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「そしてロックで泣け!」第二回 グレイヴィ・トレイン「アローン・イン・ジョージア」

今月もやってまいりました「そしてロックで泣け!」。毎月1曲、世にあまり知られていないけど、「これは泣ける!」という隠れた名曲を紹介していきます。

第1回目は、ルネッサンス「ラヴ・イズ・オール」を紹介したが、やはり泣ける曲といえば、愛をテーマにしたものが多い。愛ほど感情を揺さぶられるものはないし、そのために周りが見えなくなってしまうことも。

たとえば、仕事が終わってから急に彼女に会いたくなったりして。それで彼女のマンションへ行ってみたけど、まだ帰ってない。いつも彼女が帰りにたち寄るコンビニを覗いてみたけどいない。では駅前のスーパーに。駅の駐輪場に。続いて駅の改札に。勢いで改札の中に入ってみたりして。そんでもって電車に乗って……気がついたら彼女の職場の最寄り駅まで来てるよー! そこで、彼女に電話したら「えー、とっくに帰ってるけど」みたいなことが、ね。僕の実話かどうかはさておき。

そんな恋愛感情で我を見失ったときの「オレ、何やってんだ!」感を強烈に発散しているのが、今回紹介したいグレイヴィ・トレイン「アローン・イン・ジョージア」だ。

グレイヴィ・トレインはイギリスのランカシャー出身のロック・バンド。ヴァーティゴと契約し、70年に『グレイヴィ・トレイン』でデビュー。ジャズやブルース、ハード・ロック、サイケデリックがまじりあった、実に70年代初頭のブリティッシュ・ロックらしい音をしている。

71年にリリースした2作目『(ア・バラッド・オブ)ア・ピースフル・マン』は、ストリングス・アレンジも施された良作として後に評価されるが、当時はわずか1000枚しか売れなかったとも言われている。元々プレス枚数も少なかったのだろう。激レア盤として、中古市場で10万円オーバーの値をつけるようになる。

『(ア・バラッド・オブ)ア・ピースフル・マン』は、90年にドイツのレパトワから再発CD化されていて、僕は輸入盤店をかけずり回って、何件目かでようやく発見。噂の激レア盤だから、ワクワクしながらプレイヤーにCDをセット。1曲目が「アローン・イン・ジョージア」だ。美しいフルートとストリングスのイントロが流れだし、こちらの期待度は坂道を駆け上がっていくように高まる。ところが、そのストリングスを引き裂くように、ガラガラのだみ声が「レフト・ミー・アローン、イン・ジョージア!!」と歌い始めたもんだから、思わず後ろにひっくり返ってしまった。

確かに流麗なオープニングとだみ声の落差は強烈だが、ノーマン・バレットの熱唱と、胸が熱くなるメロディにはグッとくるものがある。なんといっても、「ジョージアで独りぼっちにされちまった。サヨナラも言わずに一人残されちまった」という歌い出しから、あまりにも切なすぎなくない? 舞台がジョージアってことかな? まさか、わざわざランカシャーからアメリカのジョージアへ来て、そこで彼女に捨てられたんじゃないよね? それって「オレ、何やってんだ」感が尋常じゃないでしょ?!

そこで彼は気がつく。「22年間、オレはずっと答えを探してたんだ。でも彼女が幸せになりたいと言っても、聞こうともしなかったし、何言ってんのかもわかんなかったよ」と。それは確かにお前が悪いぞ!

で、彼は改心する。「昨日の夜、オレは答えを見つけた。彼女を見つけ出して、オレは変わった、お前がいてほしいと伝えなきゃ!」と。
遅いよ! と思うが、「オレ、何やってんだ!」から、「オレ、何とかしなければ!」と考え直したのはエライ。

ノーマン・バレットの歌には、そんな気持ちの高ぶりがこもりまくっていて、曲が進むにつれて、どんどん熱を帯びていく。最後のサビのパートなんて、ノドから血が出るんじゃないかと思うほどの、もはや慟哭と呼ぶにふさわしいダミ声を鳴らしている。

正直なところ、『(ア・バラッド・オブ)ア・ピースフル・マン』は、この「アローン・イン・ジョージア」以外の曲は、まあ地味。グレイヴィ・トレインは、このあとドーンに移籍して『セカンド・バース』『ステアケース・トゥ・ザ・デイ』を残すが、少しキャッチーになっているとはいえ、通好みといえる渋い内容。ノーマン・バレットは、後にバレット・バンドやソロでアルバムを残すが、いずれのアルバムでも「アローン・イン・ジョージア」以上の熱唱は聴くことができない。まさに彼にとっても一世一代の絶唱が、この曲に刻まれている。

恋に翻弄されて「オレ、何やってんだ」と悩めるあなたに、ぜひ聴いて欲しい曲だ。ジョージアで独りぼっちにされてしまった男の叫びは、きっとあなたの胸にも突き刺さるはず。

いやぁ、しかし電車で引き返す間の「オレ、何やってんだ」感は半端じゃなかったなぁ……。では、また来月。そしてロックで泣け!

音楽ライター 舩曳将仁

グレイヴィ・トレイン「アローン・イン・ジョージア」

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