャズ・ロックからのオススメセール盤をピックアップ!
どうやらギョッとする目玉ジャケのせいでセール化してしまったようですね…。
でもVERTIGOオルガン・ロックのファンならこのファンキーなジャーマン・ロック盤、とてもオススメですよ~。
叙情的なオルガンとギターの格好良いバトルが全編にわたって堪能できる名作!
あの仏チェンバー・シンフォ名バンドTIEMKOのドラマー! って言っても誰も知らないか…
サウンドのほうは「MAGMA+GG」と言っても過言じゃない、暗黒エネルギーと意表を突くアレンジセンスが融合した個性派ジャズ・ロック!
フレンチ・ジャズ・ロック・シーンの奥深さを実感できる一枚です。
ちょっと怪しげな手塚先生風のイラストが賛否両論?
ジャズ、アヴァンギャルド、サイケ、北欧トラッドが渾然一体となった、北欧ジャズ・ロック/チェンバー・ロックの名作なのですがねぇ。
最後は各国の新鋭プログレからの一押しをチェックしてまいりましょう~。
従来はファンタジー度120%のシンフォでしたが、今作はピアノ弾き語りスタイル+弦楽クインテットのしっとり静謐なナンバーが並びます。
CAMELに抜擢された才能が、持ち前の伸びやかな美声と珠玉のメロディセンスを最大に生かしきった、息をのむような名作。
2021年作からもご紹介しましょう♪
カントリーの聖地ナッシュヴィルにプログレ・バンドが!?
GENESISら英プログレに通じる陰影に富んだデリケートなタッチと、伸びやかなヴォーカルとハードエッジなギターが導くKANSAS的プログレ・ハードが劇的に対比するサウンドは、完成度かなり高いですよ~
ドイツのリコーダー奏者を中心とするシンフォ・グループなのですが、ゲルマンの深き森から響いてくるような美しく物悲しい旋律を紡ぐリコーダーがとにかく感動的。
リコーダーを主役にここまでドラマチックなサウンドを作り上げるとは、恐るべし。
SAMURAI OF PROGでもお馴染みのドラマーが作り上げた珠玉のソロ・アルバムがこちら。
CAMEL彷彿のファンタジックで気品たっぷりのシンフォニック・ロックに、ジャズ/フュージョン的な滑らかさ、北欧フィンランドらしい神秘的な民族音楽エッセンスを加えた独自のスタイルは非常に完成度高し!
もはや辺境プログレとは呼べないほど良質なシーンとなっているインドネシアからも一枚ピックアップ。
インドネシアらしいオリエンタルな旋律が魅力のピアノと、イタリア人シンガーによる熱くエモーショナルな伊語ヴォーカルの調和が鮮烈!
東洋と西洋のエッセンスが巧みに融合した力作です!
「これがセール!!??」という作品を集めてみましたが、いかがだったでしょうか?
なにせ500タイトル超、まだまだ膨大な世界のロック/プログレ作品がお買い得となっていますので、是非ゆっくりとリストをチェックしてみていただければ嬉しいです。
母国アメリカでは絶大な人気を誇り、ブルース・スプリングスティーンとも並び称されるBOB SEGERによるグループ69年作2nd。「HEY JUDE」の最後の部分をスワンピーにしたようなキャッチーな「NOAH」で幕開け。いきなりアグレッシヴなリフと熱いシャウト・ヴォーカルで畳みかける2曲目「Innervenus Eyes」へと続き、素晴らしい喉を聴かせるブルージーな「LONELY MAN」へと続く怒濤の展開。ひなびたオルガンとメランコリックなメロディがたまらない「Lonliness Is A Feeling」へ。それ以降もフックに富んだ魅力的な楽曲がずらり。サイケデリックなブルース/スワンプ・ロックとしてハイ・レベルな名作。
フランス出身、80年代末〜90年代にチェンバー/シンフォ・バンドTIEMKOで活躍するドラマー/コンポーザーが80年に残したソロ唯一作。マイナーながら、これはジャズ・ロック・ファン要チェック!息つく暇も与えず畳みかける緊張感みなぎるドラミングと手数多く躍動するベースが牽引し、ギターとオルガンが切れ味鋭いフレーズを応酬させ、その周囲をシンセが不気味に浮遊する、タイトな疾走感と不穏さを併せ持つアンサンブルはかなり個性的。1曲目や5曲目の執拗な反復で熱気たっぷりにまくしたてる展開は間違いなくMAGMAを受け継ぐZEUHLの系譜だし、かと思うと不気味なトーンのシンセがクラシックを独奏したりと変幻自在。この摩訶不思議なセンスはさすが孤高のバンドTIEMKOのコンポーザーなだけあります。まるでMAGMAの暗黒エネルギーとGENTLE GIANTの意表を突く楽曲展開を合体させたと言っても過言ではない、アヴァン・ジャズ・ロックの傑作!
スウェーデン出身、8人編成のグループ、75年作の1st。サウンドは、ジャズ、アヴァンギャルド、サイケ、北欧トラッドをゴッタ煮にしたジャズ・ロック/チェンバー・ロック。テクニック抜群ですが、緻密さとルーズさの度合いが絶妙で、格調高さとともに、ジャケットの通りどこか愛嬌のある雰囲気も印象的。名作です。
80年英国はノッティンガムシャーに生まれ、1歳の頃に病気により視力を失った盲目のマルチ・ミュージシャン&コンポーザーで、現在はあのキャメルの鍵盤奏者としても活躍するPeter Jonesによるソロ・プロジェクト。充実の20年EP『Stiil Alive』も記憶に新しい中でリリースされた2020年フル・アルバム!全楽器を自身で操りGENESISやCAMELを受け継ぐファンタジー度120%のシンフォ・サウンドを紡いできた彼ですが、今作ではグランドピアノとヴォーカルに専念、ピアノ弾き語りスタイルを最大限に生かす弦楽クインテットと共にレコーディングされています。クリアかつ重厚に響くグランドピアノとPeteの伸びやかでよく通る美声ヴォーカルを、ヴァイオリン/ヴィオラ/チェロが芳醇な音色を重ね合う溜息が出るように美しい重奏が包み込むスタイルは、しっとりとした聴き心地ながらどこまでもドラマチック。物悲しさと温もりが入り混じる美麗なメロディがとにかく際限なく溢れ出してきて、ずっと落涙寸前です。驚かされるのは、本格的なクラシックの素養に溢れた弦楽と完璧に調和するPeteのピアノ演奏。歌の伴奏にとどまらない息をのむように繊細な表現力に、改めてプレイヤーとしての素晴らしい才能を感じさせます。従来からは異色と言えるサウンドですが、Pete Jonesの歌声とメロディセンスを純粋に味わえる一枚です。名作。
ペーパーケース仕様、CD+DVDの2枚組、DVDはNTSC方式・リージョンフリー、DVDにはスタジオ・ライヴ映像/プロモ映像/インタビューを収録
レーベル管理上、ペーパーケースに小さい角つぶれがある場合がございます。ご了承ください。
ベルリンで結成されたジャーマン・ロック・グループ、72年作1st。奇天烈なジャケのイメージに反して、中身は流麗なラテン・テイストも取り入れたファンキーで叙情溢れるハード・ロック/ジャズ・ロック。英国VERTIGO勢を思わせるくぐもったオルガンと、ささくれ立ったワウ・ギターがドライヴ感たっぷりにせめぎ合うパートはブリティッシュ・ロック・ファンならイチコロでしょう。ソウルフルで哀愁たっぷりの英詩ヴォーカルも良い感じ。キワモノ感はまったくなく、かなりレベルの高いサウンドを繰り広げる名作です。
85年より活動するインドネシア産ガムラン・ジャズ・グループKRAKATAUのピアノスト/キーボーディストによる2枚組の2020作。彼のソロではお馴染みとなったYaron Stavi(b)&Asaf Sirkis(dr)のリズム隊コンビに加え、本作の大きな特徴としてメンバーに伊プログレ・バンドSADO等で活躍したヴォーカリストBoris Savoldelliを迎え制作されています。インドネシア特有の浮遊感あるエキゾチックな音階も織り交ぜたピアノと、熱くエモーショナルに歌い込むイタリア語ヴォーカルがドラマチックに調和する冒頭のナンバーから素晴らしい一曲!以降は即興を中心とするミステリアスな演奏にスキャット・ヴォーカルが乗る前衛色の強い展開がメインとなりますが、随所でオリエンタル・テイスト薫る神秘的なフレーズを奏でるピアノのプレイが鮮烈です。DISC2に入ると、ピアノに加え派手なシンセも登場。すると何とヴォーカルがデメトリオ・ストラトスばりのヴォーカル・パフォーマンスを披露しだして、一気にアレアっぽい前衛ジャズ・ロックに突入していく展開に驚き。でも決して混沌とはしていなくて、一つ一つの音色が透明感に溢れていて美しいのが魅力です。ジャジーな即興をベースに、インドネシアらしい東洋エッセンスとイタリアン・プログレの熱量が見事に融合した力作!
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