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「知られざる(!?)CARAVAN関連作」~『カケレコのロック探求日誌』一週間一気読み!~

この所MAGMAやFOCUSなどなど、プログレ・ファンにとっては嬉しい来日のニュースが続きますね。

そして今月20日にはいよいよあの英国カンタベリー・ロックの名バンド、CARAVANの来日が迫っています!

それを記念いたしまして、今週のカケレコFBでは「知られざる(!?)CARAVAN関連作」をご紹介。
現メンバーの参加作を中心に、CARAVANと関わりのある作品をご紹介してまいりますよ~。

(↓カケレコWEBマガジンでもCARAVANの特集記事をアップしておりますので、ぜひご覧下さい♪)


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7月1日(月):CARAVAN / IN THE LAND OF GRAY AND PINK

まずはCARAVANの名盤からスタート。作品はもちろん代表作である73年の3rd『グレイとピンクの地』をピックアップ!

もうジャケットを見ただけで心が温かくなってしまう本作ですが、中身もポップで淡く優しいジャズ・ロック・サウンドでいっぱい。

Dave Sinclairによるファズ・オルガンも特徴的な叙情的で愛らしいアンサンブルに、穏やかに語り掛けるようなRichard Sinclair&Pye Hastingsのヴォーカル。

幻想性に包まれつつどこか湿り気や哀愁も帯びた、英国らしい雰囲気がたまらない珠玉の一枚ですね。(増田)

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7月2日(火):CAMEL / I CAN SEE YOUR HOUSE FROM HERE

今日は、キャメルの作品をピックアップ。

キャメルと言えば、元キャラヴァンのリチャード&デイヴ・シンクレアが参加していた叙情あふれる傑作『BREATHLESS(1978)』が有名ですが、今日ご紹介するのはこのたびのキャラヴァンの来日公演にも登場するメンバー、ヤン・シェルハースが参加している『I CAN SEE YOUR HOUSE FROM HERE(1979)』です。

ヤン・シェルハースは、75年からキャラヴァンで活躍していたキーボード奏者でしたが、『BREATHLESS』リリース後、78年にキャメルに加入しました。
当時のキャメルは、オリジナル・メンバーよりも元キャラヴァンのメンバーが多いことから「キャラメル」期などと呼ばれたりもしました。

さて79年の今作では、キャラヴァン再結成のためにリチャード&デイヴ・シンクレアが抜け、HAPPY THE MANのキット・ワトキンスが加入。ヤン・シェルハースとの見事なツイン・キーボードで、それまでよりキャッチーでシャープなサウンドを聴かせてくれます。

もちろんキャメル特有の叙情性は健在で、ファンタジックで色彩豊かなキーボードの中をアンディ・ラティマーの泣きのギターが響く美しいサウンドに、とことん圧倒されてしまいます。(みなと)

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7月3日(水):QUANTUM JUMP / BARRACUDA

今日は、QUANTUM JUMPの77年2nd『BARRACUDA』をピックアップ。

70~80年代にかけて敏腕プロデューサーとしてその名を轟かせたルパート・ハイン率いるバンドで、本作はご存じキャラヴァンのベーシスト ジョン G.ペリーと、元ペドラーズで90年代以降はビョークやアンダーワールドの作品でもプレイするドラマー トレバー・モライスによるトリオ編成で制作されています。

さらにゲストとして今回の来日メンバーであるヴィオラ&マルチ奏者ジェフリー・リチャードソンも参加していて、キャラヴァン人脈参加作として注目に値する作品と言えるでしょう。

その内容は、NWを先取りするようなデジタル・ビートを用いたある種ダンサブルなリズムワークに、フュージョン・タッチの職人的アンサンブルが乗る、ルパート・ハイン特有の音作りセンスが存分に発揮された見事なもの。

まるで歌うように表情豊かなベース、エキゾチックかつ飛翔感のある旋律でグワッと盛り上げるヴィオラと、各人の「らしい」プレイが満載なのも嬉しい所です。

また全編どこか人を食ったようなユーモア感覚を漂わせている感じが、個人的にはゴングの『SHAMAL』あたりを思わせます。

ちなみにBARRACUDAとはジャケットにも登場している「オニカマス」の事で、最大1.8mにもなる巨大魚。これをタイトルやジャケに持ってくるセンスも普通じゃなくて好きです。(佐藤)

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7月4日(木):CAFE JACQUES / ROUND THE BACK

本日も昨日に引き続き、ジョン・G・ペリー&ジェフリー・リチャードソンのコンビが参加した作品をご紹介いたします。

作品は英国の隠れモダン・ポップ・グループCAFE JACQUESの77年1st『ROUND THE BACK』。

ムーンライダースの鈴木慶一氏も愛聴したというこのバンド。メンバーはギタリストのクリス・トムソンと後にペンギン・カフェ・オーケストラに加わるkey奏者ピーター・ベイチ、後にシンプル・マインズに参加するドラマー、マイケル・オグドリーの3人で、昨日のQUANTUM JUMP同様ルパート・ハインがプロデュースを担当しています。

そのサウンドの特徴は、洒脱で緻密でどこかエキゾチック。
軽やかで煌びやかなAORの美学を光らせつつ、変拍子などのプログレ・チックな要素あり、フュージョン的な浮遊感あり、そして「Round the Back」のような男性フレンチ・ポップス風から「Sands Of Singapore」のようなちょっぴりアジアンな芳香漂う楽曲もありと、型に嵌まらない”無国籍”な作風はさすが英国ポップ、一筋縄ではいきません。

ベース・レスのトリオのため、CARAVANのお二人はベースを筆頭にかなりサウンドに貢献。また数曲にはたまたまスタジオに居合わせたというGENESISのフィル・コリンズもパーカッションで参加!英国プログレ・ポップ好きはもちろんのこと、STEELY DANやムーンライダースのファンにもぜひオススメの一枚です。(増田)

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7月5日(金):PYE HASTINGS / FROM THE HALF HOUSE

ラストの一枚は、「Mr.キャラヴァン」と言うべき現在唯一のオリジナル・メンバー、ギター/ヴォーカルのパイ・ヘイスティングスが17年にリリースしたソロ・アルバム『From The Half House』です!

キャラヴァン・メンバーの作品などで何度か客演を残してはいるものの、結成から丸半世紀ほぼキャラヴァン一筋で活動してきたパイさん。

驚くことにソロ活動歴すらなく、この17年作がソロデビュー作なんです。

リードギターに名手ジョン・エサリッジ、管楽器に兄ジミー、そしてキーボードにヤン・シェルハース、パーカッションにマーク・ウォーカーら現キャラヴァンの面々を迎えた布陣によるそのサウンドは、打ち込みを導入したリズムこそ現代風ながら、カンタベリー・エッセンスがあちこちに散りばめられた、さすがの愛すべき出来栄え。

ジミーの舞うように軽やかなフルート、エサリッジの太いトーンで紡ぐキレのあるギター、そしてキャラヴァン作品に通じる優しく温かみあるメロディとそれをあの鼻にかかった柔らかな声で歌うパイさん…。

ご本人による年季の入った味のあるアコギのプレイも素晴らしくって、もう彼に求めたいものは全てここにあると言っても過言じゃない良作品に仕上がっていますよ!(佐藤)

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