2019年2月5日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
スタッフ佐藤です。
実験的な音作りがもたらす深遠な雰囲気と、切れのあるテクニカルなアンサンブルが一体となったアヴァン・ジャズ・ロック。中には、そこに各国の民族性も加味した味わい深いサウンドを聴かせるものもあったりと、硬質/無機質というイメージとは裏腹に意外と表情豊かな作品も数多く存在します。
それでは、奥深いアヴァン・ジャズ・ロックの世界を見てまいりましょう~。
スペインの民族木管楽器テノーラによる素っ頓狂なチャルメラ風フレーズが暴れ回るサムラもびっくりな民族舞踏的&チンドン屋的ロックをエネルギッシュに展開!スペインが誇る地中海ロック傑作。
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サックスとキーボードの感じは『4th』『5th』あたりのソフト・マシーンですが、そこにぶつかっていく硬質なギターとリズムが実に強烈。マイナーながら、ずばり傑作。
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重厚なサックスに痺れるブラス・ジャズ・ロックから、初期アレアばりのフリーキーで無国籍なアヴァン・ロック、地中海エッセンスまでも飲み込みつつ、リズムは80sクリムゾン影響下だったりと、全く一筋縄ではいかないメキシコ新鋭による快作!
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ピッキオ・ダル・ポッツォやジャズ・ロック期ザッパを彷彿させる管楽器の掛け合いだなぁと思っていると、異次元世界を音像化したような強烈なアヴァンギャルド・プログレが襲いかかってきて戦慄!気品ある佇まいと尋常ならざる緊張感を両立した孤高の一枚。
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カケレコでは、「アヴァン・プログレ/チェンバー・ロック」に限定したリストの表示が可能です♪
こちらより引き続き探求をお楽しみください!
スペインはバルセロナ出身、ギター、サックス、ドラムのFortuny3兄弟を中心とするグループで、70年代半ばにバルセロナのライヴハウスZELESTEを中心に起こったジャズ/アヴァン・ロック・ムーヴメントの代表格。最高傑作とされる78年作の4th。初期のフュージョン色はいよいよ薄まり、サムラもびっくりな民族舞踏的&チンドン屋的ロックをエネルギッシュに展開。細かいリズムで切り返しまくるリズム隊、ツンツンと尖ったトーンでシャープに畳みかけるギター、そしてスペインの民族木管楽器テノーラによる素っ頓狂なチャルメラ風フレーズ。手工芸品のように温かな北欧のサムラとは違って、地中海の陽光溢れる快活さが溢れていてとにかく痛快。さすがにデビュー時にはマイルス・バンドもびっくりなジャズ/フュージョン・ロックをこなしていただけあって、演奏のキレ味は抜群。それにしても、アカデミックさと大道芸的ノリを併せ持つサウンドは唯一無比。もっともっと評価されるべきユーロ屈指のグループ。これは素晴らしいですよ〜。
73年結成、メンバーの顔に時計がコラージュされたジャケットでもお馴染みのイタリアン・アヴァン・ジャズ・ロック・バンドが残したほとんどの音源が収録された4CDボックスセット!73年1st『DEDALUS』、74年2nd『MATERIALE PER TRE ESECUTORI E NASTRO MAGNETICO』、99年にリリースされた75-76年録音の3rd用音源集『PEZZI 75-76』、そして自主レーベルからリリースされた97年作『PIA VISIONE』の4作品を収録。さらに各CDに73-74年・75年・94年・2015年の未発表音源も多数収録されています。謎めいた魅力を放つ知性派バンドDEDALUSのほぼ全活動が明らかになる全61曲!
サックス奏者を擁するフランスのジャズ・ロック/アヴァン・ロック・バンド。77年の唯一作。サックスとキーボードの感じは『4th』『5th』あたりのソフト・マシーンですが、ギターとリズム・セクションが実に強烈で、その組み合わせが個性的。硬質なトーンで音を叩きつけるように鳴らされるリズム・ギター、重くタイトで力感たっぷりなリズム隊、そして、ダダイズム感たっぷりに無意味な叫びを続けるヴォーカル。何というテンション。ソフト・マシーンをはじめ、クリムゾン『太陽と戦慄』のファンはまず驚くはず。これはずばり傑作。
84年の結成以降、バンド創始者であるベーシストのMike Saryを中核に活動する米テクニカル・アヴァン・プログレの名バンドによる16年発表の11th。本作では、なんと日本のプログレ・バンドTEEのギタリスト米田克己氏とキーボーディスト米倉竜司氏、FLAT122で活動するキーボーディスト川崎タカヲ氏が全面参加、Mike Saryが見出したドラマーMark L. Perryを加えた5人編成でのレコーディングとなっています。
バンドHPでは影響元として、NATIONAL HEALTH、SOFT MACHINE、FRANK ZAPPA、BRUFORD、BRAND X、HAPPY THE MAN、SAMLA MAMMAS MANNAというジャズ・ロック/アヴァン・プログレの錚々たるグループが挙げられていますが、本作で繰り広げられるサウンドを聴けば「なるほどっ!」と膝を打つことでしょう。
ジャズ色濃厚な緻密かつ硬質なドラミングに絡む地を這うように妖しくうごめくベース、クリーントーン主体で浮遊感あるフレージングを紡ぐギター、多彩にトーンを変化させ七色の輝きを放つシンセサイザー、前衛的なプレイで応じるピアノらによる、少しも先の読めないスリリングなアンサンブルがとにかく圧巻。フュージョン・タッチの流麗な演奏を聴かせていたかと思うと、ギターが突如ヘヴィな尖ったプレイで畳み掛けシンセと火花を散らすテクニカル・アンサンブルへ突入、ピアノがミステリアスに響くアヴァンギャルドなパートに、ちょっぴりトロピカルなシンセのユニークな音色が楽しいコミカルタッチまでも織り込んだ、一曲の中でも次々と目まぐるしく表情を変えていく演奏は、これぞプログレッシヴ・ロック!と言い切ってしまいたいほどの素晴らしいパフォーマンスです。パーカッションを強調した無国籍風のパートでは、PIERRE MOERLEN’S GONGなどに通じるセンスも見え隠れします。
Mike Saryの頭の中にある、奇想天外ながらも緻密に構成されたサウンドを、寸分も狂いのないアンサンブルで形にしていく各メンバーの技巧とセンスの確かさには脱帽。上記のバンド、特にFRANK ZAPPA、SAMLA MAMMAS MANNAあたりのファンには直撃するであろうアヴァンギャルド・プログレの傑作盤です!
日本語版HP(試聴あり)
https://frenchtvjapan.jimdo.com/
Bandcamp(試聴あり)
https://frenchtv.bandcamp.com/
ギタリストChristian Oestreicherを中心に結成された、スイス出身アヴァン・サイケ・ジャズ・ロック・バンドの73年唯一作。雑踏、さざ波、鳥の鳴き声、ラジオ音声などをコラージュしたミュージック・コンクレートと、ジャズの素養をベースとするフリーフォームなバンド・アンサンブルを対比させた、クラウト・ロック勢にも通じる実験性に富むサウンドを形成。演奏面の核となるのがギターとヴァイオリンで、自在にリズムを変化させながら手数多く刻むジャジーなリズム隊をバックに、クリーントーン主体ながらサイケデリックな熱量を感じさせるギター、ひんやりしたトーンでスリリングに切り込んでいくエレキ・ヴァイオリンが、アヴァンギャルドに交差するアンサンブルはかなりのカッコよさ。ジャズ由来の洒脱なタッチで舞い踊るピアノ/エレピのプレイにも注目です。コラージュを多用した実験的パートと、バンド・アンサンブルのパートは大体曲ごとに別れており、混沌とした雰囲気はなく聴きやすいのも好印象。CANなどクラウト・ロック、60sザッパのアヴァンギャルドな作品などがお好きな方にはオススメの作品です!
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