2022年8月9日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
スタッフ佐藤です。
一大叙事詩RADIO GNOME INVISIBLE三部作の最終章にして、のちのテクノ発展にも大きな影響を与えたと云われる傑作と言えば、ゴングの74年作『YOU』ですよね。
ヘロヘロなようでいて恐ろしいまでのキレ味と緊張感を孕んだ演奏は、何度聴いてもイエスの『危機』やクリムゾン『宮殿』、フロイド『狂気』と同レベルでゾクゾクさせられます。
今回はそんな『YOU』のサウンドにヒントを得たであろう、コズミックかつサイケデリックなプログレを探求してまいりましょう~☆
まずは起点となるこの作品にご登場願いましょう!
RADIO GNOME最終章であり、アレン期ゴングの集大成。
総帥デヴィッド・アレンが持つユーモア&脱力感と、演奏陣の圧倒的なテクニックが絶妙にバランスした奇跡の一枚!
この曲の反復リズムなんて、もう元祖テクノ・ミュージックと呼んで良いんじゃないかしら。
ゴングの衣鉢を継ぐバンドと言えば彼らで決まりですね!
83年結成以来、コンスタントに新作をリリースし続けるベテラン・グループが彼ら。
アレン期ゴングにトランシーなうねりと疾走感を加えたようなネオ・サイケが癖になる♪
この”偉大なる金太郎飴”サウンドには、一度ハマれば容易には抜け出せない魔力がありますね!
こちらはゴングの影響下ではないかも知れませんが、ゴング・ファンにも聴いてみていただきたい伊プログレの逸品。
なんとあの名バンドの後身と言えるグループ!
21年にリイシューを果たしたイタリアン・プログレのニッチな一枚。
あのCELESTEのリーダーが結成したバンドということで儚く繊細なサウンドを聴かせるのかと思いきや、強度の高いジャズ・ロック・アンサンブル+スペーシーなキーボード音響という正反対と言えるサウンドにビックリ。
でもこれ、かなーりカッコいいです!
こちらの北欧新鋭、ゴング要素よりクリムゾン的破壊力のほうが際立ってますが、サイケなジャズ・ロックとして大変注目の一枚なんです。
クリムゾン的ヘヴィネスとディープなサイケ感覚を兼ね備えたテクニカル・ジャズ・ロックを聴かせるノルウェー新鋭!
サックスとギターが時にユニゾンで駆け抜け、時に互いを食わんばかりにエネルギッシュなプレイを応酬させる、ハイテンションなパフォーマンスに痺れっぱなしです。
時折感じられるオズテン風のトランス感も効いてるぅ~。
南米ペルーには、このコズミック・サイケな好バンドがいました!
00年代のペルーでこんな強烈なコズミック・ジャムが鳴らされていたなんて…。
サイケデリックに熱量を放出しながらスリリングに突き進むギターがひたすらカッコいい未発表音源!
最後のグループは、クラシカルで荘厳なサウンドがイメージされるロシアに地に!?このサウンドはかなり強烈ですよ~!
カスピ海にほど近いロシア南部アストラハンにて03年より活動するサイケ・プログレ・バンド。
この20年作、ゆったりテンポの中でギターが幻想的にたゆたう叙情パートから、火が付いたようにハイテンションなリズムとギターばりの速弾きヴァイオリンによる超絶アンサンブルへとなだれ込む展開が鮮烈!
テクニック・疾走感・熱量、どれをとっても『YOU』ゴングのファンにオススメできる快作です!
やや路線変更した21年作も、オリエンタルなシンフォニック・ジャズ・ロックとして大変に素晴らしい出来栄え!
GONGを継ぐエネルギッシュで疾走感抜群のスペース・サイケ・ジャズ・ロックを聴かせた旧来とは打って変わり、女性voとオリエンタルなエッセンスをフィーチャーした神秘的なシンフォニック・ロックを繰り広げます。
カスピ海沿岸に位置し、カザフスタン国境にも近いロシア南部の都市アストラハン出身ということで、中央アジアの伝統音楽の香りがプンプン匂ってくるサウンドが堪らない~。
GONG譲りのコズミック感覚はそのままに、よりエモーショナルに深化したサウンドに圧倒される21年作!
いかがだったでしょうか。
よろしければ、こちらの記事もどうぞ!
【関連記事】
スタッフが日替わりでオススメ作品をご紹介する「日々是ロック」。探求テーマは感性と知性が融合した「サイケ・プログレ」を探求します!
【関連記事】
一般的にはさほど注目を集めることのない作品たちの中から、スタッフ佐藤が愛して止まない作品たちを取り上げてその魅力を語ります!
David Allenを中心に結成され、個性的な浮遊感を持ったサイケデリックなスペース・ロックを確立。メンバーの出入りの多さからその人脈図は幾重にも枝分かれし、ファミリーバンドも多く存在し、プログレッシブ・ロックシーンに留まらず、エレクトロシーンなどにまでその影響を与えるグループの74年作。「Radio Gnome Invisible」と題されたシリーズの第3弾であり、3部作の完結編に位置づけられる本作は、サイケデリック・スペース・ロックバンドとしてのGONGの集大成的な一枚であり、バンドの代表作との評価も高い名盤。特に、執拗な反復の上でDidier Malherbeのサックスが響き、Steve Hillageのサイケデリックなギターが空間を支配する様は圧巻です。
76年のメロトロン名盤で知られるイタリアン・ロック・グループCELESTEのリーダー/キーボーディストCiro Perrinoが、CELESTE解散後にST.TROPEZを経て結成したバンド、92年に初リリースされた79年録音のライヴ・アルバム。ST.TROPEZのギタリストとエレピ奏者に新規加入したリズム隊という5人編成です。そのサウンドは、イタリアン・ロックらしい熱気みなぎるダイナミックなジャズ・ロックに、ST.TROPEZでも聴かれたスペーシーで浮遊感あるキーボードが飛び交う、時にGONG『YOU』やATOLL『TERTIO』『ROCK PAZZLE』のリズミカルなナンバーなんかも彷彿させるインスト・プログレ。ジャズ、スペース・ロック、レゲエなどのエッセンスが混ぜ合わされた肉感的なアンサンブルに、キーボードによるエレクトロニックな音響が浮遊するこのスタイルは、上記のフレンチ・プログレを思わせるところを持ちつつも、なかなかありそうでないサウンドかもしれません。この遠慮会釈なくドシドシと迫りくるような生演奏部分の迫力はイタリアならではでしょう。CELESTEの後継バンドの一つとして聴くとその変化に驚かされそうですが、単純に強度の高い演奏とスペーシーなキーボードとの絡みがカッコいい痛快なイタリアン・プログレ作に仕上がっています。
元SOFT MACHINEのデヴィッド・アレンが生んだ新しいトリップ・サイケ・バンド。69年のデビュー・アルバム。
ご存知サイケデリック・ジャズ・ロックの最高峰バンド。71年の3rdで、バイク・レースに関するドキュメンタリー映画用のサントラ。リリースは3rdですが、2nd『Camembert Electrique』のセッション最初期に録音されたもの。キーボードやシンセは使われておらず、アグレッシヴに暴走するリズムの中を、ファズ・ギターとサックスが渦を巻き、デヴィッド・アレンのフリーキーなヴォーカル、ジリ・スマイスのウィスパー・ヴォーカルが炸裂!クリムゾンやカンにも対抗できる、理性的かつ粗野なグルーヴに溢れたサウンドは圧巻のスケールです。スペース・ジャズ・ロック3部作も素晴らしいが、この初期の剥き出しのエネルギーも凄い。ヘヴィ・サイケデリック・ロックの傑作です!
David Allenを中心に結成され、個性的な浮遊感を持ったサイケデリックなスペース・ロックを確立。メンバーの出入りの多さからその人脈図は幾重にも枝分かれし、ファミリーバンドも多く存在し、プログレッシブ・ロックシーンに留まらず、エレクトロシーンなどにまでその影響を与えるグループの73年作。「Radio Gnome Invisible」と題されたシリーズの第2弾であり、前作に続いて浮遊感のあるスペース・ロックサウンドを構築。Steve Hillageのギターが広く空間を埋め、Tim Blakeのキーボードがジャジーなテイストを加味、Didier Malherbeのサックスも素晴らしいアクセントとなっており、多くのスペース・ロックフォロワーの原点を見ることが出来ます。
David Allenを中心に結成され、個性的な浮遊感を持ったサイケデリックなスペース・ロックを確立。メンバーの出入りの多さからその人脈図は幾重にも枝分かれし、ファミリーバンドも多く存在し、プログレッシブ・ロックシーンに留まらず、エレクトロシーンなどにまでその影響を与えるグループの73年作。「Radio Gnome Invisible」と題されたシリーズの第1弾であり、GONG黄金期のメンバーであるSteve HillageやTim Blake 、Pierre Moerlenが初めて参加しています。David Allenの音楽性を象徴するような、トリッピーで摩訶不思議なスペース・サイケサウンドが魅力的な作品であり、全盛期GONGのサウンドの幕開けとなったアルバムです。
David Allenを中心に結成され、個性的な浮遊感を持ったサイケデリックなスペース・ロックを確立。メンバーの出入りの多さからその人脈図は幾重にも枝分かれし、ファミリーバンドも多く存在し、プログレッシブ・ロックシーンに留まらず、エレクトロシーンなどにまでその影響を与えるグループの74年作。「Radio Gnome Invisible」と題されたシリーズの第3弾であり、3部作の完結編に位置づけられる本作は、サイケデリック・スペース・ロックバンドとしてのGONGの集大成的な一枚であり、バンドの代表作との評価も高い名盤。特に、執拗な反復の上でDidier Malherbeのサックスが響き、Steve Hillageのサイケデリックなギターが空間を支配する様は圧巻です。
David Allenを中心に結成され、個性的な浮遊感を持ったサイケデリックなスペース・ロックを確立。メンバーの出入りの多さからその人脈図は幾重にも枝分かれし、ファミリーバンドも多く存在し、プログレッシブ・ロックシーンに留まらず、エレクトロシーンなどにまでその影響を与えるグループの76年作。前作にはゲスト参加していたSteve Hillageも完全にバンドを離れたあとの作品であり、鮮やかなジャズ・ロックサウンドを基本にヴィブラフォンやパーカッションで彩を加えた作風となっていますが、後任ギタリストにAllan Holdsworthが参加しており、個性的なうねりを持った流れるようなギターワークでバンドに新風を吹き込んでいます。PIERRE MOERLEN’S GONGへの布石も多く見られる好盤です。
コメントをシェアしよう!
カケレコのWebマガジン
60/70年代ロックのニュース/探求情報発信中!