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スタッフ厳選☆今週の3枚!!【2020年1月~9月アーカイブ】

【4月26日~5月2日の3枚】

最初は、初CD化となった北欧ジャズ・ロックの知る人ぞ知る逸品からチェック!

その1. SPLASH/UT PA VISCHAN!

69-79年にかけ活動し3枚のアルバムを残した、スウェーデンのジャズ・ロック・バンドによる72年デビュー作。

CHICAGOやBS&Tなどの米国ブラス・ロック、そしてPINK FLOYD、CARAVAN、CRESSIDAといった英国ロックからの影響をベースにしつつ、それらを確かなジャズの素養と北欧らしい「温もり感」で調理した高水準のアンサンブルを聴かせます。

溌剌としたブラス・セクション、丸みを帯びたトーンでジャジーに転がっていくオルガン、毛羽立ちつつも素朴なトーンのエレキ・ギター。力強いシャウトを炸裂させつつ、どこか哀愁漂う母国語ヴォーカルも絶品。明るくメロディアスな中にも独特の「郷愁」が滲むサウンドにたまらなくグッと来ます。そんなサウンドと調和するアートワークも印象的ですね。

ブラス・ロックや哀愁の英国&北欧ロックが好きな方は気に入る事間違いなしの一枚です!

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以前BIG PINKレーベルからもリイシューされた英フォーク・ロック名品が、未発表音源満載の3枚組エディションでリリース!

その2. SHAPE OF THE RAIN/RILEY RILEY WOOD AND WAGGETT (DELUXE EDITION)

キーフが手掛けたジャケットの中でも最もマイナーな一枚かもしれない、ネオン・レーベル発フォーク・ロック、71年の唯一作。

60年代末のサイケ・ポップの残り香とCSN&Yやバーズなどの米西海岸のフォーク・ロックへの憧憬とがブレンドされ、英国的な叙情性でラッピングされたメロディ・ライン、繊細なハイ・トーンが魅力のヴォーカル、そして、卓越した三声コーラス。

エッジの立ったカッティングと流麗なアルペジオとメロウなオブリガードが織りなすツイン・ギターのリズムは、ウィッシュボーン・アッシュを彷彿させます。アコースティックなバラードは、アメリカのビッグ・スターも頭に浮かびました。ポップな中に英国的な哀愁がたっぷりつまった、これぞ英国フォーク・ロックと言える一品です。

CD2には01年にリリースされた66~73年未発表音源集『SHAPE OF THE RAIN (Red Album)』、CD3には新規未発表ライヴ音源を収録!

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ラストはイタリアの注目新鋭をご紹介☆

その3. MORREALE/APPUNTI DI VIAGGIO

ヴォーカル/ギター/キーボードを担当するマルチ・プレイヤーMassimiliano Morrealeを中心とするイタリア新鋭、2020年デビュー・アルバム。

1曲目は、木漏れ日を感じるアコギ爪弾きと少しサイケデリックに揺らめくエレキ・ギターのコンビが美しいリリカルなインスト。穏やかに紡がれる音世界に浸っていると、2曲目はフリップばりの鋭角的なギター&エキセントリックに上下する歌メロをシアトリカルに歌うイタリア語Voが存在感抜群な、外連味たっぷりのハード・ロックが飛び出してきて、その落差にビックリします。

例えるならCELESTEがいきなり初期OSANNAに豹変したかのような感じ?

そんなフォークとハード・ロックを行き来するスタイルを軸としつつ、本格的なジャズ・ギターを聴かせるムーディーなジャズ・ナンバーあり、CAMELとPINK FLOYDが合わさったような叙情シンフォに流麗なクラシック・ギターが乗るナンバーあり、チェンバロが独奏するバロックなナンバーありと、コロコロと表情を変えていくサウンドに翻弄されます。

Massimiliano Morrealeの多才さが奔放に発揮された、目まぐるしく濃厚なイタリアン・ロックが味わえる快作です。

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【4月19日~25日の3枚】

まずは、BIG PINKレーベルから届いた注目リイシュー2タイトルをピックアップ!

その1. CONTINUUM/CONTINUUM

71年に2枚のアルバムを残した4人組プログレッシヴ・フォーク・グループによる1stアルバムが本作。

CONTINUUMは、67年にハンガリー出身のマルチ・ミュージシャンYoel Schwarczがオランダにて立ち上げ、渡英後にイギリス人メンバーらと共に本格的な活動を開始します。

Yoelを含む2人のクラシック・ギター奏者によるバッハ等の古典フレーズも織り交ぜながら紡ぐアコースティックなサウンドと、ウッドベースのジャジーな進行との組み合わせがユニークなプログレッシヴ・フォーク。

Yoelが担当するフルートも印象的で、ギターと共にクラシカルな旋律を流麗に吹いていたかと思えば、ウッドベースに合わせたジャジーな音運びで洒脱に舞ったりと、変幻自在なプレイを披露していて聴きどころです。ハンガリーの血に由来するのか、民族調のエキゾチックなフレーズも各所に散りばめられていますね。

また曲によってはアヴァンギャルドな弦楽パートが挿入されたりもして、クラシック、ジャズ、トラッドなどが共存したサウンドがとにかく驚くほどにハイレベル!

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その2. TRAMP/TRAMP

JOHN DUMMER BLUES BANDのデイヴ・ケリー(Vo)とその姉ジョアン・ケリー(Vo)を中心に、FLEETWOOD MACのミック・フリートウッド(Dr)&ダニー・カーワン(Gt)&ボブ・ブラニング(Ba)、ケリー姉妹やFLEETWOOD MAC人脈と多数共演するボブ・ホール(Piano)らが集い結成された英ブルース・ロック・プロジェクトの69年作1st。

アメリカでの修行経験を持つデイヴ・ケリーや米チェス・スタジオでの本場ブルースマンとのセッションを経たフリートウッド・マックの2人が揃ってるだけあって、本場仕込みのブルース・ロックが味わえる本作。

デイヴ・ケリーは本職のギターではなくヴォーカルでの参加ですが、それに代わり若き天才ダニー・カーワンが程良く歪んだキレのある極上のギター・プレイを聴かせてくれます。

リズミカルに転がるピアノも小気味よいし、デイヴ・ケリーのソウルフルなヴォーカルとジョアン・ケリーの艶のあるコーラスもさすがに息ピッタリ。

本格感ぷんぷんのブルース・ロックながら、ノリ良くもゆったりとした気分に浸れるアンサンブルはパブ・ロックに通ずる味わいもあり。

メンバーにビビッと来たらまず間違いない、素晴らしいブルース・ロック・アルバムです。

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ラストは、先日再入荷したカケレコ国内盤のコチラをご紹介!

その3. テレグラフ/MIR ミール

09年にイスラエルのテルアビブで結成された4人組プログレ・グループによる18年デビュー作。

本作は、ソ連崩壊時に宇宙飛行中だったことで「最後のソビエト連邦国民」とも云われる伝説的な宇宙飛行士セルゲイ・クリカレフを題材にした作品となっています。

そのサウンドは、CAMELやPINK FLOYDら70年代プログレ影響下のスタイルにスペース・ロックの要素を融合させた、洗練されつつも温かくイマジネーションに溢れたシンフォニック・ロック。

ヴィンテージなトーンで湧き上がるオルガン、ゆったり流れるメロトロン、リリカルに囁くエレピといったキーボード群と、アンディ・ラティマー直系のエモーショナルでメロディアスなギターが描くファンタジックなアンサンブル。そこに様々にトーンを変化させるムーグ・シンセがスペイシーな広がりを持たせていて、作品コンセプト通りの音世界を築き上げています。

これは文句なしに一押しとなっていますので、未聴なら是非ご試聴してみてください☆

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【4月12日~18日の3枚】

その1. キアト/キアト

まずは、ジャパニーズ・プログレの要注目作がリリースされましたのでご紹介!

NegAcoustika~ファーカンダのKOW(ヴォーカル/ギター)、obaiwaの岩崎裕和(キーボード)、Mongol~Negasphereの天崎直人(ベース)、minoke?の高橋克典(ドラムス)の4人によって結成されたプログレ・バンドによる2020年デビュー・アルバム。バンド名はメンバーのイニシャルを並べたもの。

細やかかつ色彩感のあるドラミングに歌うように伸びやかで芳醇なベース、心地よく波打つリリカルなピアノ、そしてシアトリカルで浮遊感いっぱいのヴォーカル。精緻な技巧を披露しながらも手工芸品のように丹念で透明感溢れるアンサンブルがとにかく素晴らしくて、1曲目で早くもKIATならではの音世界に惹き込まれます。

とにかくどの楽器も豊かな「歌心」をもったプレイが魅力的で、それらが組み合わさることで生まれる有機的なサウンドを作り上げているのが特徴と言えるでしょう。

一転してクリムゾンばりの緊張感でヘヴィに迫る2曲目にも痺れるし、3曲目は古楽器のようなアコースティックギターの音色と切ない歌声による物悲しい弾き語りから一気にドラマティックに躍動を始める演奏が見事なナンバー。

緩急自在に紡がれるロマンティックでイマジネーションに富んだプログレを楽しませてくれる愛すべき一枚です。
おすすめ!

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続いては、今週入荷のあったイスラエルからの人気タイトルを2つ取り上げてまいります♪ まずはイスラエル・ロックの原点とも言うべき作品から。

その2. KAVERET/POOGY TALES

もしポール・マッカートニーがカンタベリー出身で、ジョン・レノンじゃなくロバート・ワイアットと出会っていたら?って感じのマジカルすぎる一枚がコチラ!

Yoni Rechterなど、後々もイスラエルの音楽シーンで活躍を続ける名ミュージシャンが複数在籍した70年代イスラエル・ロックを代表するグループ。73年作の1st。

サウンドの質感はフィンランドの名バンドWIGWAMに近い印象。60年代ブリティッシュ・ポップのDNAを受け継ぐ優美でキャッチーなメロディ、卓越したコーラス・ワーク、カンタベリーを彷彿とさせるエレピや流麗なギターなどジャズ・ロックのエッセンス、そしてシリアスになり過ぎないユーモアや遊び心。

その後のイスラエル・ロックを担うアーティストたちが集っているだけあって、素晴らしい完成度を誇っています。

プログレ・ファンやニッチ・ポップのファンにはもちろんですが、ビートルズ・ファンにもオススメしたいマスターピース!

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今度はイスラエルの新鋭をチョイス。あのTELEGRAPHに負けず劣らずの一枚ですよ☆


その3. STEIN/MAGISTER

イスラエルの新鋭プログレ・グループTELEGRAPHで活動するギタリストTal Rubinsteinによる16年リリースの1stソロ作。

全編インストで、CAMEL直系のどこまでもたおやかな叙情プログレとANEKDOTENやOPETHを思わせるスリリングでメタリックなアンサンブルという二つの側面を併せ持った内容に仕上がっています。

とはいえ後者の比重はそれほど大きくなく、全体としては甘く伸びやかなギターやきらめくようなアコギ、柔らかなキーボードをフィーチャーした穏やかでメロディアスな楽曲がメイン。時にふくよかなフルートや幻想的な女性ヴォーカルも取り入れ、どこまでも叙情的に、かつイスラエルらしい透き通るような清涼感もたっぷりと織り交ぜて綴られるサウンドには、きっと目頭を熱くせずにはいられないはず。

優しくもどこか仄暗くスペーシーな浮遊感を持ったナンバーはPINK FLOYDも彷彿。叙情プログレ好きの方は要チェックの逸品となっています。

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3月の「今週の3枚」は次ページでお楽しみください☆

2019年12月以前の「今週の3枚」は下記ページにてチェックどうぞ!


スタッフ厳選☆今週の3枚!!【2019年7月~12月アーカイブ】

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「これは聴いてもらいたい!」というカケレコメンドな作品を毎週3枚ご紹介。2019年7月~12月に取り上げた作品はこちらでチェックどうぞ♪

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  • TRAMP / TRAMP

    ミック・フリートウッド、ダニー・カーワン、デイヴ&ジョアン・ケリー姉弟など、英ブルース・ロック・ミュージシャンによるプロジェクトバンド、69年1st

    JOHN DUMMER BLUES BANDのデイヴ・ケリー(Vo)とその姉ジョアン・ケリー(Vo)を中心に、FLEETWOOD MACのミック・フリートウッド(Dr)&ダニー・カーワン(Gt)&ボブ・ブラニング(Ba)、ケリー姉妹やFLEETWOOD MAC人脈と多数共演するボブ・ホール(Piano)らが集い結成された英ブルース・ロック・プロジェクトの69年作1st。何が良いってやはりダニー・カーワンの程良く歪んだ、キレのあるギター・プレイが極上。リズミカルに転がるピアノも小気味よいし、デイヴ・ケリーのソウルフルなヴォーカルとジョアン・ケリーの艶のあるコーラスも良い。ノリ良くもゆったりとした気分に浸れるアンサンブルは英パブ・ロックにも通ずる所があります。初期FLEETWOOD MACなどブリティッシュ・ブルース・ロック・ファンは必聴の名作。

  • SPLASH / UT PA VISCHAN!

    CHICAGOからの影響濃厚なスウェーデンの実力派ジャズ・ロック・バンド、72年作1st

    69年〜79年にかけて活動したスウェーデンのジャズ・ロック・バンド、72年デビュー作。商業的な成功は収めなかったものの、母国や海外の専門家から高い評価を受けたグループとのことで、そのサウンドはかなりハイレベル。CHICAGOやBS&Tなどの米国ブラス・ロック、そしてPINK FLOYD、CARAVAN、CRESSIDAといった英国ロックからの影響をベースにしつつ、それらを確かなジャズの素養と北欧らしい「温もり感」で調理した高水準のアンサンブル。溌剌としたブラス・セクション、丸みを帯びたトーンでジャジーに転がっていくオルガン、毛羽立ちつつも素朴なトーンのエレキ・ギター。力強いシャウトを炸裂させつつ、どこか哀愁漂う母国語ヴォーカルも絶品。明るくメロディアスな中にも独特の「郷愁」が滲むサウンドにたまらなくグッと来ます。ブラス・ロックや哀愁の英国&北欧ロックが好きな方は気に入る事間違いなしの一枚です。

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文・市川哲史

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