2018年9月14日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
こんにちは。スタッフのみなとです。
今日は、浮世ばなれした旋律の、何もかも忘れていつまでも聴いていたくなるような幻想的なフォークを紹介します。
ちょっと人生を一時停止して、ひと休みしませんか。
英SSW、マーク・フライの1972年作。
アルバムのあちこちに同じ旋律がちりばめられ、いつまでも醒めない夢のようです。
アコースティックギターとマークの中性的なボーカルがとても美しく、永遠に聴いていたくなります。
気に入ったメロディーを何度も好き勝手に詰め込んだ感じといい、何にも考えてなさそうなポカーンと口を開けて笑うジャケの顔といい、霞を食べて生きているとはこういう人の事を言うのではないか…と思います。
何て美しいんでしょうか・・・これは朝に聴いてしまったら、出かける気力が失せますね。
このアコギの響き・・・!
英フォークグループ、アイソレーションの1973年唯一作。
控えめに弾かれるアコギとピアノ、効果的に入るフルート、そしてそっと慰めるように歌うボーカルが心に響きます。
何かが終わった後のような、諦念しているような、何とも不思議な旋律が繰り返され、段々と入り組むフルートとギターの調べが気持ちよく、夢幻の世界へといざなってくれます。
英フォーク・デュオが70年に発表した唯一の作品。
幽玄なアコースティック・ギターの調べ、ダルシマーの物憂げな響きが完全に「あちらの世界」なアシッド・フォークです。
朴訥とした男性Voとクリアなハイトーンが美しい女性Voによるハーモニーが非常に美しくて、意識が遠のきそうです。
英フォークバンド、ガスライトの1970年作。
眼鏡なしの視界のような、ぼんやりしたジャケが素敵です。99枚しかリリースせず、オリジナルLPは大変なレア盤だとか。
ジェントルな男性ボーカルで歌われるドリーミーなフォークに惹きこまれます。
米フォークデュオ、デヴィット・カウフマン&エリック・カボア1984年作。
80年代にこんなアルバムが出ていたなんて!!遺影のような漆黒のジャケに、「自殺の橋から」なんてタイトル、いったいどうしたんですか・・・と問いかけたくなりますが、この暗さがたまらなく心地良いんです。
アコギとピアノを主体とした、ダウナーで内省的なフォークが奏でられています。
米SSW、ランディ・ライス1974年唯一作。
この一曲目のインパクトがすごいです!稲妻のようなギターが聴こえてきたと思ったら、線の細い儚げなボーカルで滔々とメランコリックなフォークが歌い紡がれていきます。アシッドフォーク好きの琴線をかき鳴らすことでしょう。
最後は少し穏やかになれる作品を。
米ウィスコンシン州のSSW、77年1st!
4トラックMTRで録音された、メロウでスムージーなサイケ・フォーク名盤。
モコモコした音がたまりません。窓の外に降る雨を眺めているような気分になります。
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いかがでしたでしょうか。少しは浮き世を忘れられましたでしょうか。
他にもさまざまに特集がありますので、ぜひご覧ください。
70年に自主制作され、わずか99枚しかプレスされなかった幻の英フォーク作品。男性6人の編成で、メンバーの楽器クレジットにはチェロやリコーダーやピアノの表記があるとおり、メランコリックなギターのバッキングを基本に、ストリングスがもの悲しくも叙情的な旋律を奏で、ピアノもそっとリリカルなメロディを奏でます。ヴォーカルも魅力的で、ヘロンのメンバーの一人として居ても違和感がないような、素朴でいて切ない歌声が印象的。流麗なメロディも特筆。この儚い美しさはただごとではありません。英国の深い森の空気感いっぱいで、ヘロンなどメロディが美しいフォークのファンから、イサカなどドリーミーなサイケ・フォークのファン、90年代以降で言えばゴーキーズあたりのファンまで、これは掘り出し物の一枚。オススメです!
73年に自主制作されたメガ・レア・英フォーク作品。アコギ、フルート、ピアノをベースに、霧の向こうから聴こえてくるような深いエコーに包まれたアンサンブルが印象的なまどろみフォーク。甘い歌声の男性ヴォーカル、メロウなメロディーも魅力的。好盤です。
シカゴのSSW、74年にリリースされた2枚組作。いきなりのファズ・ギター早弾きに驚いていると、静謐でリリカルなピアノとともに、胸に迫る繊細でドリーミーな歌声が立ち上がり、ハッとさせられます。な、なんだこの美しさは!間奏でまたファズ・ギターが入り、遠くでオブリガードを奏でますが、これがもう高尚といいますか、天上の美しさ!とにかく歌声は素晴らしいわ、メロディは素晴らしいわ、74年とは思えないオルタナ感覚もあるわ、90年代以降の『ペットサウンズ』憧憬の宅録アーティストもひれ伏す完成度!ちょっと、これは凄い作品です。ニック・ドレイクと同じぐらい崇められてもおかしくないかも!?
LAで活動していた米アシッド・フォーク・デュオ、84年作の1st。霧のように全体を包むエコーの中から力強くもたゆたうように鳴らされるアコギのバッキング。エコーの後ろでロウソクの灯のように揺らめくペダル・スティール。そして、ちょっとハスキーかつメランコリックなヴォーカルが詩情豊かなメロディを厳かに歌います。オープニング・ナンバーからただならぬ雰囲気がプンプン。2曲目は、渋みと憂い溢れるフォーク・ブルースなんですが、沈み込むようにメランコリックな空気が漂っているのがこのデュオの特徴。80年代の作品ですが、70年代初期の録音と言われても違和感がありません。アシッド・フォークのファンはもちろん、WILCOの浮遊感ある曲が好きな方にも是非とも聴いてもらいたい名作。これは素晴らしいです。
GRAHAM HEMINGWAYとANNE HEMINGWAYによるフォーク・デュオが70年に発表した唯一の作品。幽玄なアコースティック・ギターの調べ、ダルシマーの物憂げな響きが完全に「あちらの世界」なアシッド・フォーク。朴訥とした男性Voとクリアなハイトーンが美しい女性Voによるハーモニーはあまりに素晴らしく、必死に「こちら側」にとどまろうとしても、2、3曲聴き進めるともう完全に目も虚ろで、気持ちよく「あちら」の住人になってしまいます。英アシッド・フォークを代表する傑作。
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