2014年5月20日 | カテゴリー:MEET THE SONGS,世界のロック探求ナビ
今日のMEET THE SONGSはサンフランシスコのサイケデリック・シーンを代表するバンド、ジェファーソン・エアプレインを特集!
ジェファーソン・エアプレインといえば「Someone To Love」や「White Rabbit」がヒットし、サンフランシスコのサイケ・シーンを象徴するバンドですね。
結成されたのは65年夏。ミュージック・シーンがフォークからエレクトリックへと変わる中、フォーク・グループのメンバーで、サンフランシスコを拠点に活動していたマーティ・バリンはエレクトリック・バンドを組もうと動き出します。
同じくサンフランシスコで活動していたフォーク・シンガーのポール・カントナーを誘い、ジャニス・ジョプリンと組んでいたこともあるギタリストのヨーマ・カウコネンも合流。ベーシストのボブ・ハーヴェイ、ドラマーのジェリー・ペロクィン、紅一点のヴォーカリスト、シグニー・トリーも加わりジェファーソン・エアプレインが誕生。
結成後はすぐにクラブ「マトリックス」のオープン日に初ライヴを行います。このクラブは、当時サンフランシスコに演奏できる場がほとんどなかったロック・バンドのためにバリンが開店したものでした。
ちなみにこのオープン日には、後にメンバーとなるグレイス・スリックも訪れており、ロック・バンドの演奏を観たスリックはすぐに夫や義弟らとロック・バンド、グレイト・ソサエティを結成。同年10月にデビュー・コンサートを行っています。
ジェファーソン・エアプレインは、デビュー後すぐに演奏技術の問題からドラマーとベーシストを交代。ドラムにはクイックシルヴァー・メッセンジャー・サーヴィスに加わる予定だったスキップ・スペンス、ベースにはカウコネンの友人ジャック・キャサディを迎えます。
65年11月には、サンフランシスコで活動するロック・バンドの中で初めて大手レコード会社と契約。66年2月にRCAからデビュー・シングル「It’s No Secret」を、9月にデビューアルバム『TAKES OFF』をリリースします。
この作品で印象的なのはバリンのハイトーンでエモーショナルなヴォーカル。力強く伸びやかなトリーのヴォーカルと共にパワフルなハーモニーを生み出します。
フォーク・ロック色濃いサウンドですが、カウコネンのギターが随所でサイケデリックな彩りを添え、大きくなりつつあったサイケ・ムーブメントの空気を感じさせます。
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「It’s No Secret」
この作品をレコ―ディンを終えた直後ドラマーのスペンスが脱退。ドラッグ癖がひどくしばしば活動に影響をきたしたことや、スペンス自身が本来のギタリストとしての活動を望んでいたためで、脱退後には多くのミュージシャンに大きな影響を与えたモビー・グレープを結成しています。
さらに66年春に出産したシグニー・トリーも思うようにバンド活動が出来なくなり同年10月に脱退。
新たなドラマーとしてスペンサー・ドライデンが加入し、ヴォーカルには9月に解散したグレイト・ソサエティからグレイス・スリックをスカウト。
モデルをやっていた魅力的な容姿とダイナミックな歌声を持つスリックのカリスマ性が加わり、ジェファーソン・エアプレインは大きな飛躍を遂げることになります。
バリン、カントナー、カウコネン、キャサディ、ドライデン、スリックという新たなラインナップで制作されたアルバムが、67年2月にリリースされたシスコ・サイケの大名盤『SURREALISTIC PILLOW』。
元はグレイト・ソサエティのレパートリーで、スリック加入とともに持ち込まれた「SOMEBODY TO LOVE」と「WHITE RABBIT」は、シングル・カットされるとビルボード・チャート5位と8位に、アルバムもチャート3位にランク・インする快挙を成し遂げます。
この大ヒットは、サンフランシスコで花開いたサイケデリック・カルチャーを一気に世間に知らせることとなりました。
こちらがグレイト・ソサエティによる「White Rabbit」。前半はオリエンタルなインプロビゼーションが続きサイケ感たっぷりです。
「White Rabbit」
そしてこちらがお馴染みのジェファーソン・エアプレイン版。インプロビゼーション部分がなくなり全体的にキャッチーさが加わっています。
ルイス・キャロルの小説「不思議の国のアリス」の世界とLSD体験を絡めたミステリアな歌詞、そしてスリックのどこかエキゾチックなヴォーカルが魅惑的な雰囲気を漂わせるサイケの名曲ですね。
6月には初の野外ロック・フェスティバルとなるモントレー・ポップ・フェスティバルに出演し、勢いに乗ったジェファーソン・エアプレインの次なる作品が67年12月にリリースの『AFTER BATHING AT BAXTER’S』。
キャッチーなサイケ・サウンドを聴かせた前作から一転。オープニングからギターのフィードバック音が響き、曲間には話し声や笑い声、様々な楽器の音が飛び交う混沌としたサウンドが入り、ディープなサイケ・サウンドが繰り広げられます。
「Wont You Try/Saturday Afternoon」は、67年1月にゴールデン・ゲート・パークで行われ、ジェファーソン・エアプレインも演奏をしたヒッピーの集会「ヒューマン・ビー・イン」の素晴らしさを歌ったもの。
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「MEET THE SONGS」 第4回 JEFFERSON AIRPLANE 『AFTER BATHING AT BAXTER’S 』
この実験的な作品は米チャート17位という結果に終わりました。この頃バンドはゴールデン・ゲート・パークの近くに大きなヴィクトリアン・ハウスを購入し共同生活を始めます。
開放されたこの住居にはグレイトフル・デッドのジェリー・ガルシアやデヴィッド・クロスビーらも出入り。こうした交流はお互いの作品にも表れ、ジェファーソン・エアプレインの4作目となる68年9月リリースの『CROWN OF CREATION』にはクロスビー作の曲が収録されています。
広島の原爆写真が使われた衝撃的なジャケットで、カントナーの政治的姿勢が反映され始めた作品。全体的にシリアスで暗さが漂うサウンドですが、アルバムチャート6位にランク・インします。
この頃バンド内には変化が出始め、多くのソングライティングを担っていたバリンに代わりカントナーが多くのアイデアを持ち込むようになります。
また、カウコネンもT4「Star Track」でリード・ヴォーカルをとるなどその存在感を増し、69年頃には、ジェファーソン・エアプレインのサイド・プロジェクトという形でキャサディ―とホット・ツナを結成。2人が好きなブルースを演奏するようになります。
「CROWN OF CREATION」
それぞれの個性を発揮し始めたメンバー達。続きはvol.2にてご紹介いたします!
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ジェファーソン・エアプレイン特集vol.2は、バンドの黄金期から解散までを作品とともにご紹介いたします
いかかでしたか?
「MEET THE SONSG」は、定番からニッチ盤まで僕らのロック・ミュージックを紹介しています。
また明日、お会いいたしましょう。
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60年代後期、米西海岸で沸き起こったサマー・オヴ・ラヴを象徴する彼らの2nd。67年2月リリース。歌唱、ルックスともに圧倒的な存在感を放つGrace Slickが本作より加入。メインヴォーカル時にとる、一度聴いたら耳から離れないほど強烈なビブラート歌唱。バックヴォーカルとしても男性陣と見事に溶けあった流麗なコーラスワークを聴かせてくれます。歌唱もさることながら、Graceがもたらした最大の功績は、自身作「White rabbit」に顕著であるように、バンドにサイケデリックな要素を持ち込んだこと。そうしたバンド的な意義、そして西海岸サイケデリック・カルチャー全盛期の象徴としての時代的な意義。その互いを兼ねそなえた大名盤。名曲「Somebody to Love」収録。
サンフランシスコ出身、米西海岸サイケデリック・ムーヴメントを代表するグループ。バンドとして脂の乗り切った68年に伝説のフィルモア・イースト/ウェストで録音され、69年にリリースされたライヴ・アルバム。ポール・カントナーのエッジの立った痺れるリズム・ギター、ヨーマ・カウコーネンの自在に飛翔するようなギター、貫禄のグレース・スリックのヴォーカル!スタジオ盤以上に熱気ムンムンの名作。
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