2012年11月26日 | カテゴリー:ライヴ・レポート
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こんにちは!カケレコ・スタッフ佐藤です。
11月23日にクラブチッタ川崎にて行われた、ジェファーソン・スターシップのライヴ1日目に行ってまいりました。
今回のライヴでは、ポール・カントナー率いる現スターシップの面々、そしてスターシップの結成メンバーであり近年再加入、クイックシルヴァー・メッセンジャー・サーヴィスでの活動でも知られるデヴィッド・フライバーグ、さらには初期グレイトフル・デッドのメンバーとして活躍したkey奏者トム・コンスタンテンらが参加した、三大米サイケバンドのメンバーが一堂に会するファンにとってはまさに夢の祭典と言うべきライヴとなりました。
開演前、ほぼ満員の客で埋められた会場はすでににリラックスした楽しげなムードが漂っているように感じられました。これまでイギリスのバンドが中心だった私のライヴ経験からすれば、変な緊張感を持たず酒を片手に目いっぱい騒ぎ楽しめるのがアメリカン・ロックバンドのライヴなのかな、という印象をこの時点で持ちます。
そんなことを考えていると開演時間の5時丁度にステージにライトが灯り、白髪で長髪の人物が登場。デッドの初期メンバー、トム・コンスタンテンです。デジタル・ピアノでデッドの楽曲を一人流麗な弾き語りで聴かせます。彼の深みのあるジェントルな歌声は、ミュージシャンとして数十年の時を経てきた人間ならではの存在感を感じさせます。時おり日本語によるMCを交え最後に歌われたのが、日本が世界に誇る名曲「上を向いて歩こう」。日本のファンへのちょっとしたサービスも心憎い限りです。そうこうする間にQSMSを紹介して彼はステージを後にします。
続いての登場が、デヴィッド・フライヴァーグを擁するQSMSの面々。「Pride Of Man」「Fresh Air」など往年の名曲がハード・ロック並のド迫力の演奏で披露されていきますが、何と言っても驚きなのがフライバーグのあまりにもパワフルなヴォーカル!正直言って見た目はもうリタイアしたおじいちゃんという感じなのですが、やはりそこはプロ。御年74歳ながらまだまだ現役バリバリのパフォーマンスで最後まで楽しませてくれました。いや?、これには脱帽です。
休憩をはさんで、いよいよスターシップのステージとなります。ポール・カントナー、デヴィッド・フライバーグに加え、近年加入した女性シンガー、キャシー・リチャードソンらによる熱気あふれるステージング。エアプレイン時代の67年発表の傑作2nd『SURREALISTIC POLLOW』全曲に、「COUNT ON ME」「JENE」「VOLUNTEERS」などの名曲を中心とした楽曲をたっぷりと楽しませてくれました!
ここでの聴きどころはやはり何と言ってもキャシー・リチャードソンのヴォーカル。ブロードウェイでジャニス・ジョプリンを演じたというだけはある圧倒的な声量と表現力!フライバーグのヴォーカルと相まって、全体にシンガーの存在感が素晴らしいステージとなっていました。
そしてやはりポール・カントナー。頭にはバンダナを巻き、威厳ある佇まいでエレキをかき鳴らす姿からは、ロック・レジェンドとしての風格と生き様が伝わってきます。個人的にはキース・リチャーズと重なるものが感じられ、彼こそ「アメリカのキース・リチャーズ」と言うべき存在なのではないかと思ったのでした。途中何度か機材のトラブルで彼の演奏が寸断されてしまっていたのが若干残念ではありましたが。
さらに注目だったのがバックを固めた演奏陣です。ジュード・ゴールドによるリード・ギター他、キーボード、ドラムスといずれも相当な実力派が揃っており、元々はサイケ・バンドの楽曲だったはずのものがハード・ロック並の迫力とフュージョン並みのテクニックで演奏されており、その意味では非常にライヴ映えするパフォーマンスになっていたと言えます。プログレ・バンドを始めとするテクニカルなライヴを見ることが多い私にも十二分に見応えのあるものでした。
最後曲を経てアンコールの頃には、会場の全員が立ちあがって手拍子に、指笛に、合唱に、ダンスにと、実にアメリカン・ロックバンドらしいライヴの様相を呈しておりました。ミュージシャンも観客もこの一夜を最大限に楽しんでいたのだなぁ、とこの時の光景を思い出すたびに感じます。
8時20分ごろにライヴは終演、他の観客とともに会場を後にするあいだも、フライバーグ、リチャードソン両シンガーのパワフルすぎる歌声とカントナーのあの貫録溢れる出で立ちが耳に目に焼き付いて離れません。CDやDVD、YOU TUBE動画だけでは伝えられない、生で聴き観るでことでしか味わえないミュージシャンの姿というものをしっかりと観客に伝えてくれた充実のライヴ・パフォーマンスでした。
60年代後期、米西海岸で沸き起こったサマー・オヴ・ラヴを象徴する彼らの2nd。67年2月リリース。歌唱、ルックスともに圧倒的な存在感を放つGrace Slickが本作より加入。メインヴォーカル時にとる、一度聴いたら耳から離れないほど強烈なビブラート歌唱。バックヴォーカルとしても男性陣と見事に溶けあった流麗なコーラスワークを聴かせてくれます。歌唱もさることながら、Graceがもたらした最大の功績は、自身作「White rabbit」に顕著であるように、バンドにサイケデリックな要素を持ち込んだこと。そうしたバンド的な意義、そして西海岸サイケデリック・カルチャー全盛期の象徴としての時代的な意義。その互いを兼ねそなえた大名盤。名曲「Somebody to Love」収録。
サンフランシスコ出身、米西海岸サイケデリック・ムーヴメントを代表するグループ。バンドとして脂の乗り切った68年に伝説のフィルモア・イースト/ウェストで録音され、69年にリリースされたライヴ・アルバム。ポール・カントナーのエッジの立った痺れるリズム・ギター、ヨーマ・カウコーネンの自在に飛翔するようなギター、貫禄のグレース・スリックのヴォーカル!スタジオ盤以上に熱気ムンムンの名作。
廃盤希少、紙ジャケット仕様、ボーナス・トラック3曲、インサート・内袋付仕様、定価2000+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
紙ジャケに小さい汚れあり
組み立て式のシガレットペーパーケース仕様、黒い盤のCD-R、内袋付仕様、定価2600+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
ゆるくも絶妙なリズム。これがくせになるんだなあ。ローウェル・ジョージのヴォーカルとスライドギターも米南部の泥臭さが滲んで味があるし、心地よすぎるグルーヴに満たされた傑作ですよね。
20P22089
590円 (税込649円)
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