2015年12月15日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ,新譜CDナビ
キーボード/ギター/作曲をこなすDario D’Alessandroを中心にイタリアはシチリア島で結成されたカンタベリー・タッチのジャズ・ロック・バンド。2013年のデビュー作に引き続き、AltRockレーベルよりリリースされた2015年作2nd。
バンドはDarioの他、キーボード奏者、ギター、ベース、ドラムによる5人組ですが、管楽器奏者やキーボード奏者が多数ゲスト参加して録音されています。PICCHIO DAL POZZOのキーボード奏者Aldo De Scalzi、MUFFINSの管楽器奏者David Newhouse、YUGENのキーボード奏者Paul “Ske” Botta、フランスのカンタベリー系新鋭バンドALCO FRISBASSのメンバーなどが特筆です。
オープニング・ナンバーから、地中海のきらめく爽快な風を感じるようで実にカラフルでポップ!
シャープでいて弾むようにキラキラしたビートを刻むリズム隊を土台に、フルートやオーボエが柔らかでドリーミーなメロディを添え、ギターが軽やかなアルペジオで駆け抜けます。
変拍子のミニマルな繰り返しの中でファズ・オルガンが叙情たっぷりに鳴るパートや、穏やかなヴォーカル&メロディなんかはまるでキャラヴァンで、カンタベリーのバンドへの愛情が感じられます。半音進行でたゆたうような歌メロなんかは、イスラエルのバンドも彷彿。地中海ならではの詩情が印象的です。
ピッキオ・ダル・ポッゾにも影響を受けているようで、なるほど、キレのある変拍子をバックに、サックスがクールに響くアヴァンギャルド度の強いパートは彼らの影響も感じます。
一方で、ポスト・ロックやジャム・バンドが持つ、広がり豊かで透明度の高い空気感もあって、ヌケの良いサウンドは心地いいこと限りなし。その辺の感覚は、同じイタリアの新鋭FONDERIAに通じる印象です。
キャラヴァンやソフト・マシーン『6th』やハットフィールド『ロッターズ・クラブ』あたりのポップなカンタベリー・サウンドが好きなら間違いなく気にいるでしょう。これはオススメです。
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