2020年10月1日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
9月12日は「宇宙の日」。宇宙飛行士の毛利衛氏が初めてスペースシャトルで宇宙へ飛び立った日にちなんで制定されたそうです。
本日はそれにちなみ、「宇宙」を感じるロック作品をピックアップ!コズミック&スペーシーな音楽で、未知なる宇宙へ旅立ちましょう。
浮遊感のある音楽が続きますので、くれぐれも「宇宙酔い」にはご注意を。
まずはこの曲から出発。
機械的なパルスに通信機器のような話し声、リバーブがかったサウンドの浮遊感……。
目を瞑れば、そこはもう宇宙です。
次に我々を導くのは、スペース・ロックの代表格であり今なお活動を続ける伝説のバンド、HAWKWIND!
彼らの代表作であり傑作の73年ライブ盤。
後にモーターヘッドを結成するレミーのベースをはじめ、怒涛の勢いで突き進んでいくヘヴィかつハイテンションなコズミック・セッション。
ライブならではの開放感にも満ち溢れた、スペース・ロックの金字塔的作品!
HAWKWINDと共に70年代にスペース・ロックを確立させたのがこのバンドですね!
David Allenを中心に結成され、個性的な浮遊感を持ったサイケデリックなスペース・ジャズ・ロックを展開したGONGの74年作。
テクニカルに疾走するアンサンブルとトリッピーなSE満載で綴られる、一大叙事詩「Radio Gnome Invisible」の最終章!
次の案内人はGONGの全盛期を支えた、まさに「宇宙から来たギタリスト」、STEVE HILLAGE!
黄金期GONGに在籍したギタリストによる76年2ndで、トッド・ラングレンのプロデュース作。
ドノヴァンやビートルズのカヴァーを収録するなどポップな一面も持ち合わせつつ、スペーシーなシンセとサイケデリックな東洋要素をふんだんに盛り込んだ、彼の個性あふれる名盤!
そんなスティーヴ・ヒレッジと共にGONGを支えたキーボーディストのソロ作もピックップ。
ヒレッジと共に黄金期GONGにおけるスペイシーな世界観を形作っていた彼だけに、1曲目から宇宙的広がりを持つシンセサイザー・サウンドに圧倒されます。
エレクトロニックな中に独特のポップ・センスも垣間見れる76年1st作!
次はこちらのSFチックなバンドで、穏やかに宇宙を漂いましょう。
タイ・フォンのキーボード奏者が結成したフレンチ・シンフォニック・ロック・バンド、77年の唯一作。
明るく透明感のある曲調の中、スペーシーなシンセやメロディアスで伸びやかなギターなど、空間的な広がりを感じるイマジネーション豊かなサウンドが印象的。
フランスらしい独特の色彩感覚を持ったアーティスティックなシンフォ傑作!
遠くまで来たなあ・・・さそり座の「アンタレス」の近くで一休み。
メンバーの素性すら謎の多いマイナー・イタリアン・シンフォ79年作。
イタリア人により構成されているようですが録音はドイツで行われたようで、その影響かドイツのNOVALISに通ずるスペーシーなシンフォ・サウンドを聴かせています。
宇宙飛行士ジャケつながりで、このポーランド新鋭もピックアップ!
メロディアスな泣きのソロを奏でるギターと空間いっぱいに広がるシンセやオルガンが織り成す、ヴィンテージかつ壮大なアンサンブルが素晴らしいなあ。
00sのMARILLIONがお好きならこのポーランド新鋭20年作はイチオシです♪
さらに深い宇宙へ!HAWKWIND影響下のスペーシー・ハード・ロック・バンドをご紹介。
00年代のペルーでこんな強烈なコズミック・ジャムが鳴らされていたなんて…。
サイケデリックに熱量を放出しながらスリリングに突き進むギターがひたすらカッコいい未発表音源!
HAWKWINDやOZRIC TENTACLESを正当に受け継ぐドライヴィングな英国グループ、20年作2nd!
スペース・オペラの世界に入り込んだような28分に及ぶ最終曲も圧巻。
引き返すなら今のうち!?
ここからは、さらにディープな宇宙音楽を探求してまいります……。
スイスで結成された多国籍サイケ・プログレ・グループ、イタリアで録音された73年作3rd。
オルガン、フルート、シンセ、シタール、トリッピーなSE・・・1stのアヴァンギャルドさと2ndのアシッド感をブレンドさせた最高傑作と言える一枚。
数々のクラウト・ロック・レーベルの生みの親ロルフ=ウルリッヒ・カイザーによるプロデュースで、ASH RA TEMPELのマヌエル・ゲッチング、クラウス・シュルツェなど、豪華メンバーが集った実験的コズミック・ジャムセッション。
混沌とした音響と即興的なバンド演奏が延々と絡まりあうサウンドが非常にトランシーな、スペース・アシッド・ロック名盤。
ノルウェーの新鋭トラッド・プログレ・グループTUSMORKEのフルート奏者によるソロ・プロジェクト。
ハウス/テクノ的リズムの中に揺れる怪しげなフルート……スペーシーさと北欧の陰翳を持ち合わせた、異色の意欲作!
いつの間にやら、遠くへ来てしまいましたね……。
それでは、最後はこの曲でお別れです。
いかがでしたか?
さらなる「宇宙音楽」探求はこちらから!
David Allenを中心に結成され、個性的な浮遊感を持ったサイケデリックなスペース・ロックを確立。メンバーの出入りの多さからその人脈図は幾重にも枝分かれし、ファミリーバンドも多く存在し、プログレッシブ・ロックシーンに留まらず、エレクトロシーンなどにまでその影響を与えるグループの74年作。「Radio Gnome Invisible」と題されたシリーズの第3弾であり、3部作の完結編に位置づけられる本作は、サイケデリック・スペース・ロックバンドとしてのGONGの集大成的な一枚であり、バンドの代表作との評価も高い名盤。特に、執拗な反復の上でDidier Malherbeのサックスが響き、Steve Hillageのサイケデリックなギターが空間を支配する様は圧巻です。
紙ジャケット仕様、デジタル・リマスター、ボーナス・トラック1曲、ミニポスター・インサート封入仕様、定価2,800+税
盤質:傷あり
状態:並
帯有
カビあり
サイケデリック・スペース・ロックの代表格として今もなおプログレッシブ・ロックからテクノシーンまで幅広いバンドに影響を与えているイギリスのグループ、代表作と名高い73年ライブ作。その内容はロンドンとリヴァプールでのライブを収録しており、スペース・ロックというジャンルの醍醐味であるライブの開放感に溢れた傑作です。トランシーに盛り上がり、宗教的な神秘性を発するサウンドは唯一無二の境地であり、うねりを上げるLemmy Killmisterのベース、Del Dettmarの宇宙的なシンセサイザーを中心にNik Turnerのサックスやフルートも圧倒的。凄まじいテンションと恍惚とした酩酊感に溢れた名盤です。
タイ・フォンのキーボード奏者が結成したフレンチ・シンフォニック・ロック・バンド、77年の唯一作。ジャケットのイメージ通りのほの暗いスペーシーなトーンで鳴るシンセ。繊細なタッチとサステインの効いた幻想的なトーンが魅力のメロディアスなリード・ギター。そんなシンセとギターを中心とするスペーシーかつ幻想的なパートを軸に、アコギの軽やかなバッキングとパーカッションをフィーチャーしたP.F.M.「セレブレーション」ばりに躍動するパート、クラシカルなアコギの爪弾きと格調高いピアノによる「春」を想わせるパート、マリンバをフィーチャーしたドリーミーなパートをはさむなど、イマジネーションがめくるめくアンサンブルが持ち味です。独特な音の色彩感覚はいかにもフランス。ゲスト・ヴォーカルとして、タイ・フォンのKhanh Mai、Tai Sinh、Jean-Jacques Goldmanが参加しているのも特筆で、壮麗な多声コーラスも聴きどころ。フランスらしい魅力に溢れたシンフォニック・ロック傑作です。
ドイツ/イタリア/スイス人で構成、ドイツを拠点に活動したサイケデリック・ロック・グループが73年に発表した3rd。本作から本格参加した女性ヴォーカル兼シタール奏者Carole Murielの存在感が発揮された作品で、彼女の奏でるシタール、タブラ、そして電子音とヴォイスSEが絡み合うコラージュ的な音像が特徴。トライバルな響きを創出するパーカッションやトリップ系のSEのバリエーションも前作以上、M6やM7で顕著な音響的なサイケ効果もグッと拡張してます。勿論、グループの核である浮遊系のフルートは健在です。USから派生したエクスペリメンタル/電子サイケの一例としても聴いておきたい作品ではないでしょうか。
紙ジャケット仕様、2枚組、SHM-CD(DISC1のみ)、2020年デジタル・リマスター、ボーナス・トラック12曲、定価4000+税
【購入特典:カケレコオリジナル小冊子をプレゼント!】
RADIO GNOME3部作を含む全盛期GONGで活躍したシンセサイザー奏者による76年1stソロ作。スティーヴ・ヒレッジと共にGONGの傑作群におけるスペイシーな世界観を形作っていた彼だけあって、1曲目から宇宙的広がりを持つコズミックなシンセサイザー・サウンドが迫ってきてそのスケールに圧倒されます。ミニマルなシンセのフレーズを幾重にも重ね楽曲を作り上げていくスタイルながら、シンセサイザー・ミュージック特有の無機的な印象はなく、曲ごとにドラマチックな起伏があったり豊かなポップ・フィーリングを感じさせたりと表情は非常に多彩。スペイシーなサウンドの中で随所にオリエンタルなフレージングを散りばめるセンスも極めて個性的です。さすがテクノの源流とも見なされるあの『YOU』を生んだメンバーの一人、現代の耳で聴いても少しも古びることないエレクトロ名盤に仕上がっています。
OHRやPILZレーベルを立ち上げた他、ザッパやシスコのサイケ・バンドをドイツに呼んでフェスを開催するなど、「クラウト・ロック」の生みの親と言えるロルフ=ウルリッヒ・カイザーが仕掛けたプロジェクト。録音参加メンバーは、アシュ・ラ・テンペルのマヌエル・ゲッチングとクラウス・シュルツをはじめ、WALLENSTEINのメンバーなど豪華。ドラッグをきめてハイな状態で録音されたジャム・セッションで、独特のトランシーな酩酊サウンドが魅力。74年作2nd『GALACTIC SUPERMARKET』と3rd『PLANETEN SIT-IN』をカップリングした2in1CD。
91年にデビューし断続的ながら活動を続けるペルー出身サイケ・プログレ・バンド、2002年〜2010年に録音された未発表曲やライヴ音源をコンパイルした19年作。残響感に溢れたコズミックなギターを主役に進行するジャム・バンド・スタイルの演奏が特徴で、サイケの熱量を放出しながらスリリングに突き進むギタープレイがひたすらカッコいいです。ジャズの素養を感じさせつつもゴリゴリとパワフルなプレイでギターに真っ向応じるリズム隊も非常にエネルギッシュ。1曲でペルーの大御所バンドFRAGILのkey奏者Octavio Castilloが参加しており、スケール大きなシンセのプレイでシンフォニックな壮大さを生み出していてさすが素晴らしいです。年代をまたぐ未発表音源集ながら、寄せ集め感はなく、このバンドが一貫して持つ70年代的サイケデリアがアルバム通してみなぎっています。往年のヘヴィ・サイケやジャム・バンドが好きならきっと「おおっ!」となる一枚です。
ギタリストRoman Odojが率いる、ポーランドの新鋭バンドによる2020年デビュー作。近年のMARILLIONに通じるエレクトロニクスも交えたダークな哀愁が包み込むメロディアス・ロックを展開します。ビシビシとタイトに叩くドラム、縦横無尽な音運びがカッコいいベース、疾走感あるシンセとジャジーに刻むエレピが特徴のキーボード、そして演奏をリードするテクニカルで音数多いギターらによる息の合った緻密なアンサンブルが印象的。特に主役のRoman Odojによるギターは、ホールズワースをリスペクトした超絶ソロからS.ロザリーばりのエモーショナルな泣きまでを自在に弾きこなす圧巻のプレイに驚かされます。エレクトロな音作りから浮かび上がる70年代風の哀愁を秘めたメロディもグッドです。デビュー作ながら、すべてのピースがカッチリと嵌っているかのように完成されたメロディアス・ロックが心地よい快作!
コメントをシェアしよう!
カケレコのWebマガジン
60/70年代ロックのニュース/探求情報発信中!