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【フシオーン紙ジャケ化記念】聴き手の予測を裏切る、屈折しまくりプログレ・セレクション!

スタッフ佐藤です。

10月24日リリースのマーキー・レーベルの紙ジャケは、フィンランドを代表するミュージシャン、ペッカ・ポーヨラのソロ3タイトルと、スペイン・バルセロナ出身のプログレ・バンド、フシオーンによる1stと2nd!

中でもフシオーンの2タイトルは、これまで紙ジャケ化はもちろん国内仕様でもリリースされていなかったので、注目度はかなり高いのではないかと思います。

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クラシック・カバーの数々をジャズやイージーリスニング調も取り込んで屈折感満点のアート・ロック/プログレに仕立て上げた1st。そしてとぼけたジャケットそのままに、一流の技巧とセンスでユーモア満点のオルガン・ジャズ・ロックを展開する2nd。どちらも一筋縄ではいかぬサウンドが魅力です。

プログレ・シーンには、そんなフシオーンのように凝ったアレンジやトリッキーな展開で聴き手を翻弄する屈折しまくりの作品たちがたくさん存在しますよね。

今回は、そんな屈折プログレたちを世界各地より選りすぐって紹介してまいりましょう~♪


まずは、屈折プログレと言えば北欧のこのバンド!と言っていいでしょう。脱力ジャケにも注目☆

サムラ・ママス・マンナ/踊る鳥人間

スウェーデンが誇るアヴァン・プログレの雄、74年作3rd。

変拍子バリバリのテクニカルなパート、北欧トラッドに根差したおおらかなパート、そして奇声&変な音満載のユーモア全開のパートなどが脈絡無く放り込まれた、先の読めない展開に翻弄されっぱなしの一枚。

そのサムラに匹敵する屈折ぶりを聴かせるスペインのグループがこちら!

COMPANYIA ELECTRICA DHARMA/L’ANGEL DE LA DANSA

バルセロナのジャズ・ロック・ムーブメント「Musica Laietana」を代表する名グループの76年作。

民族木管楽器テノーラによる素っ頓狂なチャルメラ風フレーズが暴れ回る、民族舞踏音楽とチンドン屋が出会ったようなサウンドをエネルギッシュに展開します。

SAMLA MAMAS MANNAともタメを張れる屈折プログレの快作!

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かなりマイナーなバンドですが、この屈折っぷりはなかなかのものです。

AKROPOLIS/HALF A MILLION HOURS SYMPHONY

軸となるのはゴリゴリ疾走する熱くハードなジャズ・ロックなのですが、フュージョン~フォーク~中世風味のクラシカル・タッチまで、一曲の中でジャンルレスに展開していく変幻自在さも持ち合わせた実力派。

マイナーバンドながら、ユニークさではデンマークのみならず北欧でも屈指と言っていいかも!

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最近のバンドにも凄いのがいます。孤高の境地に立つイタリアのグループ!

RUNAWAY TOTEM/MULTIVERSAL MATTER

現イタリアン・ロック・シーンきっての個性派バンドと言えばこちら。

ジャケからしてヤバげですが、AREAばりの強靭なアヴァン・プログレを土台にスペース・ロック、シアトリカル・ロック、インド音楽、地中海音楽などの要素が混ざり込んだ異次元サウンドは、軽く眩暈が起きそうな濃密さ!

どんな発想からこんな音楽が生まれるのか…。

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ユーロを離れて、オセアニアへ!

AIRLORD/CLOCKWORK REVENGE

イングランドが『ガーデンシェッド』をリリースしたのと同じ77年に、オセアニアで生まれたプログレ怪作。

初期GENESIS+YESを2倍速したような、ギターや鍵盤が快速フレーズを弾き飛ばす忙しなくもファンタジックな演奏。そこに乗るピーガブを更にハイテンションにしたようなシアトリカルなヴォーカル!

ニュージーランドにこんなヘンテコGENESISフォロワーがいたとは驚きです。

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南米からはこのマルチ・ミュージシャンがはなった名作をチョイス!

MIGUEL ABUELO & NADA/NADA

アルゼンチンのSSWが、軍事政権下の自国を離れ、亡命先のフランスのみでリリースした73年作。

アクの強いハード・ロックが不意にメロウなアシッド・フォークになったり、フルートがリリカルに彩るフォーク・ロックに続いて、チェンバロが響くクラシカルな前衛ナンバーが飛び出したりと、1曲の中でもコロコロとスタイルを変える作風がとにかく個性的です。

穏やかなジャケとは打って変わって、まるで万華鏡を覗いているような音世界が広がる逸品!

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北上してアメリカへ到着。新鋭で素晴らしい屈折プログレがありますぞ~。

DELUGE GRANDER/OCEANARIUM

チェンバーロック、トラッド/舞曲、ジャズロック、クラシカルなシンフォなど目まぐるしく表情を変えていくアンサンブルには疾走感とキャッチーさが満載。現代アメリカの中では最もプログレッシヴなサウンドを聴かせているバンドでしょうね。この17年作、ずばり会心作!

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ラストは、日米混成の老舗アヴァン・プログレ・バンドによる2020年作で締めましょう!

FRENCH TV/STORIES WITHOUT FINGERPRINTS

日本の技巧派ギタリストも参加するアメリカの老舗アヴァン・プログレ・バンドの20年作。

生き物のようにうねりながら予測不能な変態フレーズを応酬させるアンサンブルは、SAMLA MAMMAS MANNAやFRANK ZAPPAに通じる奇怪さと知性を兼ね備えていて圧巻です。

おまけにカンタベリー風味の芳醇な音色まで絡んできた日には…これはただただ凄まじいです。まさにプログレッシヴ!

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いかがでしたか?気になる作品が見つかりましたら幸いです☆

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  • COMPANYIA ELECTRICA DHARMA / L’ANGEL DE LA DANSA

    スペインはバルセロナの名グループ、78年作、ジャズ/フュージョンと地中海民族音楽フレイヴァーとがブレンドしたサウンドは北欧サムラにも比肩する完成度!

    スペインはバルセロナ出身、ギター、サックス、ドラムのFortuny3兄弟を中心とするグループで、70年代半ばにバルセロナのライヴハウスZELESTEを中心に起こったジャズ/アヴァン・ロック・ムーヴメントの代表格。最高傑作とされる78年作の4th。初期のフュージョン色はいよいよ薄まり、サムラもびっくりな民族舞踏的&チンドン屋的ロックをエネルギッシュに展開。細かいリズムで切り返しまくるリズム隊、ツンツンと尖ったトーンでシャープに畳みかけるギター、そしてスペインの民族木管楽器テノーラによる素っ頓狂なチャルメラ風フレーズ。手工芸品のように温かな北欧のサムラとは違って、地中海の陽光溢れる快活さが溢れていてとにかく痛快。さすがにデビュー時にはマイルス・バンドもびっくりなジャズ/フュージョン・ロックをこなしていただけあって、演奏のキレ味は抜群。それにしても、アカデミックさと大道芸的ノリを併せ持つサウンドは唯一無比。もっともっと評価されるべきユーロ屈指のグループ。これは素晴らしいですよ〜。

  • AIRLORD / CLOCKWORK REVENGE

    まさかニュージーランドにこれほどまでのプログレ・ハードが生まれていたとは!ジェネシスを受け継ぎつつも何とも奇天烈な迷盤!

    76年〜78年に活動したニュージーランド出身のプログレ・ハード・バンド、77年の唯一作。ピーター・ガブリエルにちんどん屋&サーカス風味を加えたような演劇的かつ素っ頓狂なヴォーカルがいきなり強烈。演奏もテープを早回ししてるようにえらく焦燥感たっぷりで、切れこむ変拍子のキメはジェントル・ジャイアントばりだし、エッジの立ったトーンで忙しなく動きまわるベースはイエスを土台にしつつも何だか違う方向に突き抜けちゃってるし、子供の声みたいなコーラスも奇天烈感たっぷりだし、イングランドが『ガーデンシェッド』をリリースしたのと同じ77年に、南半球にて、ジェネシスとイエスのエッセンスを同じく継いだこんな名盤というか迷盤が生まれていたとは・・・。これは名づけて「大道芸プログレ」!痛快なるプログレ・ファン必聴の一枚です。

  • FUSIOON / FUSIOON (1972)

    ジャズ、クラシック、現代音楽の要素を散りばめたスペイン産プログレ、72年デビュー作

    キーボーディストMANEL CAMPを中心とするスペインはバルセロナのプログレッシヴ・ロック・グループ。1曲を除きクラシック古典や自国民謡などのカバーで構成された72年作の1st。しかしただのカバー集に終わっていないのがポイントで、ピアノ、オルガン、メロトロンなどを自在に操り、クラシックはもちろん、ジャズや現代音楽的な要素も散りばめた屈折感あるプログレッシヴなサウンドに仕立て上げています。フルート&弦楽器によるスペインらしい哀愁溢れるパートも魅力的です。1作目にして早くもバルセロナきっての個性派バンドと呼ぶべき一筋縄ではいかないサウンドを繰り広げている逸品!

  • RUNAWAY TOTEM / MULTIVERSAL MATTER

    91年より活動するアヴァンギャルドなイタリアン・プログレ・バンド、19年作

    90年代初頭より活動するベテラン・イタリアン・プログレ・バンドによる 19年作。以前からイタリアン・ロックの枠組みを超えた個性派として知られてきましたが、本作でもその孤高のサウンドは全開。スペース・ロック、シアトリカル・ロック、インド音楽、地中海音楽などを、AREA風のアヴァン・ロックでつなぎ合わせたかのような異次元サウンドは軽く眩暈が起きそうなすさまじさ。冒頭30分にわたり続く「Dark Matter」でノックアウト必至です。前17年作でも思いましたが「どういう発想からこんな音楽が生まれてくるの?」と問いかけたくなる、圧倒的に濃密なサウンドに飲み込まれる強烈な一品です!

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