2021年1月22日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
スタッフ佐藤です。
執拗な反復で聴き手を追い詰めるような演奏、そして架空言語による異教の呪文のようなヴォーカル&チャント。
暗黒エネルギーと熱量がほとばしる孤高のプログレを創出した名グループと言えば、フランスのマグマですよね。
でも、強烈な暗黒エネルギーを放つプログレはマグマばかりではありません。
今回は、リスナーの背筋をゾクゾクとさせてくれるような暗黒エナジーみなぎるプログレをご紹介していきます!
地鳴りベーシスト=ヤニック・トップ初参加!
重厚かつエキセントリックなバンド・アンサンブルとオペラ風の男女混声コーラスが爆発的なエネルギーを放つ、唯一無二のマグマ・サウンドが確立された世紀の傑作!!
暗黒チェンバーならベルギーのこのグループ。戦慄の2ndをピックアップ!
一曲目の大作「LA FAULX」は、ずばり「音で聴くゴシック・ホラー」。
不安を煽るハーモニウムの音色をバックに、管弦楽器による不協和音を巧みに組み合わせ、じわじわと恐怖心を煽り立てていく演奏が見事です。
暗黒チェンバー原点の一枚にして極北の一枚。
イタリアならこのグループで決まりでしょう。
GOBLINにも匹敵するオカルティックなイタリアン・シンフォと言えばこのバンドですね。
背筋凍るようなゴシック・ホラーな雰囲気が恐ろしくも美しくて、抜け出せなくなりそう……。
新鋭にもありますよ~。暗黒エナジーたっぷりのプログレ!
MAGMAの暗黒感とロバート・ワイアットの幽玄さに、洒脱でどこか退廃的なビッグバンド・ジャズの要素を加えたようなアンサンブルが格好良すぎ…。
2人の女性Vo.によるスキャットが妖艶に絡み合う、一筋縄ではいかない仏ジャズ・ロック新鋭!
美と狂気と暗黒が共存するこの一枚も挙げておきたい!
全盛期ユニヴェル・ゼロに接近した格調高くも不穏さに満ちた暗黒チェンバー・ロックは美しくも底なしに陰鬱。
ベラルーシ出身チェンバー・ロック・バンドによる待望の17年作2nd!
いかがだったでしょうか。
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Christian Vnderを中心に「コバイア」という架空の文化を生み出し、凶暴にして荘厳、エキセントリックなアクの強い作風で70年代を駆け抜けたグループ=MAGMAのフォロワー、いわゆるZEUHL(ズール)系と呼称されるグループをピックアップ!
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目前に迫ったMAGMA来日を記念して、メンバー参加作品やMAGMA影響下のサウンドを鳴らすグループたちをご紹介します!
Anthony Bartoccettiを中心に結成されたイタリアの個性派プログレッシブ・ロックバンドの75年作。イタリアの暗黒面を象徴するようなバンドの1つであり、パイプ・オルガンやハープシコードの荘厳なクラシカル性と、遠くから物憂げに鳴り響くフルートやヴァイオリンが描き出す非常に宗教的な世界観が個性的な名盤です。ゴシック調のアンサンブルは非常にイタリアらしい鈍い光を放ち、女性ソプラノ・ボーカリストFiamma Dello Spiritoによる優美ながらも浮世離れしたイメージのあるスキャットが流れ、悪魔崇拝的な賛美歌を放ちます。リズム隊を伴わないためか、同郷CERVELLOなどと同様に地に足の着かない雰囲気があり、そのことがより不安感を煽ります。
デジパック仕様、35周年記念エディション、エンハンスドCD仕様(ボーナス・ビデオクリップ1曲収録)
盤質:無傷/小傷
状態:
73年作の3rd。本作よりヤニック・トップが加入。重厚かつエキセントリックなバンド・アンサンブルとオペラ風の男女混声コーラスが爆発的なエネルギーを放つ、あのマグマ・サウンドが確立。傑作。
これはまた注目のアーティストが現れました!二人の女性ヴォーカリストを擁するフランスの6人組ジャズ・ロック・グループ、20年デビュー作。本人たち曰くロバート・ワイアットやPULPなどのブリティッシュ・ロック/ポップに影響を受けたとのことですが、流石はフランス産なだけあってZEUHL系に通ずる「暗黒感」をビシバシと感じます。さらにギターレスである代わりに、作曲を担当するトロンボーン奏者がサウンドの前面に立っているのも特徴的。1920〜30年代のキャバレー音楽を思わせる退廃的なトロンボーンと妖艶な女性スキャットのユニゾンに始まり、タイトなリズム隊も交えて静謐かつスリリングなジャズ・ロックを繰り広げたかと思えば、後半ではMAGMAやKING CRIMSONばりのレッドゾーン振り切るような強靭&凶悪アンサンブルを繰り広げる1曲目からもう溜息が出るほどカッコイイです。カンタベリー・ロックやMAGMAのファンはもちろん、耽美でゴシックな女性ヴォーカルものが好きな方にもオススメ。
東欧はベラルーシのチェンバー・ロック・バンドRATIONAL DIETのメインコンポーザーだったキーボード奏者とバスーン奏者を中心に、管弦楽器奏者など総勢11名で結成されたグループ。17年作2nd。冒頭より、闇の中で鳴らされるようなピアノとヴァイオリン、チェロ、ダブル・ベースが織りなす、美しくも底なしに陰鬱なチェンバー・アンサンブルに思わず震えが来ます。チェンバー・ミュージック然としたアカデミックな気品を纏ったサウンドが印象的だった前作に比べ、本作はユニヴェル・ゼロを意識したような暗黒感が立ち込めているのが最大の特徴で、バンド本来の格調高さと、何かが忍び寄ってくるような不気味さが同時に迫りくる音像がとにかく衝撃的です。アンサンブルの中核を成すのはピアノとヴァイオリンなど弦楽ですが、本作を印象づける独特の不気味さを演出しているのがバスーン。単独だととぼけた味のある音色にも聴こえますが、緊張感ある演奏の中に放り込まれると途端に不安を掻き立てる強烈なアクセントとして機能します。パーカッションによるリズムが入るM4では、ほとんどユニヴェル・ゼロの3rdや4thに入っていてもいい完成度のチェンバー・ロックを聴かせていて必聴。ユニヴェル・ゼロを始めとする暗黒チェンバーのファンなら歓喜すること間違い無しの現代チェンバー・ロックの傑作!
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