2014年3月12日 | カテゴリー:MEET THE SONGS,世界のロック探求ナビ
タグ: ロック&ポップス
今日の「MEET THE SONGS」は、MANFRED MANNで活躍したMike Huggの72年作1stソロ『Somewhere』と73年作2ndソロ『Stress & Strain』をピックアップいたしましょう。
よほどのブリティッシュ・ロック通でないと聴いていないアーティスト&作品だと思いますが、これがどちらもニッチ・ポップ・ファン必聴と言える名作なんです。
Mike Huggは、Key奏者のManfred Mannとともにマンフレッド・マンの創設メンバーですが、マンフレッド・マンからして既に通なバンドですよね。
幼少時からピアノのレッスンも受けながら、ジャズに心酔し、ジャズ・ドラムも演奏。ジャズ・クラブでManfred Mannと知り合い、ともに活動していくことになります。バンドでは、ドラムとヴィヴラフォンを担当。プレイヤーとしてもソングライターとしてもめきめきと力をつけていくとともに、レコード会社によるコマーシャル路線に反発。バンドを解散させ、原点であるジャズに根ざしたサウンドを指向し、マンフレッド・マン・チャプターIIIを結成します。
チャプターIIIでは、ピアノ&リード・ヴォーカルへと転向。メイン・ソングライティングも担い、ミュージシャンとしての才能を花開かせます。チャプターIIIの作品はどれも英国叙情に溢れた名品なんですが、VERTIGOレーベルからのリリースということもあってか、こちらも通好みの位置づけに終わってしまっていますよね。かな~りディープに色々と聴き込んだリスナーが、中古で見かけたら「ま、聴いとくか」と手を出す感じの作品(Huggさん、失礼!)。
チャプターIII解散後にソロとしての活動をスタートし、リリースしたのが72年作1stソロ『Somewhere』と73年作2ndソロ『Stress & Strain』になります。この頃、映像音楽家としても活躍し、コマーシャルや番組の音楽を数多く担当していたようです。
日本のロック・ファンにとっては、ロックとプログレの間で埋もれてしまっているアーティストですが、ソングライターとしてもヴォーカリストとしてもプレイヤーとしても本当に素晴らしい!
韓国の紙ジャケレーベルBELLA TERRAより再発されましたので、これを機に多くの人に聴かれ、再評価されて欲しいなと思います。
ハイ・トーン寄りではしっとりと濡れた憂い、低音域ではちょっぴりしわがれたメロウネスを滲ませた歌声が印象的。
派手さはないものの、聴けば聴くほどに味わいが増す叙情的なメロディも絶品です。
エコーに包まれたピアノや艶やかなストリングスによる幻想的なアンサンブルも特筆で、本当にリリカルな佳曲がそろっています。
印象的なサックスは、ソフト・マシーンでお馴染みのエルトン・ディーン!
センチメンタルな美メロとエモーショナルな歌唱が感動的。
ニッキー・ホプキンスのソロ作『夢みる人』の叙情的な楽曲にも通じる味わい。
いや~、良い曲だなぁ。
ソウル・フレイヴァーやソフト・ロック・テイストを入れて、1stに比べて洗練された2ndもまたニッチ・ポップのファンは必聴でしょう。
リズミックなピアノのバッキングと憂いたっぷりのメロディが泣けますね~。
チャプターIII時代からソングライターとして、英国的な憂いあるヴォーカリストとして花開いているんですよね。未聴の方はチェック是非。
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最後に1972年のBEAT CLUB出演時の映像をご紹介いたしましょう。他のバンドと一緒になっている動画です。Mike Huggは29分30秒からはじまりますよ~。
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