2016年2月12日 | カテゴリー:スタッフ佐藤の、コレ好きなんですよ。
タグ: プログレ
こんにちは、カケレコ・スタッフ佐藤です。
「スタッフ佐藤の、コレ好きなんですよ。」は、一般的にはあまり注目を集めることのない作品ながら「実は良い作品なんだけどなぁ、もっと聴かれてほしいなぁ。」とスタッフ佐藤が日頃から感じている、愛して止まない作品たちを取り上げてご紹介していこうというコーナー。
今回取り上げるのは、イギリス/フランスの混成プログレ・グループ、ゴングが73年に発表した第4作『ANGELS EGG』です。
ゴングを初めて聴いたのは、高校3年頃、5大バンドの作品を一通り聴き終えて、ちょうどジェントル・ジャイアントやVDGGなど、5大バンドに次ぐポジションのグループたちを聴き始めたのと同時期だったと記憶しています。
上記のバンドたちを聴いて、なるほどプログレというのは、寝る間を惜しんで演奏テクニックに磨きをかけ、高度な音楽理論を追求する真面目でストイックな人たちによる音楽なんだな!と得心した矢先、このゴングなんかが登場した日には「こんなプログレがあっていいのか!」と目を白黒させる以外にないですよね。
プログレ=演奏技術と音楽理論を駆使して細部まできっちりと作り込まれたもの、という固定観念を打ち崩してくれたのが、他でもないゴングの鳴らすサウンドでした。
さて本作『ANGELS EGG』は、『FLYING TEAPOT』『ANGELS EGG』『YOU』という3部作から成る一大叙事詩「Redio Gnome Invisibe」の第2作に当たります。
スタッフ佐藤はこの3作品を発表順に聴き進めていったわけですが、初めて聴いて以来変わらず最も気に入っているのがこの『ANGELS EGG』。本作のどこにそれほど惹かれたのか、その理由を考えるに、それはお得意のナンセンスなユーモア感覚は全開ながら、その立脚点があくまで「ロック・ミュージック」にあるためだと思うのです。
第一部『FLYING TEAPOT』は、ゴングらしいおふざけ感を満載した極上のトリップ・ミュージックで、ロックというフィールドすら逸脱するかのような現実離れした浮遊感と幻惑感をもたらします。
他方、最終章『YOU』は、テクノの源流の一つともされる作品だけあって、反復を多用した非ロック的な要素からもたらされるトリップ感覚、そしてテクニックを極めたメンバー達による鋭く緊張感みなぎるアンサンブルが印象的。
そんな2作に挟まれた『ANGELS EGG』は、フワフワヨレヨレなおふざけ要素とキレのいいロック・アンサンブルがちょうどいい塩梅で配されていて、唯一無二の「ロックなゴング」として非常に完成されている印象を受けます。ゴングの諸作中でもロックファンが最も受け入れやすい作品の一つだと思うので、これからゴングを聴き始めたいという方にも、まずはとオススメできる一枚です。
ヘロヘロでイージーゴーイングなようでいてキメるところはばっちりキメる「ロックなゴング」の魅力が凝縮された作品こそ、この『ANGELS EGG』だと言いたいのですが、いかがでしょうか。
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デヴィッド・アレン率いるGONGが71年にリリースした2ndアルバム。Pip Pyleの悶絶ドラミング、サックス&オルガンのアグレッシヴかつジャジーな演奏、Gilli Smythのスペース・ウィスパー、David Allenのユーモア溢れる弛緩ヴォーカルなど、すべてが聴き所。(ジャズ+サイケ+ロック)÷David Allen=Gongという公式が見事に確立したジャンル不問の大傑作。
ご存知サイケデリック・ジャズ・ロックの最高峰バンド。71年の3rdで、バイク・レースに関するドキュメンタリー映画用のサントラ。リリースは3rdですが、2nd『Camembert Electrique』のセッション最初期に録音されたもの。キーボードやシンセは使われておらず、アグレッシヴに暴走するリズムの中を、ファズ・ギターとサックスが渦を巻き、デヴィッド・アレンのフリーキーなヴォーカル、ジリ・スマイスのウィスパー・ヴォーカルが炸裂!クリムゾンやカンにも対抗できる、理性的かつ粗野なグルーヴに溢れたサウンドは圧巻のスケールです。スペース・ジャズ・ロック3部作も素晴らしいが、この初期の剥き出しのエネルギーも凄い。ヘヴィ・サイケデリック・ロックの傑作です!
David Allenを中心に結成され、個性的な浮遊感を持ったサイケデリックなスペース・ロックを確立。メンバーの出入りの多さからその人脈図は幾重にも枝分かれし、ファミリーバンドも多く存在し、プログレッシブ・ロックシーンに留まらず、エレクトロシーンなどにまでその影響を与えるグループの73年作。「Radio Gnome Invisible」と題されたシリーズの第2弾であり、前作に続いて浮遊感のあるスペース・ロックサウンドを構築。Steve Hillageのギターが広く空間を埋め、Tim Blakeのキーボードがジャジーなテイストを加味、Didier Malherbeのサックスも素晴らしいアクセントとなっており、多くのスペース・ロックフォロワーの原点を見ることが出来ます。
紙ジャケット仕様、デジタル・リマスター、「ラジオ・ノーム・インヴィジブル」ブックレット封入(英文・翻訳の2冊)、定価2700+税
盤質:傷あり
状態:不良
帯有
シール帯付き、カビ多め
David Allenを中心に結成され、個性的な浮遊感を持ったサイケデリックなスペース・ロックを確立。メンバーの出入りの多さからその人脈図は幾重にも枝分かれし、ファミリーバンドも多く存在し、プログレッシブ・ロックシーンに留まらず、エレクトロシーンなどにまでその影響を与えるグループの74年作。「Radio Gnome Invisible」と題されたシリーズの第3弾であり、3部作の完結編に位置づけられる本作は、サイケデリック・スペース・ロックバンドとしてのGONGの集大成的な一枚であり、バンドの代表作との評価も高い名盤。特に、執拗な反復の上でDidier Malherbeのサックスが響き、Steve Hillageのサイケデリックなギターが空間を支配する様は圧巻です。
リマスター、ボーナス・トラック1曲、CCCD
盤質:傷あり
状態:良好
ビニールソフトケースの圧痕あり、若干折れあり
David Allenを中心に結成され、個性的な浮遊感を持ったサイケデリックなスペース・ロックを確立。メンバーの出入りの多さからその人脈図は幾重にも枝分かれし、ファミリーバンドも多く存在し、プログレッシブ・ロックシーンに留まらず、エレクトロシーンなどにまでその影響を与えるグループの76年作。前作にはゲスト参加していたSteve Hillageも完全にバンドを離れたあとの作品であり、鮮やかなジャズ・ロックサウンドを基本にヴィブラフォンやパーカッションで彩を加えた作風となっていますが、後任ギタリストにAllan Holdsworthが参加しており、個性的なうねりを持った流れるようなギターワークでバンドに新風を吹き込んでいます。PIERRE MOERLEN’S GONGへの布石も多く見られる好盤です。
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