ITOIZ『ALKOLEA』 【スペイン・バスクプログレ】 – ユーロロック周遊日記

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毎回ユーロロックの名盤をピックアップしてご紹介する「ユーロロック周遊日記」。本日は、バスク・プログレを代表する名バンドITOIZによる82年作3rd『ALKOLEA』をピックアップいたしましょう。

ITOIZは、スペインの北部バスク自治州で76年に結成されたグループ。他のスペインの地域とは異なる独自の言語と文化を持つのが特徴で、特に現地で話されるバスク語は、言語の系統が未だ不明なのに加え習得の難しさは日本語以上とも言われることで有名ですよね。

そんなバスク語の繊細な響きを生かしたフォーク・タッチのプログレを奏でるのがITOIZです。80年代中盤以降は時流に乗ったエレポップ風のサウンドを取り入れて、一躍母国のメインストリームで活躍するバンドへと成長していった彼らですが、プログレファンにはセンチメンタルな泣きのシンフォ名盤である1stや、アコースティックな感触を持つジャズ・ロックの中に彼の地らしい異国情緒が薫る2ndの2作品が高い人気を誇っています。

さて、上記2作に比べるとフィーチャーされることの多くないものの、プログレ期の最後を飾る82年作の第3作目『ALKOLEA』も、陰影豊かで実に味わい深い逸品に仕上がっているんです。では本作からのナンバーをお聴きください♪

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基本的には前作のサウンドを引き継ぐ、アコースティック楽器のリリカルな響きとジャジーでタイトなリズム隊やエレピが、ユーロ/辺境らしい豊かな陰影を描き出す作風ですが、本作ではよりシリアスな内省を感じさせるサウンドが印象的。少しピンク・フロイドを彷彿とさせる暗さがあって、それが彼ら本来のサウンドにより深みを与えているんですよね～。情感の豊かさにかけては前2作品にも引けをとらない名品となっていることは、お聴きいただいた通りです。

なお、次作に当たる第4作では、まるで別バンドという80年代的ど真ん中なサウンドへと衝撃的な変貌を遂げています。リリースは本作の翌年83年。いや～ここまで変わるものかという感じですよね・・・。

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