MEET THE SONGS 111回 ZAKARRIASの『ZAKARRIAS(妄想)』

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今日の「MEET THE SONGS」は、いかにも英国的なヒネリの効いたサウンドが気持ちいいプログレッシブ・フォークの逸品、ZAKARRIASの71年唯一作『ZAKARRIAS』をピックアップ！

71年にDERAMからリリースされた本作。ヴォーカル/ギター/ベースのZAKARRIASに加え、QUATERMASSのオルガン奏者Peter Robinson、HENRY COWやHF&N、SLAPP HAPPYの作品に参加する管楽器奏者Geoff Leighなどの腕利きを擁した編成とそのサウンド以外は、当時ほとんど情報が得られなかったといわれる作品です。

冒頭で英国的なサウンドと書きましたが、当のZAKARRIASは実のところオーストリアはウィーン出身のSSW、Robert haumerなる人物の変名ということがわかっています。80年代にはBobby Haumerとして自身のバンドBOBBY HAUMER BANDを結成、自国オーストリアで活動していたようです。

本作の基本となるのが、アコギをかき鳴らすアシッド・フォーク的なスタイルをバンド演奏がダイナミックに盛りたてるようなサウンドで、どこかZAKARRIAS由来の浮世離れしたようなサイケ感を孕んだ幻想性と、ジャズやブルースの素養も感じさせる堅実なアンサンブルが、不思議な味を生んでいるのが特徴的です。前述したような出自とはとても思えないくらいに、その内容は英国的な叙情性と陰影を満たされているんです。

では、本作からのナンバーをお聴きください！

1.COUNTRY OUT OF REACH

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一聴では70年代初頭らしいアート感を含んだハードロック・ナンバー。聴き始めて最初に一筋縄ではいかない印象を与えるのが、サバスを思わせる重く引きずるようなギター・・・ではなくベース（!）。これがギターなら、さして印象的でもない楽曲だったかもしれませんが、この歪んだベースのリフが不思議な緊張感を与えています。そこに乗るZAKARRIASのハイトーンはブリティッシュ・ロック然としたキレを感じさせる逸品。この一曲で早くも彼のミュージシャンとしての才が感じ取れますね。

4.THE UNKNOWN YEARS

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陰影たっぷりのアコギにタイトなドラムと渋いエレピがジャジーに絡むアンサンブル。単なるジャズ・ロックになりそうなところをアコギが醸し出すアシッド感がそこに溶けこんでいき、ZAKARRIASオリジナルな音世界へと演奏を導いていきます。ベクトルの異なるサウンドを同化させて個性的なサウンドへと仕上げるセンスは目を見張るものがありますよね。名曲！

いかかでしたか？
「MEET THE SONSG」は、月曜日から金曜日まで毎日、定番からニッチ盤まで僕らのロック・ミュージックを紹介しています。
また明日、お会いいたしましょう。

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