【ユーロロック周遊日記・番外編】キューバの新星ANIMA MUNDIの13年作『LAMPLIGHTER』

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毎回ユーロロックの名盤をピックアップしてご紹介する「ユーロロック周遊日記」。本日は番外編、カリブ海に浮かぶ島国キューバ出身の新鋭プログレ・グループANIMA MUNDIの13年作『LAMPLIGHTER』をピックアップいたしましょう。

さて、キューバのプログレと聴いてまず思い出されるのが、キューバン・プログレ永遠の名作SINTESISの78年作『EN BVSCA DE VNA NVEVA FLOR』なのではないでしょうか。カリブの青空に溶けこむようなシンセの伸びやかな音色が心地よい、愛すべきシンフォニック・ロックでしたよね～。

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以降キューバはアヴァンギャルドな作風のグループを多く輩出する国として知られるようになり、シンフォ系はさほど注目を集めてはきませんでした。そしてSINTESISの名盤より実に24年の歳月を経た02年にデビューを果たした本格派シンフォニック・ロック・グループがこのANIMA MUNDIです。

YESを受け継ぐ突き抜けたファンタジーとダイナミズムを感じさせる演奏を基調として、そこに中南米らしい叙情味とキャッチーさがバランスしたメロディを加え、さらにスケール感いっぱいに広がるドラマティックなアレンジを施したサウンドは、00年代以降に現れた新鋭バンドの中でも間違いなくトップクラスに位置する完成度を誇っています。

そんなANIMA MUNDIが2013年にリリースした4作目に当たる作品がこの『LAMPLIGHTER』です。本作は、彼らが得意とする雄大に広がる映像喚起的な音作りを最大に生かした2つの組曲からなるコンセプト作。従来のYESを受け継ぐキャッチーでファンタジックな演奏はそのままにGENESIS的な繊細かつ幽玄な叙情パートを加えた、従来に比べ静動のダイナミズムを格段に飛躍させた傑作に仕上がっているんです。

では、ファンタジックなジャケットそのままの世界観が眼前に浮かび上がってくるような素晴らしい演奏をお聴きください♪

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いかがですか？クリス・スクワイアを思わせるゴリゴリとしたベースが印象的なバンド演奏を、幽玄の美を奏でるフルート、そしてほんのりとダークな質感が香る艶やかなシンセがシンフォニックに覆います。特別に分厚い音作りをしている訳ではないのにこの溢れんばかりのスケール感、圧巻ですよね。FLOWER KINGSやHOSTSONATENなどの大御所バンドと比較しても遜色がないどころか、ファンタジックな中にも潜む深みのあるトーンは他バンドには感じられない魅力となって見事に生かされています。中南米ならではの芳醇な味わい深さが絶品なんですよね～。

近年はイタリアのプログレフェスをはじめ、各地で演奏を披露しその美しいサウンドも相まって認知度が高まってきている彼ら。4作目にしてこれほどのレベルの作品を発表して、次作以降はどうなってしまうのか楽しみですね！

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