2018年6月11日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
1972年にドイツで結成された、スラップ・ハッピー。
写真左からアンソニー・ムーア(key) 、ダグマー・クラウゼ(vo)、ピーター・ブレグヴァド(g)の3人です。
奇妙にねじれたポップなメロディーにコケティッシュなボーカルが響くそのサウンドは、日本でも多くのファンを獲得しています。
まずは一曲どうぞ~
♪Michelangelo
80年リリース『ACNALBASAC NOOM』より。
クラウトロックバンドFAUSTのメンバーが演奏を務めており、ダグマー・クラウゼの自由奔放なボーカルとともに妙な中毒性のあるポップを繰り広げています。レーベル側が「売れない」と判断して、お蔵入りとなってしまった録音です。
さてそれでは、スラップ・ハッピーに似た雰囲気の音楽を探してみましょう。
まずはプログレ編です。ドイツのお隣、ベルギーへ。
ギタリストのDaniel Schellを中心に、コケティッシュな女性ヴォーカルPascale Sonらで74年に結成され、84年までに5枚のアルバムを残したベルギーのグループ。愛らしい声のスキャットがたまらない魅力を放っています。
緊張感あるアンサンブルと、ブリジット・フォンテーヌみたいなエキセントリックなボーカルに圧倒されてしまいます。
さてお次は・・・何と南米アルゼンチンにも、ダグマー・クラウゼのようなボーカルを擁した、いいバンドがあるようですよ。
アルゼンチンが誇る新鋭チェンバー・ロック・バンド。ちょっとニューウェイヴ/ゴシックすら想起させるダークなメロディと、危うさとキュートさを孕んだCarolina Restucciaのボーカルが独特な世界を築いています。
たまらないですね、この一筋縄ではいかぬメロディー。
さ、次はイタリアです。
イタリアのベテラン・レコメン系バンドによる2016年作。コケティッシュ&オペラティックな女性ボーカルがグレイト!
素っ頓狂な感じがいいですね。
次はフィンランド。北欧にも素っ頓狂なバンドがいるらしいです!
01年に結成されたフィンランドのプログレ・グループ、07年のデビュー作。
ジェネシスやVDGGから、舞台音楽、トラッド、クラシック、SLAPP HAPPY的アヴァン・ポップまで飲み込んだ、イマジネーション溢れる作品です。
お次はカリフォルニアです。
カリフォルニア発ジャズ・ロック・バンド、2nd。
ゴングばりの強度と緩急自在さで聴かせるジャズロックをベースに、カンタベリー風の芳醇なホーンセクションとスラップハッピーあたりが浮かぶ浮遊感あるメロディをミステリアスに歌う女性ヴォーカル。
次は、フォーク・ポップ編。英国へと参りましょう。
英国の5人組フォーク・ロック・バンドが81年にプライヴェート・プレスで残した唯一作。鳥が鳴いているようなフルート、ちょっとネオアコっぽいギター、可憐なボーカルがゆる~いポップを奏でていて、「隙間」のあるミニマムなサウンドはYOUNG MARBLE GIANTSにも通じるものがあります。
全体に漂うチープさが、グッときます!
さてさて、次はアメリカです。
この蠱惑的なジャケットが全てを物語っています!マルチ・パフォーマーとして活躍していたジャクリーヌ・ハンバートが、J.JASMINE名義で出した作品。作詞作曲をジャスミンが、プロデュースをアメリカ実験音楽の巨匠デヴィッド・ローゼンブームが手掛けたそのサウンドは、オールドタイミーながら異世界を覗かせる、アヴァン・ポップとなっています。
サスペンス映画に迷い込んだみたいなドラマチックなサウンドですね。何だかドキドキしてきます。
最後は60年代後半、アメリカのポップ職人による作品です。
米ポップ・サイケ・バンド、68年唯一作。後にTVドラマの音楽でヒットを飛ばす、バブルガム系コンポーザー、トニー・ロメオが全楽曲を手掛けていて、とにかくずべてがドリーミーで洗練されたポップスの宝庫です。
T4「Carnival Girl」の、いつの間にかメロディーが入り組んで来るヘンテコ感がたまりません。
いかがでしたでしょうか。
どの作品も、既成の価値観にはまらない独自のポップさがあって、かっこいいですね!
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