2020年10月24日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
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こんにちは、スタッフ佐藤です。
この「スタッフ厳選☆今週の3枚!」のコーナーでは、新作を中心に「これは聴いてもらいたい!」と思った激カケレコメンドな作品を毎週3枚取り上げてまいります。
本コーナーを参考にロック探求をさらにお楽しみいただければ嬉しく思います♪
まずは、初入荷時は瞬く間に売り切れてしまい、慌てて再発注したこの大注目タイトルでスタートいたしましょう!
84年にデビュー作をリリース、『COMING OF AGE』などCAMELの映像作品制作にも関わった米key奏者が、CAMEL系シンフォの傑作として名高い2nd『RANDOM ACTS OF BEAUTY』から10年ぶりにリリースしたのがこの3rd。
本作では、Steve Hackett、Annie Haslam、Billy Sherwood、MOODY BLUESで知られるJustin Haywardらを各曲にフィーチャー。CAMEL直系の叙情シンフォに各ゲストの持ち味をしっかり溶け込ませた美麗ナンバーがずらりと並びます。
シンセが幻想的に広がる中をJustinが語りかけるようにジェントルな歌声を響かせるナンバー、波打つ美しいピアノの調べとAnnieによる天上のソプラノ・ヴォイスが調和するナンバー、これでもかとメロディアスに飛翔するHackett渾身のギターソロがたっぷり味わえるナンバーと、どの曲もひたすら美しくて絶え間なく感動がこみ上げてきます。
ゲストの名演を支えつつ、全編で印象的なキーボード・サウンドを奏でるこのDavid Minasianというミュージシャンの才能は底知れません。CAMELファン、叙情的なキーボード・シンフォがお好きな方には是非聴いて欲しい!
続く2枚は、本日発売したマーキー・レーベルからのSHM-CD紙ジャケをご紹介!ユーロ・ロック・ファンなら要チェックなタイトルばかりですよ~。
まずはスペインから、初紙ジャケ化となったこちら!
近年もソロ・アーティストとして活動するキーボーディストManel Campを中心とするスペイン・バルセロナ出身のプログレ・グループ、74年の2ndアルバム。
バルセロナと言うと、地元の民族音楽エッセンスや実験精神を取り入れたジャズ・ロック・ムーブメント=ムジカ・ライエターナが知られますが、このフシオーンはそういったシーンの「本格感」とはやや異なる、遊び心に富んだ個性派サウンドが魅力と言えます。
1stではクラシック・カバーの数々をジャズやイージーリスニング調も取り込んで屈折感満点のアート・ロック/プログレに仕立てていました。そしてこの2ndでは、とぼけたジャケットそのままと言える愛すべきジャズ・ロックを展開。
そのサウンドは言うなれば「ゆるいEGG」。パタパタしたリズム、クラシカルな旋律も織り交ぜた多彩なオルガンワーク、そそして呪文のような浮遊感あるメロディのスペイン語ヴォーカルらが組み合わさって、EGGを思わせるオルガン・ジャズ・ロックに独特のユーモアを漂わせたアンサンブルを構築しています。
一流の技巧・センスは感じるものの、あえて「ハズす」ことで面白味を醸し出しているようなところはGONGにも通じているかもしれません。うむ、彼らこそまさに「愛すべき」好グループでしょう。
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地域ごとに多彩なサウンドを聴かせてくれるスペインのロック・シーン。今回は、バルセロナがあるカタルーニャ州をメインに作品を取り上げてまいります!
最後もマーキー紙ジャケのリイシューより、北欧を代表するマルチ・ミュージシャンによる名作ソロをピックアップ!
ご存じフィンランド・ロックの代表バンドWIGWAMでベーシストを務め、以後はソロ・アーティストとして北欧シーンを代表するマルチ奏者。本作は77年作にリリースの3rdソロです。
「北欧のマイク・オールドフィールド」とも呼ばれる彼ですが、本作は何とそのオールドフィールド姉弟との共演作となっています。他にもGONGのドラマー=ピエール・モエルランも参加。
聴きどころは何といっても、ペッカの透明度の高い繊細な作風とマイクによる流麗で少し緊張感あるギターとの抜群の相性の良さ。次々と繰り出される美麗なフレーズたちが完璧にかみ合ったアンサンブルからは、まるで何年も活動してきた名バンドのような呼吸と科学反応を感じることができます。
このクールかつスリリングなどこまでも凛としたサウンドは、ずばり70s北欧プログレッシヴ・ロックの最高峰と言っても過言ではありませんね。
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2020年9月以前の「今週の3枚」はこちらのアーカイブ記事にてお楽しみください☆
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「これは聴いてもらいたい!」というカケレコメンドな作品を毎週3枚ご紹介。2020年1月~9月に取り上げた作品はこちらでチェックどうぞ♪
74年作の2nd。様々な要素が雑然としていた(そこが魅力ですが)1stと異なり、本作で聴けるのはオルガンを中心としたジャズ・ロック。ただ、本格派という感じではなく、人を食ったようなジャケット通りのどこかコミカルさも感じる人懐っこいサウンドが特徴的。目指すところはデイヴ・スチュワート率いるEGGあたりと同じだと思いますが、EGGと比べちゃうとちょっとかわいそうかもしれません。でも、テクニックは安定してるし、曲も魅力的だし、ジャケ含めまさしく愛すべき作品という表現がぴったりです。
紙ジャケット仕様、2020年デジタル・リマスター、SHM-CD、ボーナス・トラック2曲、定価3143+税
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
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