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【KAKERECO DISC GUIDE Vol.9】ウェールズの個性派トラッド・フォーク・ロック、BRANの1st『AIL DDECHRA』

スタッフ増田です。月ごとに更新される「カケレコセレクト100」より、スタッフがイチ押しの作品をご紹介する、名付けて【KAKERECO DISC GUIDE】!

本日ピックアップするのはウェールズ出身の個性派フォーク・ロック・グループ、BRANの1975年1stアルバム『AIL DDECHRA』です。

BRANは男性ヴォーカリスト兼ギタリストJohn Gwynと、女性ヴォーカリスト兼キーボーディストNest Howellsを擁する4人組グループ。74年に結成され、79年の解散までに3枚のアルバムを残しています。ではいきなりですが、一曲どうぞ。

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ウィッシュボーン・アッシュっぽくもあるしターキッシュ・サイケのようでもある絶妙に土臭いリフに、チューダーロッジやメロウ・キャンドルを思わせる清楚で美麗な女性ヴォーカル。新鮮ですね。そして音もさることながら、英語とは全く異なるウェールズ語ヴォーカルの響きも非常に個性的です。というわけで、まずはウェールズについて簡単に見てみましょう。

ウェールズはイギリス(グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国)を構成する4つの国のひとつ。

イングランドの同島西側に位置し、13世紀末からイングランドの統治下に入っていたため他の地域に比べてイングランドとの結びつきが強い地域。とはいえ独自の文化を持つれっきとした一国です。近年のサッカー代表の成長も目覚ましいですね!BUDGIEやMAN、BLONDE ON BLONDEなどもウェールズ出身のグループです。

あまり知られていませんが、ウェールズでは英語と並んでウェールズ語が公用語として定められています。ウェールズ語を第一言語として使っているのは一部の地域だけだそうなのですが、ウェールズ全体の学校教育でも学ばれ話者は徐々に増えてきているとのこと。BRANのメンバーたちはウェールズ語が日常的に用いられている地域の出身だったのかもしれませんね。ちなみにBranはウェールズ語・アイルランド語で「オオガラス」という意味。またケルト神話に登場する神の名前でもあります。

それでは改めてアルバムを聴いてみましょう!一曲目「Y Ddor Ddig」(どう読むのかわかりません)をどうぞ。

Y Ddor Ddig

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陽気で軽快なリズム、ちょっぴり哀愁の滲むギター、そして……洪水の様に溢れる分厚いメロトロン!全体の質感はなんだかサイケ・チックでモコモコしてるし、男性ヴォーカルもウェールズのせいかどこか神秘的だし、やっぱり独特。でもなんとも言えない暖かみと「いなたい」感じの懐かしさがあって、非常に味わい深いサウンドです。

F’annwyl Un

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こちらは女性ヴォーカリストNest Howellsをフィーチャーしたフォーキーなナンバー。天にも届きそうな透明感のある歌声に心が洗われます。ただ、伸び伸びとしたウェールズ語とちょっぴり野暮ったいエレキ・ギターの響きのせいでしょうか。メロキャンやチューダー・ロッジといったブリティッシュ・フィメール・フォークの格調高さはあまりなく、やっぱりどこか田舎臭い、人肌のぬくもりのあるサウンドに仕上がっています。

敬虔で神秘的なNestの歌声と、土臭くいなたいアンサンブルの織り成す独特の雰囲気は、地域に脈々と受け継がれる土着信仰の儀式のよう。なかなか他にはないこの個性的なサウンド、癖になること間違いなしです!

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  • BRAN / GWRACH Y NOS

    ウェールズ出身のグループ、78年に発表された3rdにして最終作、ハード・ロック/ブルース・ロック色を押し出したソリッドなアンサンブルを展開する好盤!

    ウェールズ出身のグループ、78年に発表された3rdにして最終作。正統派英国フォークを基本に持った1stからプログレッシヴなサイケ・ハードへと変化を遂げた2nd、そしてその変化の延長線上と言えるハード・ロック/ブルース・ロック色を前面に押し出したソリッドなサウンドをこの3rdでは聴かせます。後にPERELINで活動する女性シンガー/キーボーディストNEST HOWELLSの脱退により、サイケ・ハードなギターを主体とする熱量の高いアンサンブルを聴かせるようになり、演奏の強度が格段にアップ。とは言え軽快なリズムでゆるくプレイするパブロッキンな曲もあったりと、シン・リジィからブリンズレー・シュウォーツまでを彷彿させる懐の深い音楽性を発揮しています。そこに乗る東欧の言語にも似た響きを持つウェールズ語のヴォーカルも哀愁たっぷりで素敵です。好盤!

  • BRAN / AIL DDECHRA

    ウェールズ出身のフォーク・ロック・バンド、原盤は激レアとして知られる75年作1st、メロトロンを豪快に鳴らす1曲目が必殺!

    ウェールズ出身のフォーク・ロック・バンド、原盤は激レアとして知られる75年の1st。何と言っても1曲目が必殺。軽快に刻むリズムとキンキンと響くサイケギター、そして分厚いメロトロンが洪水のごとく流れ込む大変素晴らしい一曲。かすかな哀愁を含んだウェールズ語のヴォーカルがまた堪りません。2曲目以降は女性キーボーディストによる清楚なフィメール・ヴォーカルをフィーチャーした、英国の片田舎をイメージさせる長閑なフォーク・ロック・ナンバーが中心で、メロウ・キャンドルとチューダー・ロッジの中間(ややチューダー寄り)といった印象で実に良い味わいです。綺羅びやかなアコースティックギター、哀愁たっぷりのサイケがかったエレキギターが楽曲を彩っていて、彼らならではの味を出しています。英フォーク本来の格調高さと、どこか感じられる「いなたさ」がいい塩梅で共存する好盤です。

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