2019年8月27日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ,日々是ロック
タグ: ブリティッシュ・ロックプログレ
スタッフ増田です。
暑さのピークは過ぎ去ったようで、朝晩には少し肌寒さも感じる今日この頃ですね。
嫌いな人も多い季節でしょうが、それでも夏の終わり際にはちょっぴりセンチメンタルな気分にならざるを得ません。
今日はそんな夏の終わりにピッタリのブラス・ロック作品を各国からセレクトいたしました。
まずはジョン・メイオール率いるブルースブレイカーズを経て、キーフ・ハートレイが結成した英国のグループによる69年作2nd。
本場アメリカのリスナーも魅了するほどブルース・ロックを極めたキーフ兄貴がホーン・セクションを導入し、BS&Tやシカゴにも負けないブラス・ロックを鳴らした傑作!
英国ブラス・ロックの名バンドといえば彼らですね。
熱気ムンムンのオルガンをバックにむせび泣くブラス!ジャジーなギターはセンス良いし、ソウルフルなヴォーカルも哀愁たっぷり。英国叙情に満ちた名作です。
次はキャラヴァン『グレイとピンクの地』でお馴染みのデヴィッド・ヒッチコックがプロデュースしたニッチな英国ブラス・ロック盤。
ブラスを交えたコクのあるアンサンブルに、穏やかで哀愁あるヴォーカルとコーラスのハーモニー。こちらも英国ロックのファンの心をくすぐる逸品。
次は米国から、こちらの管楽器奏者を含む9人組グループをご紹介。
サイケ、ジャズ、ファンク、ソウルをごった煮にしたこの濃厚かつ洗練されたサウンド!これぞアメリカン・ロックならではのコクですね…。
こちらは「初期シカゴとキンクスとプロコル・ハルムがセッションしてるようなアルバム」!?
サイケ・ポップとブラス・ロックとジャズ・ロックを混合したようなサウンドですが、メロウさと爽やかさ、そして英国ロックも思わせる繊細な哀愁が漂っていて実に良いです。
最後はベルギーから75年の名作をピックアップ。
まるで初期シカゴとウィッシュボーン・アッシュとクレシダが合体したような感じ?荘厳かつメロディアスで哀愁にまみれたこのサウンド、グッと来ますね~。
ブラス・ロックはこちらの記事もどうぞ!
ジョン・メイオール率いるブルースブレイカーズを経て、キーフ・ハートレイが結成したグループ。69年にデラムからデビューした同年のうちにリリースされた2nd。前作ではゲスト参加だったヘンリー・ローザーが正式にメンバーとしてクレジットされ、BS&Tやシカゴなど米ブラス・ロック・ムーヴメントとも呼応し、ヘンリー・ローザーを中心とするホーン・セクションをフィーチャーした英ブルース/ブラス・ロックが印象的。ブラス・ロックといっても米国勢のように華やかにならず、むせび泣くように叙情的なのがいかにも英国。ジャジーなフルートとゲスト参加したミック・ウィーヴァーによる淡いオルガンが醸し出す叙情美に心奪われます。ミラー・アンダーソンの憂いたっぷりのヴォーカルも相変わらず絶品。キーフ兄貴のボコスカと重くタイトなドラムもキマってます。米ブラス・ロックの「逞しさ」「華やかさ」に英国ならではの叙情性で対抗したブラス・ロック名作。最高のグルーヴ!
ベルギー出身、ツイン・ギターに加え、ブラス&フルート奏者、キーボード奏者を含む7人組グループ、EMIより75年にリリースされた唯一作。ブラス・ロックを彷彿させる逞しくもシャープなリズム・セクション、クラシックな気品もあるドラマティックに盛り上がるツイン・リード・ギター、英VERTIGOの作品群を彷彿させる流麗なフルートや淡いオルガン、そして、多声コーラスを交えて荘厳に盛り上がっていくヴォーカル&ハーモニー。まるで初期シカゴとウィッシュボーン・アッシュとクレシダが合体したような何とも魅惑的なサウンドが全編で繰り広げられていてビックリ。演奏は安定感抜群だし、変拍子のキメを織り交ぜながら忙しなく畳み掛ける展開もプログレッシヴだし、メロディもフックたっぷりだし、これは素晴らしい作品。ユーロ・ロック名作!
ニューヨーク出身、管楽器奏者を含む9人編成のグループ。70年作。サイケ、ジャズ、ファンク、ソウルをごった煮にしたグルーヴィ−&メロウなサウンドが聴き所。しなるリズム、ブイブイと引っ張るベースによるグルーヴィ−なリズム、軽快かつ陰影に富んだブラス、ソウル・フレイヴァーなヴォーカルが印象的なオープニング・ナンバーからたまりません。これぞアメリカン・ロックならではの濃厚な旨味に溢れています。サイケデリック&メロウな2曲目、野外フェスで聴いたら気持ちいいだろうなぁ、と思ってしまうメロウにたゆたう3曲目。次々とグルーヴィ−かつ洗練されたアンサンブルが繰り広げられます。そして、極めつけは、エモーショナル&ソウルフルなヴォーカルに柔らかなヴァイブが寄り添い、ブラスがむせぶ必殺のメローナンバー「Cross Country」。とにかく、どの曲もキャッチーかつ味わい深い佳曲ぞろい。雰囲気たっぷりのジャケにビビっときたら、聴いて損は絶対にありません。ロック・ファン、ソウル・ファン双方にとっても、これは必殺の傑作!
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