2022年6月29日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ,日々是ロック
こんにちは。
この「日々是ロック」コーナーは、直近で入荷した注目のタイトルや売れ筋の人気タイトルの新品CDをメインに、日替わりでスタッフがおすすめの作品をピックアップしてまいります。
今日は、イタリアン・ラブ・ロックの名作LA BOTTEGA DELL’ARTEによる1stアルバムの最新リイシューが初入荷しましたので、本作からスタートして、世界の「歌」が魅力的なプログレを探索してまいりたいと思います♪
I POOHよりも儚く繊細で、ラブ・ロックとしてはこちらが好みという方も少なくないはず。
キーボードを主体とするクラシカルで流麗な演奏をバックに、ヴォーカルが美しいメロディをこれでもかと感動的に歌い上げます。
ファーストにしてイタリアン・ラブ・ロック史上の名作と呼ぶべき一枚!
イタリアで歌と言ったら、やっぱりカンタゥトーレ作品は外せません。ニッチだけど一押しのこの作品をご紹介☆
Claudio RocchiやEQUIPE 84の作品への参加したイタリアのセッション・ギタリスト/カンタゥトーレの77年作。
PFMで知られるLucio Fabbri、AREAのベーシストAres Tavolazziなど名手らが紡ぐ、地中海音楽のエキゾチズムや祝祭感を感じさせる美しく芳醇に、スッと染み入る素朴で誠実な聴き心地のイタリア語ヴォーカルが乗る、絶品カンタゥトーレ作品です。
PFM『パスパルトゥ』あたりがお好きな方なら堪らないと思います!
続いてピックアップしたいのが、実は歌ものプログレの逸品が揃うベルギー。最近初CD化された2タイトルをどうぞ~。
ベルギーでは当時かなり名の知られたバンドだったらしい彼らの74年デビュー・アルバム。
ベルギー北部の公用語フラマン語で饒舌に歌い上げるヴォーカルと、オルガンとギターをメインに据えたハートフルかつ哀愁に富んだアンサンブルの組み合わせが魅力的。
この巻き舌も交え歌うヴォーカル、イタリアのカンタゥトーレ作品にも通じる味わいが滲みます。
4人組のバンド編成に加え、ALAIN BURO自身がヴォーカル/ギター/キーボード/フルート/ベルなどを演奏するマルチ・プレイヤーぶりを発揮した一枚。
ギターとフルートが哀愁いっぱいに交差し、シンセがうっすら幻想のカーテンを引き、甘い声質のヴォーカルが少しシアトリカルに歌うポップ・ロックは、フレンチ・ロック彷彿のロマンティシズムがたっぷり。
でもダークな雰囲気はなく、明るさとノリの良さが魅力的なベルギー・ポップ・ロックの逸品!
そして日頃よりカケレコでも歌ものプログレの宝庫としてオススメしているのが南米アルゼンチンです。
こちらからもとっておきを2枚ご紹介いたしましょう。
南米らしくハートウォーミングなスペイン語ヴォーカルをフィーチャーした甘く繊細なシンフォを聴かせていたかと思うと、ここぞというパートではジャズ・ロック調のテクニカル・アンサンブルで疾走。
その緩急自在な演奏がただただ見事です。
数多のアルゼンチン叙情派プログレの中でも一際まばゆい輝きを放つ一枚!
木漏れ日フレイヴァーと南米らしい「詩情」とが折り重なった素朴なデビュー作も名盤でしたが、ピアノや管弦楽器をフィーチャーして多彩な色合いを帯びたこの2ndもまた絶品。
とめどなく溢れてくるセンチメンタルなメロディには終始感動を禁じ得ません。
「アルゼンチン・ロックの父」としてリスペクトされる天才チャーリー・ガルシアのメロディセンス&アレンジセンスには脱帽ですね。
いかがでしたか?気になる作品が見つかれば幸いです。
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73年作の2nd、アルゼンチン。チャーリー・ガルシアが参加していたことで知られるグループ。繊細なフォーク・サウンドの1stに比べ、これぞ南米と言える「詩情」はそのままに、アレンジが豊かになり、完成度がグッと高まりました。チャーリー・ガルシアによる繊細なタッチのピアノをフィーチャーしたリリカルな曲、管弦楽器がサウンドを広げるポップな曲、McGuiness Flintあたりに通じるパブ・ロック・フレイヴァー溢れる温かい楽曲など、とにかく美しいメロディと叙情豊かなメロディに彩られた佳曲揃い。シンプルなサウンドでメロディが際立つ1st、多彩なアレンジでメロディが華々し響く2nd。どちらもリリカルなメロディーを聴かせるという点では変わりなく、甲乙つけがたい名作。
ボッテガ・デラルテが75年に発表したファースト・アルバム。79年発表の2ndセカンド「Dentro」が有名ですが、イタリアらしい叙情的なメロディーは2ndにも劣らない完成度。いかにもイタリアン・ロック的な情感たっぷりのヴォーカルも素晴らしく、キーボードの流麗な演奏をバックに、美しいメロディをこれでもかと感動的に歌い上げます。ファーストにしてイタリアン・ラヴ・ロック史上の名作と呼ぶべき一枚に仕上がっています。
アルゼンチン出身のSSW/キーボーディストCesar Pueyrredonが率いた名グループ。古くよりアルゼンチン・ロックを代表する名盤として語られてきた79年作。オルガン、ピアノ、シンセ、エレピなど多彩なキーボードと、リリカルなトーンでフレーズを紡ぐギターを軸とする、甘く繊細なシンフォニック・ロックを聴かせてくれます。基本はメロディを大切にした歌ものシンフォですが、ここぞではジャズ・ロック調のテクニカル・アンサンブルで疾走するパートも登場し、その緩急自在の演奏はただただ見事です。切々とドラマチックに歌い上げるヴォーカルも素晴らしく、スペイン語特有の柔らかな響きを生かす情緒溢れる歌声が胸を揺さぶります。数多のアルゼンチン叙情派プログレの中でも一際輝きを放つ至上の一枚!
ヘヴィ・ロック・バンドLIGHT FIREなどで活動したベルギーのSSWによる75年のソロ唯一作。4人組バンド編成での制作ですが、本人はヴォーカル/ギター/キーボード/フルート/ベルなどを演奏するマルチ・プレイヤーぶりを発揮しています。ギターとフルートが哀愁いっぱいに交差し、浮遊感あるシンセがうっすら幻想的にアンサンブルを覆い、甘い声質のヴォーカルが少しシアトリカルに歌うポップ・ロックは、さすがフレンチ・ロックに通じるロマンティシズムがたっぷり。でもフレンチもののような憂鬱でダークな雰囲気はなく、総じて明るくノリも良いのが特徴です。ハンガリーのOMEGAなんかを想起する「いなたさ」も、かえって愛すべき度を高めています。ロマンあふれるポップな歌もの秀作!
72年に結成され2枚のアルバムを残したベルギーのポップ・ロック・バンド、74年の1stアルバム。ベルギー北部の公用語であるフラマン語(低地フランク語から分かれたオランダ語と系統を同じくする言語)で饒舌に歌い上げるヴォーカルと、オルガンとギターをメインに据えたハートフルかつ哀愁に富んだアンサンブルの組み合わせが魅力的。クラシカルに鳴り響く存在感あるオルガン、叙情的なタッチの憂いあるギター、素朴なアコギらが織りなす実直なアンサンブルに乗り、巻き舌も交えて歌うヴォーカルが見事で、イタリアのカンタゥトーレ作品にも通じる味わいがあります。「歌」をメインに聴かせる作風ですが、オルガン・ポップ作品としても素晴らしい出来栄えを誇る逸品です。
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