2021年9月3日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
スタッフ佐藤です。
プログレッシヴ・ロックを確立した名盤と言えば、泣く子も黙るキング・クリムゾン『クリムゾン・キングの宮殿』ですよね。
インプロヴィゼーションを各所に盛り込んだ高度な演奏、グレッグ・レイクの時に激しく時に甘く時には物悲しい自在なヴォーカル、そしてひたすら荘厳に響き渡るメロトロン、それらが渾然一体となり聴き手に押し寄せてくる正しく圧巻の一枚です。
今回は、衝撃の一曲目「21st Century Schizoid Man」から出発して、「21st~」に通じる【凄まじさ】を秘めた楽曲が聞ける作品を取り上げたいと思います。
まずは本家の「荒れ狂う理性」を体現したサウンドをどうぞ♪
これぞ伝説の始まり、ロック・シーンの流れを変えた歴史的デビュー作!
70年代の到来を目前に控えたこの時期であるとしても、この曲で表現される暴力性、重量感、そして一音一音に込められた圧力は異次元のものがあります。ギターとサックスがユニゾンで繰り出すヘヴィなリフレインとエフェクターで歪ませたレイクの荒々しいヴォーカルが衝撃的なテーマ部、ズシリとした重みと流れるような音運びを両立したスピーディーかつ正確無比なインストゥルメンタル・パート。そして理性と狂気が拮抗するような緊張感みなぎるギターソロ。
バンドの底知れぬ実力をまざまざと見せつけられる驚愕必至のオープニング・ナンバーですね。
先日紙ジャケでリイシューされたこのアルバム、冒頭に凄まじい曲が入っていますよね…!
カルト映画の一場面のような謎ジャケがいかにもアングラ臭ぷんぷん、『宮殿』リリースの翌年にあたる70年発表の英ヘヴィ・サイケ作。
『宮殿』好きなら、1曲目「Tread Softly On My Dreams」に唸らされること必至です。
鋭角的なヘヴィギター、重厚なメロトロン、分厚いコーラス、泣きのメロディー、変拍子を多用したアレンジと、「21世紀の精神異常者、アンダーグラウンド版だぁ!」と思わず叫んでしまう名曲!
お次はNY出身のカントリー/サイケ・フォーク・バンド!?
『宮殿』と同じ69年作なのですが、それでもこれは「時代を先取りしすぎた」という言葉が相応しい逸品。
アコギ、バンジョー等の楽器をフィーチャーしたリラックス感溢れるカントリー・フォークを軸に、艶っぽくセクシーな女性ヴォーカルが合わさっていい感じだなあ、なんて思っていると、突如ブイブイとサックスがむせび、ギターががむしゃらなノイズを奏でる「21世紀の精神異常者」ばりのパートに突入…。
決して奇抜なだけではなく、軸となる”ルーツ・ミュージック meets サイケ・ジャズ・ロック”的アプローチは物凄くしっかりとしているのですが、そこへ突如フリーキーなサックスだったり南米の儀式のようなエキゾチックな笛とパーカッションだったりと全く予測不能な音楽的要素が飛び込んでくるのがあまりにもプログレッシヴ。
こんな凄まじいカントリー・フォーク、他にありません。
続いては北欧からとっておきの一枚をピックアップ☆
クリームやレッド・ツェッペリンのヘルシンキ公演に刺激を受け、ヘヴィなブルース・ロックを目指したフィンランドを代表するバンドがCHARLIES。
なのですが、これ、「21世紀の精神異常者」をギター・トリオ編成でやったような感じで、もう悶絶っ!
クリームやツェッペリン彷彿のヘヴィ&ブルージーなサウンドの隙間から、『宮殿』クリムゾンばりの狂暴性が顔をのぞかせてるようです…。
3曲目が一番「21st ~」的なんですが、この曲でも充分ヤバさは伝わるはず!
最後は日本からこのバンドが登場~!
全裸でバイクにまたがり疾走するカッコ良すぎるジャケットでお馴染み!フラワー・トラヴェリン・バンドの70年デビュー作。
通じる、というか直球でカバーなのですが、これがサイケデリックな解釈を施したドえらくカッコいいカバーなのでぜひお聴きください!
いかがだったでしょうか。
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