2020年1月24日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
本記事は、「netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』第64回 XING SA / Creation De L’univers (France / 2010) 」に連動しています
ギタリストJames MacGaw、キーボーディストEmmanuel Borghi、ベーシストPhilippe Bussonnet、ドラマーDaniel Jeand’heurによって90年代末に結成されたのがONE SHOTです。ドラマーDaniel Jeand’heur以外の3名は、MAGMAのメンバーとしても活動経験を持ちます。ONE SHOTは、Soleil Zeuhlから2001年作『Vendredi 13』、そして2011年作『Live In Tokyo』を発表しています。MAGMA直系のサウンドを生み出す彼らは、Soleil Zeuhlのレーベル・カラーを象徴するグループであると言えるでしょう。
MAGMAから影響を受けたマルチ・プレイヤーFrancois Thollotは2002年、Soleil Zeuhlから『Ceux D’en Face』と『Contact』の2枚のスタジオ・アルバムを発表しました。『Ceux D’en Face』は、Francois Thollotが全ての楽器をプレイした作品となっており、チェンバー・ロックのテイストが強い作風。一方、THOLLOT 名義でリリースされた『Contact』には同じくSoleil Zeuhl に所属するONE SHOTのベーシストPhilippe BussonnetとドラマーDaniel Jeand’heurが参加し、楽曲のダイナミズムに貢献しています。
MAGMAのメンバーとしても活動するONE SHOTのギタリストJames MacGaw、同じくONE SHOTのドラマーDaniel Jeand’heur、そしてエレクトリック・ハーディ・ガーディ奏者Thierry Bruneauという驚きの編成によって結成されたのがPIENZA ETHNORKESTRAです。James MacGawは、PIENZA ETHNORKESTRAではベースを担当。彼らは2006年、ファースト・アルバムにしてライブ・アルバムである『Indiens D’Europe』を発表しました。
OFFERINGのドラマーJean Claude Buire、XAALのギタリストLaurent Imperato、そしてMAGMAのメンバーとしても活動するONE SHOTのベーシストPhilippe Bussonnetによって結成されたのがヘヴィー・ジャズ・ロック・グループBBIです。彼らは90年代にスタジオ・レコーディング音源を残すも未発表となっており、2008年になってSoleil Zeuhlから初めて蔵出しされました。
ギタリストYannick Duchene、エレクトリック・ピアノを奏でるキーボーディストCarole Sauvage、ベーシストWilliam Pwaelzik、ドラマーChristophe Gratienによって2005年に結成されたのがNEOMです。彼らは2009年、Soleil Zeuhlからデビュー・アルバムとなる『Arkana Temporis』をリリースしました。4つのパートに分かれた、40分を超える組曲「Act I」と、やはり10分を超える大曲「Act II」を収録しています。
ドラマーFrancois Thollotが率いるのが、2005年に結成されたSCHERZOOです。彼らの生み出すサウンドは、MAGMAから影響に加えてUNIVERS ZEROを彷彿とさせるチェンバー・ロック、あるいはカンタベリー・ロックなどの音楽性まで巻き込んだもの。マルチ・プレイヤーであるFrancois Thollotは、ソロ・アーティストとしてもSoleil Zeuhlから2002年作『Ceux D’en Face』と同年作『Contact』の2枚のスタジオ・アルバムを発表しています。
Soleil Zeuhlに所属するアーティストたちはMAGMAと同じフランス出身者が多くを占めていますが、そんな中でアメリカから登場した新世代のMAGMAフォロワーが、日系人ミュージシャンもメンバーに擁するCORIMAです。CORIMAは、「アステカ文明」をコンセプトに置いた2012年作『Quetzalcoatl』でSoleil Zeuhlからアルバム・デビューを果たし、2016年には「天照大神」をアルバム・タイトルに冠した『Amaterasu』を発表しています。
2007年に『Cycle I』を発表し、プログレッシブ・ロック・シーンに登場したのがSETNAです。彼らは2013年のセカンド・アルバム『Guerison』において、MAGMAから影響を受けたスピリチュアルな音楽性にカンタベリー・ロックのテイストをブレンドし、個性豊かなジャズ・ロックを作り上げました。『Guerison』には、70年代中期のMAGMAを支えたキーボーディストBenoit Widemannや、MAGMAのメンバーとしても活動するONE SHOTのギタリストJames MacGawらが参加しています。
多くのプログレッシブ・ロック・リスナーの目をベラルーシへと向けさせたのがチェンバー・ロック・グループRational Dietです。彼らは2010年作『On Phenomena And Existences』を発表後に分裂し、THE ARCHESTRAとFIVE-STOREY ENSEMBLEが新たに誕生しました。ヴァイオリニストのKirill Krystiaが中心となるのがTHE ARCHESTRAであり、2013年に『Arches』を発表。FIVE-STOREY ENSEMBLEも2013年にファースト・アルバム『Not That City』を発表しています。
ドラマーPhilippe Gleizesを中心として、キーボーディストMatthieu Jerome、ギタリストRudy Blas、ベーシストCharles Lucasによって結成されたのがへヴィー・ジャズ・ロック・グループCAILLOUです。Philippe Gleizesは、再始動を果たしたOFFERINGのメンバーとしても知られています。MAGMAやONE SHOTにも引けを取らない、ダークなサウンドが魅力です。
ギタリストFranck William Fromyを中心に、キーボーディストVincent Sicot VantalonとEmmanuel Pothier、ベーシストAdrian Luna、ドラマーPhilippe Haxaireによって結成され、2012年に『Pangaea Proxima』でSoleil Zeuhlからアルバム・デビューを飾ったのがUNIT WAILです。ギタリストFranck William Fromyはプログレッシブ・ロック・グループSHUB-NIGGURATHのメンバーであり、SHUB-NIGGURATH もまたSoleil Zeuhlから過去の作品が再発されています。
パリで2008年に結成されたのが、ヴォーカリストAurelie SainteCroix、ギタリストThomas Bourgenot、ベーシストJoel Crouzet、ドラマーVladimir Mejstelman、キーボーディストAlex Michaan、そしてフルート奏者Juliette Drignyから成るVAKです。彼らは、2011年から2014年にかけて2枚のミニ・アルバムを録音しており、それらの楽曲を1枚のアルバムにコンパイルした2015年作『Aedividea』がSoleil Zeuhlからリリースされました。
「netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』第64回 XING SA / Creation De L’univers (France / 2010) 」
現行MAGMA/ONE SHOTのベーシストがMAGMA参加前に組んでいたジャズ・ロック・トリオ。96年録音/08年発表作。空間を切り裂くエッジの立ったソリッドなリフ、MAGMAが放っておくはずもないZEUHL直系のメロディアスな重低ベース、タイトかつダイナミックなドラムが濃密に絡み合う超攻撃型ジャズ・ロック!SOLEIL ZEUHLレーベル内でも、屈指の強度とヘヴィネスを誇るグループ。
MAGMA/ZEUHLサウンド影響下のフランスのマルチ・ミュージシャン、FRANCOIS THOLLOTによるグループ。11年デビュー作。編成は、リズム隊にギター、ピアノ、アルト・サックスの5人組。変拍子を散りばめながら急激な緩急でシャープに畳みかけるドラム、クリムゾン『レッド』期ばりの轟音ベースによる硬質なリズム隊からして圧倒的なテンション!さらに、緊張感をあおるミニマルなフレーズから疾走する早弾きまで緊張感をあおるキーボード&ピアノ、塊となって聴き手に襲いかかるギターとサックスが追い打ちをかけて、ヘンリー・カウやクリムゾンばりの強度でレッドゾーンを振り切ります。いや〜、凄まじい熱量とスピード感。アコースティックな音色もうまく配して音は芳醇さもあるものの、アンサンブルは終始キレキレ。狂暴な変拍子になぎ倒されっぱなしの痛快な傑作です。
フランス出身、フェンダー・ローズ/ピアノ奏者、オルガン奏者のダブルキーボード編成の5人組新鋭ジャズ・ロック・バンド。07年作から6年ぶりの2013年作2nd。アグレッシヴに動きまくる跳躍力あるファズ・ベース、カンタベリー・フィーリングたっぷりな淡いトーンのファズ・オルガンが印象的。ヴォーカルも優美でメランコリック。ハットフィールド&ザ・ノースの1stにマグマの暗黒さをいいあんばいに注入した感じと言いましょうか、カンタベリーのメロウネスとマグマの緊張感が絶妙にバランスしたサウンドがかなり完成度高いです。繊細なタッチと流麗さを持った好グループです。ズール系ファンにもカンタベリーファンにもオススメ!
05年結成、フランスのジャズ・ロック/アヴァン・ロック・グループ。09年デビュー作。抜けの良いクリアトーンから凶暴なディストーションまで饒舌に圧倒するギターワーク、艶やかで甘やかな音色を奏でるローズピアノ、重厚でタフなドラミングと地を這うような重低ベース。そしてまるで着火剤のように、アンサンブルを「静」のパートから「動」のパートへと煽動する、MAGMA直系のフィメール・コーラス。MAGMA/ZEUHL系のグループながら暗黒なトーンはさほど感じず、地球上に住む生命体をテーマにしたというコンセプト作らしい、神秘的なストーリーを感じるドラマティックな展開に思わず引きこまれます。
「太陽と戦慄」期クリムゾンやヘンリー・カウ的な攻撃性を軸に、HF&Nに通ずる繊細さと緻密さ、フランスらしい芸術性や演劇性を融合させたサウンドは、素晴らしき完成度!
VOC1031(VOCATION)
2890円 (税込3179円)
在庫あり
MAGMA譲りの暗黒、MAHAVISHNU ORCHESTRAの向こうを張る演奏強度、そして繊細に音を描く芸術的感性を兼ね備えたユーロ・ジャズ・ロックの傑作。これは凄い作品…!
FGBG5042(MUSEA)
2490円 (税込2739円)
在庫あり
フレンチ・ロックの雄たちが大挙して制作したスリリングなジャズ・ロック作。MAGMA〜ZEUHL周辺の膨大な作品群を代表すると言っても過言ではない一枚。名作!
LION638M(LION)
2290円 (税込2519円)
在庫あり
怪奇度/恐怖度に関しては、マグマもユニヴェル・ゼロも凌駕!!!フランスのチェンバー・ロック・グループの80年代初期録音。
SOLEILZEUHL22(SOLEIL ZEUHL)
2320円 (税込2552円)
売り切れ
狂暴な変拍子に終始なぎ倒されっぱなし!ヘンリー・カウやクリムゾンばりの強度でレッドゾーンを振り切りまくるズール系新鋭による痛快すぎる傑作!
SOLEILZEUHL28(SOLEIL ZEUHL)
2290円 (税込2519円)
売り切れ
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