2020年11月26日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
スタッフ佐藤です。
プログレのみならず、あらゆるロック作品でその音を聴かないことはないほどに使用されている鍵盤楽器と言えばシンセサイザー。
シンセサイザーの名演と言えば数多くありますが、中でも個人的に印象的なのがジェネシス『月影の騎士』収録の「CINEMA SHOW」で聴けるARPシンセサイザーのソロ。
ARP特有のカラフルでつややかな音色を生かし、美麗かつスリリングなフレーズを次々と紡いでいくプレイは、トニー・バンクスの才能が遺憾なく発揮された名演と言えるのではないでしょうか。
今回は、そんな『月影の騎士』を出発点にして、つややかなシンセサイザー・サウンドをたっぷり味わえるプログレを探求していきたいと思います。
それでは、改めてこの名盤から見てまいりましょう!
ガブリエル期ジェネシスの最高傑作との呼び声も高い73年作。
テクニカルだけど人懐っこさもあるファンタジックなアンサンブルとアクの強いシアトリカルなヴォーカルという唯一無二の組み合わせで、中世英国的世界観を鮮やかに描き出します。
アルバムのクライマックスと言えるロマンチックかつ劇的な名曲「CINEMA SHOW」をお聴きください~。
続いては、先日10周年リミックス・バージョンでリイシューされた、この注目新鋭の2ndをチョイス!
息をのむほどにつややかなトーンで疾走するシンセサイザー、フルートやメロトロンが彩るファンタスティック度120%のアンサンブルと、無垢な表情でポップに歌い上げる美声の女性ヴォーカル。
抜けの良い清涼感とヴィンテージな叙情性を兼ね備えたハンガリー新鋭による渾身の2nd!
最後は、南米アルゼンチンから美しいシンセサイザーの演奏が詰まった作品をピックアップ~。
「アルゼンチン・ロックの父」CHARLY GARCIA率いる名プログレ・バンド。
ジャズ/フュージョン・タッチのテクニカルかつ洗練された演奏がカッコいいですが、GARCIAが奏でる極上のシンセサイザー・サウンドも聴き所。
このオープニング・ナンバー、ごくシンプルな曲調ながら、美しいメロディとそれを奏でる雄弁なシンセのプレイにじわじわと感動がこみ上げてきますよね。
いかがだったでしょうか。
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Peter Gabrielによる味わい豊かなしゃがれ気味のボーカルと、演劇的に彩られたステージ・パフォーマンスが独特の存在感を放ち、数多くのフォロワーに受け継がれ、現在に至るまで脈々とプログレッシブ・ロックシーンに息づいているイギリスのグループの73年5th。Peter Gabriel期GENESISの作品の中でも非常に英国然とした湿り気と気品に溢れた作品であり、ジャケットの通り温かみのあるサウンドを構築しています。「ダンシング・ウィズ・ザ・ムーンリット・ナイト」や「ファース・オブ・フィフス」といった代表曲も収録されており、前作「FOXTROT」に負けず劣らずの傑作となっています。
チャーリー・ガルシア率いるアルゼンチン・ロック・グループ。77年作の2nd。前作での穏やかで美しいメロディーはそのままに、ジャズ、フュージョン色が増し、より洗練されたテクニカルなアンサンブルが楽しめる作品。弦楽アレンジの大胆な導入によりリリカルなメロディーの魅力も最大限に引き出されています。演奏の切れはさすがで、静と動の部分のメリハリが強調された結果、完成度は増した印象。前作と並び、アルゼンチン・ロックを代表する傑作。
ハンガリー出身でルーマニアを拠点に活動する新鋭グループ。シンフォ・ファンを魅了した07年の傑作デビュー作に続く、2011年作2ndアルバム。女性ヴォーカルは交代しましたが、新たに加わったヴォーカリストもまた透明感あって美声。フルートやメロトロンやムーグ・シンセが柔らかく彩るファンタスティックなアンサンブルはそのままに、爽やかなアコギや青空に溶けていきそうなメロディやコーラスなど、前作に比べ、ヌケが良く、たおやかになった印象。清涼感の中にヴィンテージな叙情美やしなやかなテクニックを絶妙にブレンドする感覚はさすがの一言です。前作を気に入った方は間違いなくこちらも堪らないでしょう。必聴盤です!
ペーパーケース仕様、20年リイシュー、10周年記念リミックス・バージョン
特典として旧規格盤のブックレットとフォトカードが付いています。(ブックレットにケースツメ跡がある場合がございます)
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