2020年10月16日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
BLOOD SWEAT & TEARSと並ぶ米ブラス・ロックの代表格と言えば・・・そう、CHICAGOですね。
彼らが69年にリリースしたデビュー作『CHICAGO TRANSIT AUTHORITY』は、なんとLP2枚組の大作。
ソリッドかつ洗練されたブラス・セクション、ソウルフルなヴォーカル&コーラスが彩るアンサンブルの高度さはもちろん、キャッチーで叙情的な作曲センスも既に見事なもの。伝説のグループは、なるべくして伝説になったのだなあ・・・と納得してしまいますね。
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1969年からちょうど50年を記念して、70年代を代表する名バンドによる69年リリースのデビュー作をピックアップ。第三弾は4月28日にリリースされたシカゴの1st『CHICAGO TRANSIT AUTHORITY(シカゴの軌跡)』!
さて本日はそんなCHIGAGOを起点に、米国からユーロまで、世界のニッチなブラス・ロックを探求してまいりましょう!
元BS&Tのキーボーディストが結成したブラス・ロック・グループの70年唯一作。強烈なジャケに劣らず、中身もアグレッシヴ!ファンキーなグルーヴとパワフルなブラス、跳ねるクラビネットに体揺れちゃいます!
USガレージ・サイケ最高峰『PSYCHEDELIC LOLLIPOP』で知られるグループですが、後にはこんなアルバムも出していたのかあ。名SSWエリック・カズなどの新メンバーを迎え、CHICAGOやELECTRIC FLAGに通ずるジャジー&ソウルフルなサウンドを展開する69年作4th!
シカゴがAORになってもブラス・ロック全開だったら、こんなサウンドになってたかも!?フリー・ソウルのコクとウエスト・コースト・ロックの爽快さが合わさったようなアンサンブルが実に気持ち良いです。のちにAORの代表的人物として名を馳せる若きビル・ラバウンティとスティーブ・イートン在籍バンド、72年唯一作!
まるで初期CHICAGOとKINKSとPROCOL HARUMがセッションしてるみたい・・・!?フィラデルフィア出身の7人組グループによる73年の唯一作。60’sKINKSのようなひねくれたサイケ・ポップあり、PROCOL HARUMばりの叙情派オルガン・ロックあり、初期CHICAGOを想起させる迫力のブラス・ロックもありと、英国ロック・ファンにもアピールする叙情性とアメリカらしいヌケの良さが上手くブレンドされたサウンドが特徴的です。
次は英国~ユーロにまいりましょう!
英国のグループによる70年唯一作。熱気ムンムンのオルガンをバックにむせび泣くブラス!ジャジーなギターはセンス良いし、ソウルフルなヴォーカルも英国的哀愁たっぷり。ジャケはちょいキモですが、「これぞ英国ブラス・ロック」な好盤です。
60年代末のフランスに、コロシアムやニュークリアスやグレアム・ボンドに対抗できるこれほどのグループが居たとは・・・。見事な洗練とグルーヴ。ジャズ・ロック・ファンやブラス・ロック・ファンには是非チェックしていただきたい69年デビュー作!
最後は「北欧のCHICAGO」と呼ばれたこちらのグループ!商業的な成功は収めなかったものの、母国や海外の専門家から高い評価を受けたグループとのことで、その実力は確か。CHICAGOや英国ロックからの影響を北欧らしい温もりで包み込んだような、哀愁と叙情溢れるブラス・ロック・アンサンブルを聴かせます!
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フランスのブルース/ジャズ・ロック・グループ、69年の1st。聴いて驚きました。フランスにコロシアムやニュークリアスやグレアム・ボンドに対抗できるこれほどのグループが居たとは。グルーヴィーかつ時に水面を子供がジャバジャバするように無邪気で浮遊感いっぱいのハモンド、ニュークリアスばりに艶やかで陰影に富んだホーン・セクションやギター、クリス・ファーロウもびっくりのソウルフルなヴォーカル。時にヴァイオリンも入って、テンションみなぎる超絶アンサンブルも聴かせたり、これは相当に熟達のメンバーが集まったグループに違いありません。マグマやゴング以前にこんなグループが居たとは。恐るべしフレンチ・ロック。これはオススメです。
BS&Tとともにブラス・ロックを代表するグループによる69年の記念すべきデビュー作。BS&Tの2ndの後に、ブラス・ロックの産みの親ジェイムズ・ウィリアム・ガルシオがプロデュースした69年のデビュー作。洗練されたブラス・セクション、ソウルフルで力強いヴォーカル&コーラス、ジミ・ヘンも惚れ込んだ名手テリー・キャスによるリード・ギター。米ブラス・ロックらしいアグレッシヴでたくましくソリッドなロック・ナンバーがずらり揃っています。シカゴというと、後のメロウなバラードが有名ですが、初期のブラス・ロック・サウンドもまた絶品。もっともっとロック・ファンに評価されるべき名作です。なお、デビューの後、シカゴ交通局(シカゴ・トランジット・オーソリティ)より訴訟を受け、シカゴと短く改名。
69年〜79年にかけて活動したスウェーデンのジャズ・ロック・バンド、72年デビュー作。商業的な成功は収めなかったものの、母国や海外の専門家から高い評価を受けたグループとのことで、そのサウンドはかなりハイレベル。CHICAGOやBS&Tなどの米国ブラス・ロック、そしてPINK FLOYD、CARAVAN、CRESSIDAといった英国ロックからの影響をベースにしつつ、それらを確かなジャズの素養と北欧らしい「温もり感」で調理した高水準のアンサンブル。溌剌としたブラス・セクション、丸みを帯びたトーンでジャジーに転がっていくオルガン、毛羽立ちつつも素朴なトーンのエレキ・ギター。力強いシャウトを炸裂させつつ、どこか哀愁漂う母国語ヴォーカルも絶品。明るくメロディアスな中にも独特の「郷愁」が滲むサウンドにたまらなくグッと来ます。ブラス・ロックや哀愁の英国&北欧ロックが好きな方は気に入る事間違いなしの一枚です。
SLIP&SLIDELTD160(SLIP & SLIDE)
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