こんにちは、カケレコ店長の田中です。
ここ数日でこちら埼玉県寄居町はだいぶ涼しくなりました。
朝方はタオルケット一枚では寒いぐらいですし、お昼を食べていた時も、窓から入ってくる風が、心地よいを通り越して、ちょっと寒いぐらい!
食後には、久々にホットコーヒーを飲みました。
でも、きっと何日かするとまた猛暑になったりするでしょうし、季節の変わり目で体調を崩さないようにしなければ。
みなさまもどうかお体、ご自愛ください。
さてさて、最近入荷したCD、売れたCDの中から店長オススメの作品をピックアップするこちらのコーナー「日々是ロック」。
新譜がたくさん入荷しましたので、ジャンルを横断して世界のロックをカケハしてまいりましょう。
まずは南米はアルゼンチンから!
アルゼンチンのバンドネオン(タンゴで用いられるアコーディオンのような蛇腹楽器)奏者による78年作。
AVE ROCKのベーシストOscar Glavic、ESPIRITUのキーボード奏者Gustavo Fedelが参加して録音されていて、タンゴやジャズのエッセンスとともに、シンフォニックなプログレッシヴ・ロックのエッセンスが見事に結びついたサウンドが印象的。
これはずばりタンゴ・プログレの最高峰!
柔らかでいて緊張感ある音は、カンタベリーのファンも是非チェックください。
パープルやヒープのスピード感とエッジに、IL VOLOのフュージョン・プログレ色をまぜて、めっちゃくちゃ「辺境」に寄せた感じ!?
ディープ・パープルやユーライア・ヒープに影響を受けたスピーディー&ドラマティックなサウンドで75年にデビューしたアルゼンチンのバンド。よりシンフォニック色を強めた76年の2ndから7年ぶりにリリースされたのが本作3rdアルバム。
旧ユーゴあたりのシンフォニック&ジャジーなプログレにも通じる味わいで、これは辺境プログレのファンにはたまらない魅力がつまった名品ですよ~。
アルゼンチンからは新鋭のプログレ・バンドも続々と登場してきています。
クラシック音楽を学んだマルチ・インストゥルメンタル奏者Jacinto Miguel Corralによるプロジェクトによる2015年作4thが届きましたので、ピックアップ。
これは言うなれば「ロマン主義シンフォニック・プログレ」!?
オーケストラがワーグナーばりに勇壮に鳴り響き、そこに割って入るようにエレキ・ギターがマイク・オールドフィールドとアンディ・ラティマーが合わさったような緊張感とリリシズムいっぱいのフレーズがフィーチャーされる。
ドラマティックな逸品ですよ~。
お隣ブラジルから、ロック・ファンに向けて一枚レコメンド。
こ、これは、ずばりブラジルのフェイセズ!?
はたまたブラジルからのSTRIDERへの回答!?
お次は、英国プログレのリイシュー番を4枚ピックアップしましょう。
PILOTばりにフックに富んだメロディが溢れる洗練されたニッチ・ポップ快作なのに、このジャケの暗さ・渋さといったら一体・・・。
メンバーのいぶし銀っぷりも特筆。
元SKIP BIFFERTY~ARCで後にニック・ロウの作品にも参加するなど活躍するギタリストJohn Turnbull、元GREATEST SHOW ON EARTHのベースNorman Watt-Roy、元FIVE DAY RAINのKey奏者でWISHBONE ASHやSPLINTERの作品にも参加しているGraham Maitland、後にロジャー・ダルトリーのソロ作をサポートするドラムSteart Francisによって結成された英ロック・グループ。
前年のデビュー作に続く73年作の2nd!
バンド名も(なぜ時間と蝿!?)ジャケもアングラ臭プンプンですが、フォークを軸に、ここぞでメロトロンやフルートが溢れ、エレキのリードも炸裂する、英プログレの秘宝ですよ!
マイケルとバーバラのウェインライト夫妻を中心に、71年にイギリスはチェルトナムで結成されたフォーキー・プログレ・バンド。
Emberというレーベルから72年にリリースされた唯一作。
ケンブリッジ大学の学生達のバンドなんですが、なんともハイクオリティなエレクトリック・トラッドでびっくり。
フェアポートやスティーライ・スパンのファンには激レコメン!
Pauline Filbyはもっと評価されるべき女性ヴォーカル&ソングライターですよね。演奏も良くって、溢れるメロトロン、きらめくハモンド、ゴリゴリのベースがグッとくる~。
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世間ではあまり知られていないが、聴いたら思わず涙がホロリ、もしくは嗚咽をあげて泣きむせぶ、そんなロックの隠れた「泣ける名曲」を紹介。お相手は、叙情メロディとネコをこよなく愛する音楽ライターの舩曳将仁。
しばらくレーベル在庫切れでしたが、新たにプレスされたようで、久々に入荷!
フランスが誇る、ジャケのイメージ通りのシンフォニック・ロック逸品ですね。
キャメルやジェネシス直系のファンタジーとスティックスのような米プログレのハードポップさとが融合したサウンドはメロディの宝庫!
ここからは再入荷した人気リイシュー番をピックアップしましょう。前回、新入荷ですぐに売り切れた人気盤ばかりですよ~。
モダン・ポップの捻くれ、グラムのギラギラさ、ハード・ロックのエッジ、パンクの剥き出しのエネルギーがすべてつまってますね。
現実逃避的でセクシャルなヴォーカルも良いし、尖りまくり!
リック・ウェイクマン的なクラシカルな旋律からキース・エマーソン的なけたたましい旋律まで、このキーボーディストのテクニックは特筆!
無名バンドとは思えない驚異のクオリティで、どマイナーながら、米プログレ屈指の名作!
CS&Nとホリーズを足して2で割ったようなバンドが、米中西部はアイオワに居たとは。
マイナーだけど、愛すべき好バンドです。
GFRを解雇されたプロデューサー&マネージャーが設立したレーベルの第一弾。
発禁ジャケで相変わらずお騒がせですが、サウンドは痺れるブラス・ロック!
ニューエイジ的な映像喚起的なセンスとシンフォニック・ロックとしてのダイナミズムがあわさったサウンドが実にユニーク。
ヴォーカルもメロディもすごく魅力的だし、「プログレ」にとどまらない可能性を秘めたなんとスペインの新鋭!
ラストはカケレコ一押しの新鋭をセレクト。
これ、ずばりアネクドテンのファンは悶絶必至!
ウクライナの恐るべき新鋭、09年デビュー作。
狂おしいばかりに美しく荘厳なシンフォ名作。
試聴どうぞ!
いかがでしたか?
みなさまにとってぴったりの一枚が見つかれば幸いです。
またお会いいたしましょう。
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オーストラリア出身で渡英したRoss Stagg(Vo、G)を中心に、元QUATERMASSのドラマーMick Underwood等で結成されたブリティッシュ・グラム/ハード・ロック・バンド。EMIハーヴェストから76年にリリースされたデビュー作。写真家Mick Rockによるジャケット、リリース当時の『貴婦人たちの午后』という邦題がイメージできる通りの背徳感たっぷりのサウンドが持ち味。オープニングの代表曲「School Girl Funk」からキレッキレで、ストレートに突っ走るパワフル&タイトなリズム、ファンキーにうねるクラヴィネット、パンキッシュに切れ込むエレキ・ギター、そして、Ross Staggによる現実逃避的でセクシャルなヴォーカルと歌詞世界。モダン・ポップの捻くれ、グラムのギラギラさ、ハード・ロックのエッジ、パンクの剥き出しのエネルギーなどがぶつかりあった痺れるサウンドが印象的です。その他の曲も尖りまくった佳曲ぞろい。これは快作です。プロデュースは、ロジャー・クローヴァー。
69年にソロ作もリリース(ゴードン・ギルトラップ参加!)していた女性SSWのPauline Filbyを中心に、後にAFTER THE FIREを結成するギタリストのJohn RussellとKey奏者のPeter Memory Banks等で結成されたバンド。ハイ・トーンの可憐なPaulineのヴォーカル、フックに富んだ流麗なメロディを活かしたブリティッシュ・プログレが印象的。アンサンブルで特筆なのが、ムーディー・ブルースばりに止めどなく溢れ出るメロトロン。イエスのクリス・スクワイアばりのゴリゴリ感で疾走するベース、アルペジオやカッティングなどリズムを中心に歌に寄り添ういぶし銀のエレキ・ギターも安定感抜群です。曲によってはメロトロンではなく、グリーンスレイドばりのメロディアスなオルガンが溢れて、これも絶品。気品あるフォーク・ロックも魅力で、キラキラと輝く陽光のようなリコーダーの調べ、柔らかにリリシズムをつむぐピアノに心あらわれます。ルネッサンスのファンはきっと気にいるでしょう。
米オハイオ出身の10人編成のブラス・ロック・バンド。グランド・ファンク・レイルロードのプロデューサー&マネージャーで、バンドとのゴタゴタで訴訟問題にまで発展し解雇されたテリー・ナイトが設立したBrown Bag Recordの第一弾としてリリースされた72年のデビュー作。ソウル・フレイヴァーたっぷりにシャープにしなるギター、ブイブイとむせぶホーン・セクション、タイトでエネルギッシュなリズム・セクション、淡いトーンのハモンド・オルガン。初期シカゴを彷彿させる熱気ムンムンのブラス・ロックを聴かせています。メンバーは平均20歳にも満たない若手だったようですが、そうは思えないコクのあるアンサンブルが印象的。ホーンはバッキングだけでなく、ソロも取っていて、オープニングの熱いサックスのリードはかなりカッコ良し。ブラス・ロックのファンにはたまらない好盤です。
ディープ・パープルやユーライア・ヒープに影響を受けたスピーディー&ドラマティックなサウンドで75年にデビューしたアルゼンチンのバンド。よりシンフォニック色を強めた76年の2ndから7年ぶりにリリースされたのが本作3rdアルバム。イタリアのヘヴィ・シンフォを彷彿させる劇的でエモーショナルなヴォーカル、持ち前の様式美的センスにジャズ/フュージョンのエッセンスを加えたスリリングかつ流麗なフレーズで魅力のツイン・リード・ギター、そして、清涼感あるトーンでしとやかに広がるエレピやムーグ・シンセ。旧ユーゴあたりのシンフォニック&ジャジーなプログレにも通じる味わい。フュージョン・タッチでいて熱気もあるギターが特筆で、IL VOLOでのアルベルト・ラディウスも彷彿させます。これは辺境プログレのファンにはたまらない魅力がつまった名品です。
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