2017年9月11日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
9月12日は「宇宙の日」。
宇宙飛行士の毛利衛氏が初めてスペースシャトルで宇宙へ飛び立った日にちなんで制定されたそうです。
本日はそれにちなみ、「宇宙」を感じるロック作品をピックアップ!
コズミック&スペーシーな混沌渦巻く音楽で、未知なる宇宙へ旅立ちましょう。
浮遊感のある音楽が続きますので、くれぐれも「宇宙酔い」にはご注意を。
まずはこの曲から出発。
機械的なパルスに通信機器のような話し声、リバーブがかったサウンドの浮遊感……。
目を瞑れば、そこはもう宇宙です。
次に我々を導くのは、スペース・ロックの代表格であり今なお活動を続ける伝説のバンド、HAWKWIND!
彼らの代表作であり傑作の73年ライブ盤。
後にモーターヘッドを結成するレミーのベースをはじめ、怒涛の勢いで突き進んでいくヘヴィかつハイテンションなコズミック・セッション。
ライブならではの開放感にも満ち溢れた、スペース・ロックの金字塔的作品!
次の案内人はGONGの全盛期を支え続けた、まさに「宇宙から来たギタリスト」、STEVE HILLAGE!
GONGの黄金期を支えたギタリストによる76年2ndで、トッド・ラングレンのプロデュース作。
ドノヴァンやビートルズのカヴァーを収録するなどポップな一面も持ち合わせつつ、スペーシーなシンセとサイケデリックな東洋要素をふんだんに盛り込んだ、彼の個性あふれる名盤!
おや、ここで宇宙人に遭遇!?しかも何やら彼ら、GENESISのファンのようですよ。
宇宙人……ではなく、米ジェネシス・フォロワー代表と言えばこのバンド。
ジェネシスの英国的ファンタジーを踏襲しつつも、スペース・ロックのように雄大に広がっていくアナログ・シンセの音色はこのバンドならではの個性!
次はこちらのSFチックなバンドで、穏やかに宇宙を漂いましょう。
タイ・フォンのキーボード奏者が結成したフレンチ・シンフォニック・ロック・バンド、77年の唯一作。
明るく透明感のある曲調の中、スペーシーなシンセやメロディアスで伸びやかなギターなど、空間的な広がりを感じるイマジネーション豊かなサウンドが印象的。
フランスらしい独特の色彩感覚を持ったアーティスティックなシンフォ傑作!
さらに深い宇宙へ!80年代から活躍するスペース・ロックの大御所に案内してもらいましょう。
現代を代表するスペース・サイケ・プログレバンド、92年ライブ盤!
きらめくシンセとソリッドなギターの疾走感あふれるセッションに幻想的なフルートも加わり、エネルギッシュかつ神秘性に満ちた独創的な世界を生み出しています。
気づいたら、太陽系から約4光年離れた別の恒星系、アルファ・ケンタウリでした。
ドイツ、ベルリンが生んだ電子音楽のパイオニア、タンジェリン・ドリーム。71年の2nd。
シンセサイザーを導入し、後の作品に繋がっていく音響的な側面を打ち出した、実質的なデビュー作とも言える作品です。
静謐で幻想的な響きは、まさに宇宙から響いてきた音を録音したかのようで、革新的かつロマン溢れる一作と言えるでしょう。
引き返すなら今のうち!?
ここからは、さらにディープな宇宙音楽を探求してまいります……。
数々のクラウト・ロック・レーベルの生みの親ロルフ=ウルリッヒ・カイザーによるプロデュースで、ASH RA TEMPELのマヌエル・ゲッチング、クラウス・シュルツェなど、豪華メンバーが集った実験的コズミック・ジャムセッション。
混沌とした音響と即興的なバンド演奏が延々と絡まりあうサウンドが非常にトランシーな、スペース・アシッド・ロック名盤。
ノルウェーの新鋭トラッド・プログレ・グループTUSMORKEのフルート奏者によるソロ・プロジェクト。
ハウス/テクノ的リズムの中に揺れる怪しげなフルート……スペーシーさと北欧の陰翳を持ち合わせた、異色の意欲作!
フランスの電子サイケ~プログレ、76年作。
暗鬱でドロドロと地を這うかのような怪しさに満ちた電子音は、言うなれば早過ぎたドローンやダーク・アンビエント。
オリジナリティ溢れる幻の名盤!
いつの間にやら、遠くへ来てしまいましたね……。
それでは、最後はこの曲でお別れです。
いかがでしたか?
さらなる「宇宙音楽」探求はこちらから!
サイケデリック・スペース・ロックの代表格として今もなおプログレッシブ・ロックからテクノシーンまで幅広いバンドに影響を与えているイギリスのグループ、代表作と名高い73年ライブ作。その内容はロンドンとリヴァプールでのライブを収録しており、スペース・ロックというジャンルの醍醐味であるライブの開放感に溢れた傑作です。トランシーに盛り上がり、宗教的な神秘性を発するサウンドは唯一無二の境地であり、うねりを上げるLemmy Killmisterのベース、Del Dettmarの宇宙的なシンセサイザーを中心にNik Turnerのサックスやフルートも圧倒的。凄まじいテンションと恍惚とした酩酊感に溢れた名盤です。
タイ・フォンのキーボード奏者が結成したフレンチ・シンフォニック・ロック・バンド、77年の唯一作。ジャケットのイメージ通りのほの暗いスペーシーなトーンで鳴るシンセ。繊細なタッチとサステインの効いた幻想的なトーンが魅力のメロディアスなリード・ギター。そんなシンセとギターを中心とするスペーシーかつ幻想的なパートを軸に、アコギの軽やかなバッキングとパーカッションをフィーチャーしたP.F.M.「セレブレーション」ばりに躍動するパート、クラシカルなアコギの爪弾きと格調高いピアノによる「春」を想わせるパート、マリンバをフィーチャーしたドリーミーなパートをはさむなど、イマジネーションがめくるめくアンサンブルが持ち味です。独特な音の色彩感覚はいかにもフランス。ゲスト・ヴォーカルとして、タイ・フォンのKhanh Mai、Tai Sinh、Jean-Jacques Goldmanが参加しているのも特筆で、壮麗な多声コーラスも聴きどころ。フランスらしい魅力に溢れたシンフォニック・ロック傑作です。
Edgar Froeseを中心に結成され、シンセサイザー、アナログシーケンサーなどの電子機器を巧みに使用したメディテーショナルなジャーマン・エレクトロの原点に位置するグループ。 本作は、Klaus Schulze、Conrad Schnitzler脱退後の71年にOhrレーベルからリリースされた彼らの2nd。シンセサイザー導入により、その後のバンドの革新性を決定づける事となる重要作。
David Allenを中心に結成され、個性的な浮遊感を持ったサイケデリックなスペース・ロックを確立したプログレッシブ・ロックシーンを代表するバンドGONG。その全盛期を支え続けた名ギタリストによる76年2nd。Todd Rundgrenのプロデュースで製作されバックにはDon CherryやUtopiaメンバーが参加した本作は、Donovanの名曲「The Hurdy Gurdy Man」で幕を開けGeorge Harrisonの「It’s All Too Much」で幕を閉じる非常にポップな印象のアルバムとなっています。しかしながら音楽的には独特のサイケデリックな音像を持ちオリエンタル・エスノ・フレーバーも感じさせながら彼らしいサウンドを提示。
ノルウェー出身の新鋭プログレ・グループ、17年作。シーケンサーによって刻まれる無機的ながらもどこかプリミティブなリズムを土台として、北欧然とした哀切に満ちたフルート、艶やかなトーンでアナログ・シンセ群、そして分厚く立ち込めるメロトロンが繰り広げる、近未来的なハウス/テクノ・サウンドに濃密なヴィンテージ感覚を纏わせた異色のスペース・ミュージックを展開。近年の北欧に多く見られるようになったエレクトロなリズム感覚と往年のシンフォニックなサウンドを組み合わせた作風を押し進め、北欧シンフォの霧がかかったようなミステリアスな音像はそのままに、リズム面ではハウス/テクノの領域にまで足を踏み入れた意欲作に仕上がっています。
OHRやPILZレーベルを立ち上げた他、ザッパやシスコのサイケ・バンドをドイツに呼んでフェスを開催するなど、「クラウト・ロック」の生みの親と言えるロルフ=ウルリッヒ・カイザーが仕掛けたプロジェクト。録音参加メンバーは、アシュ・ラ・テンペルのマヌエル・ゲッチングとクラウス・シュルツをはじめ、WALLENSTEINのメンバーなど豪華。ドラッグをきめてハイな状態で録音されたジャム・セッションで、独特のトランシーな酩酊サウンドが魅力。74年作2nd『GALACTIC SUPERMARKET』と3rd『PLANETEN SIT-IN』をカップリングした2in1CD。
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