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「ヨーロピアン・ロック・フェスティヴァル VOL.2」参加バンド特集!

いよいよ来たる26日に開催される「ヨーロピアン・ロック・フェスティヴァル VOL.2」。前回は、フェス中ロイネが冗談っぽく言っていたのを覚えていますが、参加バンドが全てスウェーデンのグループという、いわば「スウェディッシュ・ロック・フェスティヴァル」と呼べる内容でした。今回はスウェーデン・イギリス・フランスの3国から参加という、まさにヨーロピアンなラインナップが来日!

フラワー・キングス: 前回のフェスでもメイン・アクトを務めた、ロイネ・ストルト率いるグループ。今回が3度目の来日。
カイパ(KAIPA Da Capo):初来日。ロイネ・ストルトが17歳にして結成メンバーとして参加した、北欧プログレ黎明期を担った名バンド。
アトール(Andre Balzer ATOLL): Andre Balzer ATOLL名義では初来日(ギタリストのChristian Beyaを中心とした編成では89年に来日)。マグマと並んでフレンチ・プログレを代表するバンドとして現在でもユーロ・ロック屈指の人気を誇るグループ。
パイナップル・シーフ:初来日。99年結成、00年代以降の英国プログレッシブ・ロック/メロディック・ロック・シーンの中核を担う実力派バンドの一つ。

当初は英国クラシカル・プログレの大家、エニドの参加が予定されていましたが、中心人物のロバート・ジョン・ゴドフリーが急遽手術を受ける事になり来日を延期。それに代わり、今回アトールとパイナップル・シーフの2バンドが参加することになりました。

それでは、各参加バンドからフェス前に是非聴いておきたい一枚&各バンドの関連作品からのオススメをピックアップしてまいりましょう☆

THE FLOWER KINGS

おそらく現在のプログレ・シーンで最も忙しいミュージシャンと言える、スウェーデン出身のギタリスト、ロイネ・ストルト(Roine Stolt)が率いるシンフォニック・ロック・グループ。ロイネの経歴とバンドの活動についてはコチラの特集記事を合わせてご覧いただければと思います。


【祝・新譜リリース&来日】プログレシーンの最重要人物ロイネ・ストルト&ザ・フラワー・キングス特集!

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新作リリース&来日決定を記念して、スウェーデンの大御所バンドTHE FLOWER KINGSを率いる才人ロイネ・ストルトに迫ってまいりたいと思います!

●注目盤pickup!

DESOLATION ROSE(2013)

毎回クオリティの高い作品を生み出し続ける彼らですので、ここは現時点での最新作となる13年作をピックアップ。従来のTFKサウンドを踏襲しつつもロックとしてのエッジ感がより全面に出たサウンドで聴かせる傑作に仕上がっています。
活動歴は既に20年に及ぶグループですが、現在にも通用するどころか作品をリリースするたびに新たなプログレ像を提示してくるクリエイティヴィティの奔出は驚異的と言えるでしょう。
衰えることのない瑞々しいまでの感性とロック本来のエッジ感やダイナミズムが余すことなく注入されたサウンドは、常にファンに新鮮な音楽体験を約束してくれます。

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HASSE FROBERG & MUSICAL COMPANION/HFMC(2015)

TFKファンであれば、こちらも是非押さえておきたいところ!FLOWER KINGSのヴォーカリストHASSE FROBERGによる別働グループの15年作。クイーンや10cc風なポップ風味と元バンドTFK的なシンフォニック&ハードネスが一体となった、現代のパワー・ポップとも言うべき力作に仕上がっています!

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KAIPA Da Capo

ロイネが弱冠17歳で結成に参加した、北欧シンフォニック・ロックの出発点に位置するバンドがKAIPA。同時期のCAMELに通じる繊細かつメランコリックなシンフォニック・サウンドを北欧らしい透明度の高いシンセやギターの音色が優美に描き出すスタイルを特徴としました。ANGLAGARDやANEKDOTENが北欧の「陰」の部分を担うバンドだとすれば、このKAIPAやFLOWER KINGSはまさに北欧の「陽」の側面を担うバンドだと言えるでしょう。

今回のフェスに参加するKAIPA Da Capoは、ロイネ・ストルト(g)、イングマール・ベルイマン(ds)、トマス・エリクソン(b)というkey奏者ハンス・ルンデンを除くオリジナルKAIPAの3人にFLOWER KINGSのメンバーを加えたユニット。初期KAIPAでも特に人気の高い2nd『INGET NYTT UNDER SOLEN』からのナンバーが中心となることが伝えられています。オリジナル・メンバーたちによる初期KAIPAの再現ステージ、これは期待が高まりますね!

●注目盤pickup!

INGET NYTT UNDER SOLEN(1976)

1stアルバムで打ち出したシンフォニック・ロックの路線を押し進めた、多彩な曲想と曲展開の妙が光る名作2nd。特に冒頭を飾る20分に及ぶ組曲の完成度は圧倒的!クラシカルな端正さを持つキーボード・プレイを軸に、時にハードエッジに疾走し時に河畔に佇むようにエレガントな表情を見せる、ファンタジックかつ流麗に綴られる演奏の素晴らしさには思わず息を呑みます。これは北欧のみならず70’sユーロ・ロックを代表する作品ですね。

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KAIPA/SATTYG(2014)

こちらは、現在オリジナルkey奏者のHans Lundinが率いる本流KAIPAによる14年作。ここにきて最高傑作!?とすら思える大充実の傑作が登場しました!流麗かつドラマティック、怒涛の展開で畳み掛ける冒頭の2分間に歓喜しないプログレ・ファンは居ないと断言!

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Andre Balzer ATOLL

ANGEやMAGMAとともにフレンチ・ロックの代表格として人気を博した名バンドATOLL。YESの緻密でテクニカルな演奏と構築性に、KING CRIMSONに通じるヘヴィネスを合わせてフランスらしい耽美的な叙情性をまぶしたような作風を持つ2nd『L’ARAIGNEE MAL(組曲”夢魔”)』が日本では特に傑作として知られています。

今回はオリジナル・シンガーAndre Balzerを中心とした編成の”Andre Balzer ATOLL”名義での参加。その名盤『夢魔』からのナンバーが演奏されることになっているようなので、KAIPAに加えてこちらもユーロ・ロック・ファンなら見逃せないステージとなることでしょう!

●注目盤pickup!

L’ARAIGNEE MAL(1975)

75年発表。全編にわたりダークな質感が貫かれたシンフォニック・サウンドが実にフランスらしい、当時のユーロ・ロックとしては突出してアーティスティックと言える名作。ここぞという場面で炸裂するテクニカルなアンサンブルに対し、Balzerのヴォーカルは力強いシャウトから切々と語りかけるような歌唱まで、楽曲にドラマティックな表情を与えます。フランス語のエキゾチックな響きが作品世界に見事にマッチしていますよね。

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MOTIS/JOSQUIN MESSONNIER(2014)

そのBalzerがゲストシンガーとして参加しているフランスの若手シンフォニック・ロック・バンドMOTISの14年作。メロトロン、ソリーナ、ローズ、ハモンドなど、ヴィンテージ・キーボードをこれでもかとフィーチャーし、重厚なシンフォニック・パートからジャズ・ロック的タイトさで疾走するパートまでを巧みに描き切るアンサンブルが見事です。フランスらしいアンニュイな表情が印象的なメロディの豊かさにも恵まれた名品!

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PINEAPPLE THIEF

99年に結成され、これまでに10枚のアルバムをリリースしているネオ・プログレ/メロディック・ロックの実力派バンドがこちらPINEAPPLE THIEFです。ポストロック色も含んだスタイリッシュな音像が特徴的なシンフォニック・ロックを演奏するバンドで、00年代中頃あたりの印象はさながら「MALLIRION meets RADIOHEAD」と言えそうなもの。浮遊感のある音響空間はSteven Wilson(PORCUPINE TREE)主催のK-SCOPE所属バンドらしい特色で、バンド元来のモダンな音作りに幻想的な表現を巧みに取り入れてオリジナルな音楽性を構築しています。

生粋のプログレ・バンドと言える他の参加バンドとは毛色の異なる、新鮮なモダン・プログレを楽しませてくれそうで期待大ですね~。

●注目盤pickup!

MAGNOLIA(2014)

14年リリースの最新作。ドラマティックなメロディメイクが光る楽曲を、ストリングスやメロトロンがシンフォニックに盛り上げていくスタイルを基本とするメロディアス・ロックを聴かせます。メロディを印象的に聴かせるパートから荒々しいギター・ロックへとなだれ込む場面など、「静」と「動」のダイナミズムを鮮やかに演出する手腕が特筆で、活動16年のベテラン・バンドらしい風格を感じさせます。PORCUPINE TREEやRIVERSIDEのファンならきっとおおっ!となるサウンドのはず。

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  • ATOLL / L’ARAIGNEE MAL

    仏プログレを代表するグループ、仄暗く幻想的な音世界に惹きこまれる大傑作2nd、75年リリース

    構築的な楽曲アレンジ、美しいコーラス・ワーク、そして華やかな音像で「フランスのYES」などと評されている、フレンチ・シンフォニック・ロックを代表するグループの75年2nd。前作での構築的なサウンドはさらに磨きをかけながら、ギタリストChristian Beya、ヴァイオリンのRichard Aubertの新加入が大きくバンドに影響を与え、YESの構築美やジャズ・ロックアンサンブルに加えてKING CRIMSONの屈折したヘヴィネスまで織り交ぜて聴かせています。多少荒さのあった前作から比べると、フランス産らしい耽美な質感も現れており、まさしく彼らの代表作とするにふさわしい名盤です。デジタル・リマスター、ボーナス・トラック1曲。

  • MOTIS / JOSQUIN MESSONNIER

    メロトロンがこれでもかと溢れるファンタスティックな仏プログレ新鋭、2014年作、アトールのアンドレ・バルザーがゲスト参加!

    ヴィンテージ・キーボードやエレクトリック・ブズーキを操るマルチインストゥルメント奏者、MOTISことEmmanuel Tissot率いるグループ。2014年作6th。ANGE直系のシアトリカルなシンフォニック・ロックを軸に、MALICORNEに通じるフレンチ・トラッドのフレイヴァーが香るサウンドが持ち味。とにかくメロトロンM400やソリーナやローズやハモンドなどヴィンテージ・キーボードがこれでもかとフィーチャーされていて、特にメロトロンが大活躍!幻想的に溢れるメロトロンをバックにリリカルに紡がれるハモンド、そして、スティーヴ・ハケットを彷彿させる格調高いマンドリンやブズーキが織り成すファンタスティックなアンサンブルは、ジェネシス〜アンジェあたりのファンはたまらないでしょう。MOTISによるフランス印象派絵画のように柔らかで親しみやすいハイ・トーンのヴォーカルとフックあるメロディも特筆。なんと、アトールの名ヴォーカリスト、アンドレ・バルザーがゲスト参加し、1曲でヴォーカルを担当。この曲がまた素晴らしい!アナログ的な温かなサウンドプロダクションも印象的で、70年代の発掘作品と言っても分からないでしょう。これはシンフォニック・ロックのファンは必聴の快作!

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