2015年1月9日 | カテゴリー:そしてロックで泣け! 舩曳将仁
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あけましておめでとうございます。2015年も、あまり世間に知られていない、でも心の琴線に触れまくる、隠れた泣きの名曲を紹介していきたいと思います。
さて、新しい年になったことだし、気分も新たにがんばろう!……と、正月は祝賀ムード満載。だけど、なんとなく人生が停滞しているように思えて、気分が落ちこんでいる時は、「別に新しい年になったからって、何も変わらねえよ!」とか思ったりして。
人生の壁にぶつかってしまうことは、誰にでもあるもの。今回はそんな時に勇気づけてくれる曲、マグナムの「ステイン・アライヴ」を紹介したい。
マグナムは1972年にイギリスのバーミンガムで結成されたハード・ロック・バンド。中心となるのは、ギターのトニー・クラーキンとシンガーのボブ・カトレイ。特にイギリス本国では高い人気を得たが、1995年に解散してしまう。2002年に再結成し、以降もコンスタントに良質のアルバムを連発。イギリスでは国民的人気を誇っているが、いまだに来日公演なしというのが残念!
特に初期のアルバムは、誇り高き英国ロックの荘重さと、エッジの効いたハード・サウンドが、芸術的といえるレベルで融合された傑作ぞろい。英国ハード・ロック・ファンを自称するなら、ぜひチェックしてみてほしい。
そんなマグナムの泣ける曲として紹介したい「ステイン・アライヴ」は、彼らの2作目『マグナム2』(80年)に収録されている。
マグナムの曲は、ほぼすべての作詞・作曲をトニー・クラーキンが手掛けている。彼の書く歌詞はデビューの頃から思索に富むと注目されたが、この「ステイン・アライヴ」にも深いメッセージが託されている。意訳ながら、「ステイン・アライヴ」の歌詞を紹介しておこう。
「細心の注意を払って歩き、君が行くべき道を見つけるんだ。君の進む方向を背負うのは君しかいない。それは長い道のりかもしれない、悪いことも何度となく起こるだろう。その旅を分かち合うものは誰もいない、君自身のものなのだ」
今も変わることなくマグナムのシンガーを務めるボブ・カトレイの堂々たる歌唱は、トニーの歌詞に強力な説得力をつけ加える。ピアノ中心のシンプルなサウンドということもあって、ボブの切々と訴えかける歌唱が際立つ。自暴自棄になりかけた心へ、時に厳しく、時に優しくメッセージが伝えられる。そしてサビのメロディへ。
「生き抜いていくためには、他の方法なんてない。時間をつぶし、隠れるところなど、どこにもない。生き抜いていくんだ、道は常に二つに分かれている、それはあまりにも厳しい選択だが、君は決めることが出来るか、生き抜いていくために」
「迷わず行けよ、行けば分かるさ!」みたいな、楽天的人生観とはちょっと違うのが、イギリスっぽいといえるかな。分かりやすくいえば、「自分の人生は、自分で責任を持て」ということ。
常に目の前に選択肢があって、生きていくためには、どちらかの道を選ばなければいけない。それが人生だ。そして、その決定は自らが下し、その責任は自分で背負わなければいけない、と。うーん、厳しい。だけど、その通り。
人生には隠れる場所なんてないし、時間もそれほど多くない。常にギリギリのところで、最良の結果を出すことが求められる。そりゃあ失敗することもある。そうしたら次の分岐点でリカバリーするしかない。ああ、でも、また失敗したりして!
そんな人生に「ヒーヒー」あえいでいる時、マグナムの「ステイン・アライヴ」を聴くと、じわっと心に染みてくる。メッセージ・ソングといえばそうだけど、「生き続けろよぉー!」みたいな熱さじゃなくて、まるで父が子に語りかけるように、厳しくも愛情のこもった響きが「ステイン・アライヴ」にはある。
人生につまずいたり、何だか少しも前に進んでいないと憂鬱な気分になった時、マグナムの「ステイン・アライヴ」は、きっと力になってくれる。結局は、自分で何とかするしかないんだ!と、奮い立たせてくれる。ぜひ、2015年を生き抜くお伴にしてもらえたらな、と。
マグナムには、他にも泣ける名曲がいっぱいあるので、また機会があればご紹介したいと思います。では、2015年も、ロックで泣け!
音楽ライター 舩曳将仁
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