2021年10月16日 | カテゴリー:50周年記念連載企画「BACK TO THE 1971」,世界のロック探求ナビ
タグ: プログレ
2021年にカケレコがお届けしている特別企画「BACK TO THE 1971」。
今からちょうど50年前、1971年に産み落とされた名盤を取り上げて、その魅力に改めて触れてみようというのがこの企画です。
ビートルズの活躍を中心としてロックに多様な表現が生まれた1960年代が幕を下ろし、60年代の残り香漂う1970年を経て、いよいよ新たな時代へと目を向けた作品が生まれていったのが1971年という時期。
英米ロックの名作はもちろん、欧州各国の重要作品も取り上げて、各作品の誕生日または誕生月に記事をアップしてまいります。
この機会に、ロックが最もまばゆい輝きを放っていた時代の作品達にぜひ注目していただければ幸いです。
それでは皆で、BACK TO THE 1971 !!!
第25回目にご紹介するのは、オランダのプログレッシヴ・ロックバンド、フォーカスの2nd。この作品といえば、オープニングの「HOCUS POCUS」が強烈ですよね。
ヤン・アッカーマンのハードでテクニカルなギターとタイス・ヴァン・レアのヨーデル、スキャットが炸裂するインパクト大のヒット曲。つい先日もテレビ番組のBGMで使われていました…。この曲の世界的にヒットにより、フォーカスは、世界進出していく英米以外のロック・グループの先駆け的存在になります。
でも、「HOCUS POCUS」はこの作品の中では異質。2曲目以降は叙情的で気品に溢れた曲が並ぶ作品なのです。
そこで今回は、「「HOCUS POCUS」しか聴いたことがない」という方へ、2曲目以降A面の曲を紹介してまいります。
疾風のようなオープニング「HOCUS POCUS」が終わると一転、静謐な「Le Clochard」へ。中世を思わせるアコースティックなギターの調べ、バックにはメロトロンの音がじゅわーっと広がる幻想的な曲です。
続いてフルートのアンサンブルが美しい「Janis」。フルートを演奏しているのは、オープニングで強烈なヴォーカルを聴かせたタイス・ヴァン・レア。ピアノにオルガン、メロトロンなどの鍵盤楽器にさらにフルートも演奏する多才さに驚きます。
次はタイトル曲「Moving Waves」。波のように揺らめき、煌めくピアノが印象的で、ジャケットの風景そのもの。幼いころ早くからピアノとフルートを始めたTタイス・ヴァン・レアのたしかな演奏と表現力が光ります。
A面最後の「Focus II」。これまでの3曲と同様の叙情的なメロディに、ドラマティックな展開が加わり感動的な美しさ。ヤン・アッカーマンの甘美なギターに酔いしれます。
これがラストかと思うほどの名曲でしたが、この後B面には約23分の組曲が続くので驚きです。今回は紹介しきれませんが、もちろん鳥肌ものの名曲!
ここまでだけでもフォーカスの印象が変わったのではないでしょうか。クラシカルな作品が好きな方には、この機会にぜひ聴いていただければ幸いです。
この作品のさらなる探求はこちらのコラムをお楽しみください!
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オランダのプログレッシヴ・ロックバンドFocusの2作目です。キーボーディスト兼ヴォーカリストのThijs Van LeerとギタリストのJan Akkermanがバンドの顔なわけですが、ヨーデルを取り込んだ一種形容できないLeerのスタイルと、カミソリの様に硬質でありながら最高にキャッチーなAkkermanのギタープレイが絡み合って不思議な高揚感が独自のハード・ジャズ・ロックでありながらそれ一辺倒にはならずに、優雅でメロウな曲も創作でき る何とも稀有な存在!一度嵌ったら、抜け出せない魔的な魅力を放った作品です。1曲目の「Hocus Pocus」は、ハードでキャッチーなギターリフと変てこなヨーデル風スキャットが炸裂しています。2曲目以降は打って変わって叙情的な作品が続きます。ヨーロッパの香り漂う佳品ぞろいです。 そして最後に23分の組曲「Eruption」で締めくくりとなりますが、これはもう鳥肌ものの名曲。まだフュージョンというジャンルが世に出る前からロック、ジャズ、クラシックを融合したクロスオーヴァー・サウンドを作り出していたのは特筆に価します。
ロンドンのレインボー・シアターにおける伝説のライヴを収録したフォーカス唯一のライヴ・アルバム。73年作。
紙ジャケット仕様、K2 HD MASTERING、解説元から無し、定価1429+税
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
小さい圧痕あり
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