2021年7月19日 | カテゴリー:カケレコ中古棚探検隊,世界のロック探求ナビ
スタッフ佐藤です。
中古棚にひっそり佇んでいる「これは!」という一枚を見つけ出してご紹介。
今日は、オランダのプログレ・グループSOLUTIONの2ndアルバム『DIVERGENCY』を発見しましたので、ピックアップ!
1970年に結成され、83年の解散までにライヴ盤を含む7作品を残した実力派ダッチ・プログレ・バンドが彼ら。
聴いて欲しいのは72年2ndに収録されているこのタイトルナンバー!
この哀愁いっぱいでロマンチックすぎるメロディ、どこかで聴いたことないでしょうか?
そうコチラ。
FOCUS / IRUPTION
FOCUSによる大作「IRUPTION」。その6分過ぎにヤン・アッカーマンがエモーショナルに奏でるあのメロディなんですよねぇ。
収録されているFOCUSの『MOVING WAVES(FOCUS II)』が71年と先のリリースのためFOCUSがオリジナルと言えるのですが、作曲者はSOLUTIONの管楽器奏者Tom Barlageなので、SOLUTIONのバージョンは提供曲のセルフカバーと言っていいかもしれません。
ヤンのギターがこれでもかと泣くFOCUSバージョンは言わずもがな極上だけれど、よりジャジーで憂いあるサックスがいぶし銀に歌うSOLUTIONバージョンもまた甲乙つけがたい魅力を放っています。
アルバムとしても、ヴォーカルを軸に据えた渋くも情緒豊かなジャズ・ロック作品でかなりの逸品ですよ~☆
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70年発表の記念すべきデビュー作!FOCUSは68年にキーボード&フルートのタイス・ヴァン・リアが結成。70年に元Brainbox(これも名バンド!)のギタリストであったJan Akkermanが加入して本作をレコーディングしました。内容的には全体的にまだ地味であり、一番最後に聞くべきアルバムかもしれません。全8曲のうち3曲がインスト、5曲がボーカル入りです。インストの3曲、Anonymus、House of The King、Focus の3曲は、ベスト盤にも収録されている文句なしの名曲、デビュー作ですでにベテランの風格さえ感じさせてくれます。Jan Akkermanのギターがジャズ、ブルース、クラシックのテイストを取り混ぜながら、強烈な存在感でせまってきます。 一方、なかなかに面白いのがボーカル曲の数々。おそらく、Jan Akkermanは、出来に相当不満は感じていたのでしょうが、これがなかなかの名曲揃いだと思います。サウンドは、60年代後半の英国ビートポップに近いとは思いますが、メロディーが実に美しい。FOCUSが世界的な人気を得たのは、テクニックだけではなく、後のJanisやSylvia などの珠玉のメロディーがあればこそだったわけで、この曲想は本作でもその片鱗が見えています。 確かに、ヴォーカルそのものには、やや弱い面があるとは言え、ギターソロ等では、しっかりFOCUSの音が出来上がっていますし、重厚なキーボード・ワークもビートポップバンドの比ではありません。 彼らとしては、異色な作品ですが、叙情派プログレの傑作として、MOODY BLUES、CARAVAN、CAMEL等が好きな私には、たまらない作品と言えるでしょう!
紙ジャケット仕様、デジタル・リマスター、内袋付仕様、定価2190+税
盤質:無傷/小傷
状態:並
帯有
小さいカビあり、紙ジャケ側面部に色褪せあり、帯に軽微な折れあり
オランダのプログレッシヴ・ロックバンドFocusの2作目です。キーボーディスト兼ヴォーカリストのThijs Van LeerとギタリストのJan Akkermanがバンドの顔なわけですが、ヨーデルを取り込んだ一種形容できないLeerのスタイルと、カミソリの様に硬質でありながら最高にキャッチーなAkkermanのギタープレイが絡み合って不思議な高揚感が独自のハード・ジャズ・ロックでありながらそれ一辺倒にはならずに、優雅でメロウな曲も創作でき る何とも稀有な存在!一度嵌ったら、抜け出せない魔的な魅力を放った作品です。1曲目の「Hocus Pocus」は、ハードでキャッチーなギターリフと変てこなヨーデル風スキャットが炸裂しています。2曲目以降は打って変わって叙情的な作品が続きます。ヨーロッパの香り漂う佳品ぞろいです。 そして最後に23分の組曲「Eruption」で締めくくりとなりますが、これはもう鳥肌ものの名曲。まだフュージョンというジャンルが世に出る前からロック、ジャズ、クラシックを融合したクロスオーヴァー・サウンドを作り出していたのは特筆に価します。
オランダのみならずユーロを代表するプログレ・バンド、72年作3rd。変拍子を織り交ぜた切れ味鋭いリズムを土台に、フルートが躍動感いっぱいにエネルギッシュに吹き飛ばし、ハモンド・オルガンとギターが怒涛のソロを繰り広げる奔放なパートの次の瞬間、宮廷音楽のように気品いっぱいでロマンティク溢れるメロディが鳴り響く。彼らを世界的なバンドへと押し上げた「テクニカルさと親しみやすさとの巧みなバランス」が1曲目から光り輝いています。演奏面で特筆なのは、世界的な名手と言えるヤン・アッカーマンのギター。ジャジーな速弾きからコロコロと転がるような親しみやすくメロディアスなフレーズ、静謐でロマンティックなフレーズまで表現力たくみなソロはもちろん、エッジが立ったグルーヴ感いっぱいでいながら歌心にも溢れたリズム・ギターも魅力的です。イエスやジェントル・ジャイアントにも負けないテクニカルさ、キャメルにも匹敵する叙情美、そして、ジャズ、クラシック、ラテン音楽などのエッセンスを巧みに組み合わせるアレンジ・センス。とてつもなく愛らしい名曲「Sylvia」と怒涛の即興ソロで畳み掛ける「Anonymous Two」の両方を奏でられるバンドは、プログレ・シーンにおいても稀有でしょう。オランダが世界に誇る、まさに「プログレッシヴ」な大傑作です。
ロンドンのレインボー・シアターにおける伝説のライヴを収録したフォーカス唯一のライヴ・アルバム。73年作。
オランダが生んだ世界的グループ、フォーカスによる74年作4th。アルバムのハイライトは20分に及ぶタイトル曲の「ハンバーガー・コンチェルト」。華やかなブラームスの主題でクラシカルに幕を開けつつ、中間部ではジリジリと温度が上がっていくような重厚なテンポの中、躍動感のあるフルートや、鋭い切れ味と繊細なジャズ・タッチを巧みに使い分けるギターの息を呑むソロ・パートで緊張感を高めます。突如賛美歌のような荘厳なコーラスが現れたかと思えば、彼らの名曲「シルヴィア」を思わせるような輝かしいギターのフレーズによって迎える雄大なフィナーレは、イエスの『危機』にも劣らぬドラマチックさ。アルバムを通して穏やかなミドルテンポの曲調が多く、過去作のような荒々しさは少なくなったものの、教会音楽のようにおごそかな「ストラスブルグの聖堂」に象徴されるクラシカル/バロック調や、流麗なフルートと伸び伸びとしたギターが鮮やかなソロを繰り広げる「バース」など、おおらかさと優雅な気品を併せ持ったアンサンブルに磨きがかかり、よりサウンドのスケール感を増しています。おなじみの奇天烈ヨーデルなどの独特なユーモアも程よいバランスでサウンドに染み込み、非常に円熟した魅力を放つ、彼らの集大成的作品です。
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