2020年5月1日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
こんにちは。スタッフ増田です。
美しいメロディ、豊かなハーモニー、オーケストラが彩る華やかなアレンジ。
60年代のサイケデリック・ロックの波から派生した、こうした柔らかな聴き心地の作品たちを、今現在我々は「ソフト・ロック」と呼び親しんでいます。
しかしこのソフト・ロックの概念は、ある種日本固有のもの。海外ではソフト・ロックというとむしろ70年代中盤以降のCHICAGOやTOTO、また80年代のAORのような、メロウで落ち着いたロック全般を指すことが多いようです。
今日本で親しまれているような60年代末〜70年代初頭のソフト・ロックは、実は海外では長らく注目を浴びてきませんでした。
こうした音楽が「再発見」されたのは90年代。日本の渋谷系ミュージシャンがカート・ベッチャーやロジャー・ニコルズなど60年代末アーティストからの影響を公言したことで、忘れ去られていたこの時代の作品に注目が集まるように。
多くの名作が日本で初CD化され、『ソフト・ロックAtoZ』のようなガイド本も刊行。やがて欧米にもこのソフト・ロック再発見の流れが広まっていき、ようやく一部のマニア以外からも高く評価されるようになっていったのです。
60年代末のアメリカ西海岸を中心に発展した、まばゆい輝きを放つようなサウンド。これらの作品は他の時代のソフト・ロックと区別するために、海外では「サンシャイン・ポップ」の名で愛されています。今回はそんなサンシャイン・ポップの名盤をご紹介してまいりましょう。
サンシャイン・ポップを語る上で欠かせないのが名プロデューサー、ゲイリー・アッシャーと「コーラスの魔術師」カート・ベッチャーの存在。彼らが創り上げた至高の68年作がこちら。楽曲、コーラス、音質、もうすべてがマジカル!
そんなMILLENNIUMの母体となったグループBALLROOMの音源に、ゲイリー・アッシャーがストリングスなどアレンジを施し、SAGITTARIUS名義でリリースした68年作。MILLENNIUM『BEGIN』の兄弟作といえる傑作!
カート・ベッチャーがプロデュースを担当したこちらもサンシャイン・ポップの名作!
マジカルなコーラスを特徴とする6人組グループ。カート・ベッチャーがプロデュースを務めた66年デビュー作!
カート・ベッチャーがアレンジに参加した主要作品の一つとして数えられる67年作。美しいメロディとマジカルかつ実験性あふれるアレンジが交差していく夢見心地な名盤です。
ピチカート・ファイヴをはじめ日本のミュージシャンにも多くの影響を与えた事で有名ですよね。色褪せることのないメロディとハーモニーに満ち溢れた、ミレニアム『ビギン』と並ぶソフト・ロック金字塔の一つ!
まばゆいな~。フィル・スペクターやロジャー・ニコルスを支えた名ソングライター3人によるソフト・ロックの名グループですね。A&Mの腕利き達による演奏&アレンジもまたまばゆすぎ!
サンシャイン・ポップの象徴と言えるのがNY出身のこの男女四人組。「夢のカリフォルニア」「マンデー・マンデー」を収録した66年デビュー作!
「黒いママス&パパス」として売り出されたソフト・ロックの名グループ!パパ・ジョンことジョン・フィリップス作曲の「Go Where You Wanna Go」を収録したデビュー作&同年2ndを収録。
プロデューサーのレニー・ワロンカーを中心に、レオン・ラッセル、ヴァン・ダイク・パークス、ロン・エリオットなど西海岸勢がアレンジや演奏を手がけて作り上げた魅惑の「バーバンクサウンド」。その代表格と言えば、やっぱりこのグループですよねっ!
ビル・エヴァンスにも師事していた女性ジャズ・ピアニストが『ペット・サウンズ』に衝撃を受けポップSSWに転身!この68年作、ジョニ・ミッチェルばりの感性をママパパのピースフルさで包み込んだ、と言えば伝わるでしょうか。マジカル!
ブライアン・ウィルソンにも負けないマジカル過ぎる必殺メロディが炸裂しまくりで、「パパパ」コーラスにも涙。『ペット・サウンズ』的ソフト・ロック最高峰!
フラワー・ムーヴメント真っただ中の1967年にデビューしたグループ。美しくポップなメロディと透明感溢れるコーラス・ワークは、キラキラとした遠い夏の思い出のようです。
その他のソフト・ロック作品はこちらもご覧ください!
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ソフト・ロック・ガイド本の名著『ソフト・ロックA to Z』の巻頭カラーセレクションの作品を中心に、洗練されたコード進行、流麗なメロディ、キラキラとしたハーモニー、格調高いアンサンブルが魅力の名作をピックアップ!
ソフト・ロックを代表するグループMilleniumの母体となったグループBallroomの音源に、Gary Usherがストリングスなどアレンジを施して完成させ、Sagittarius名義でリリースした作品。68年作。格調高いハープシコード&ストリングス、洗練された管楽器アレンジ、とろけるように優美なメロディ、エコーに包まれた幻想的なコーラス。Millenium「Begin」と並び、ソフト・ロック史に輝く傑作。
ピチカート・ファイヴをはじめ日本のミュージシャンにも多くの影響を与えた、ミレニアム『ビギン』と並ぶソフト・ロック金字塔の一つ!軽やかなボサノヴァ風のリズム、芳醇な男女ヴォーカルのハーモニーに、華やかで格調高いオーケストラ・アレンジ。ウキウキと心弾むように駆け抜ける「Don’t Take Your Time」に始まり、美しいメロディがしっとりと穏やかに広がる「I Can See Only You」、軽やかにかき鳴らされるアコギに洒脱なヴォーカルが絡み、中盤からオーケストラが壮大なスケールを描き出す「Can I Go」など、いつまでも聴いていたくなるような幸福感いっぱいのナンバーが揃い踏み。「With A Little Help From My Friends」などカヴァー曲も秀逸!色褪せない輝きを放つ傑作です。
Curt Boettcher率いるカリフォルニア産ソフト・ロック/ポップ・サイケの伝説的グループが68年に発表した唯一作。68年という時代を代表する傑作というだけでなく、ロック史を通してもクオリティの高さでは最高峰に位置する永遠のマスターピース。8チャンネルのレコーダー2台(計16トラック)に録音された、瑞々しいコーラスや緻密なアンサンブル。そして、Curt Boettcherだけではなく、その他のメンバーが持ち寄った楽曲も含めて、驚くほど流麗なメロディ。そして、68年とは思えないクリアで洗練されたサウンド・プロダクション。すべてがマジカル。
ボストン大学でクラシックとジャズを学び、ビル・エヴァンスの教えを受けた経験も持つピアニストで、オーネット・コールマンとも親交するなどジャズの道でも期待されていた才女。そんな彼女が『ペット・サウンズ』、特に収録曲「God Only Knows」に衝撃を受けたことでポップSSWへと転向し、68年にリリースした1stソロ。可愛らしいジャケの通りに歌声はスモーキーかつクリスタルでうっとりですが、転調ばりばりながらキャッチーな曲には確かな音楽的素養がみなぎっています。ジョニ・ミッチェルやフリー・デザインのクリス・デドリックに通じる瑞々しい感性を、ママパパのピースフルな雰囲気で包み込んだ感じと言えば伝わるでしょうか。米ソフト・ロックの傑作であり、キャロル・キングやローラ・ニーロなどと比べても色あせない女性SSW傑作。
マレーシアのビートルズ!ジャケのレスラーのようなメンバー写真からは想像できない美しく繊細なメロディとハーモニーにびっくり!
GUESS002CD/GUPEN001CD(GUERSSEN)
2090円 (税込2299円)
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《コロンビアのGENESIS》なんだか名前負けしちゃって、まだ聴いてないって方も、多いはず??この気持ち良さ、世界遺産レベル。
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