2020年10月23日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
連日GONG特集続きですが…本日10/23はGONGで活躍したヴィブラフォン奏者、ピエール・モエルランの誕生日。
残念ながら05年に53歳にして亡くなってしまいましたが、デヴィッド・アレン無き後のGONGを牽引し、『GAZEUSE!』『EXPRESSO II』といった数々の名盤を生み出しました。
こちらの『DOWNWIND』は79年に「PIERRE MOERLEN’S GONG」という彼の名を冠した名義でリリースされた最初の作品。トレードマークと言える涼やかで技巧的なヴィブラフォンを中心に、デヴィッド・アレン脱退以降彼が推し進めてきた打楽器主導のジャズ・ロック・サウンドをより明快に打ち出した名作となっています。ディディエ・ロックウッドにマイク・オールドフィールドなどゲスト陣も豪華。
本日はこの『DOWNWIND』を起点に、どこか幻想的な響きを生むヴィブラフォンをフィーチャーした作品をカケレコ棚からご紹介。
GREENSLADEでお馴染みのデイヴ・ローソンを含む、英ブラス・ロックWEBの後身グループ。叙情的にむせぶサックスやヴィブラフォンが織りなす、渋くも幻想的な英国ジャズ・ロック・サウンドがたまりません!
英ヴィブラフォン奏者Frank Ricottiと、72~74年にELOのベースを務めるMichael D Albuquerqueによるデュオ71年作。1st時COLOSSEUM風のソウル・ジャズをもっと洗練させたような、クール&叙情的なジャズ・ロック・サウンドが素敵!
次はアメリカに行ってみましょう!
米ヴィブラフォン奏者Lynn Blessingによる69年ソロ作。陽だまりのようなカントリー・ロックにジャジーで流麗なヴィブラフォンの音色が響き渡るサウンドはまさに「オブスキュア」って言いたくなっちゃうような感じですが、不思議な聴き心地の良さがあります。FLYING BURRITO BROTHERSのギタリストSneaky Pete Kleinow、MARK-ALMONDに参加するベーシストのWolfgang Melzなどが参加。
USガレージ・サイケ最高峰『PSYCHEDELIC LOLLIPOP』で知られるグループですが、後にはこんなアルバムも出していたんですね。ソウル、ゴスペルなどコクのある黒人ルーツ・ミュージックとジャジーで涼しげなヴィブラフォンの音色が交差したサウンドが良いなあ。これは隠れた名盤。
次はGONGと同じくフランスの作品。
ヴィブラフォンやエレピが静謐に鳴るジャジーなアート・ロックに、ジミヘンが乱入!?マイナーな人だけど才能は素晴らしいなぁ。フランスのギタリスト/SSW、MAGMAで知られるローラン・チボーも参加の71年作。
最後は新鋭からピックアップ!
00年代屈指のチェンバー・ロック・バンドYUGENのヴィブラフォン奏者率いるバンド、15年作。アート・ベアーズやヘンリー・カウやザッパとともに、ハットフィールド&ザ・ノースやソフト・マシーン、さらにヒップホップまでぶち込んじゃった知性派アヴァン・ロックが強烈!
最後は英国バンドによる19年作。初期YES風のファンタジーを紡いだかと思うと、次の瞬間にはOZRIC TENTACLESばりの酩酊感でサイケデリックに疾走を始める、色彩豊かで目まぐるしいサウンドに翻弄されます。でも英国らしい牧歌性や気品は終始溢れんばかりで、これはGOODですよ~!
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グリーンスレイドでお馴染みのKey/Voのデイヴ・ローソンが加入して70年に3rd『I SPIDER』を発表したバンドWEBがそのまま発展したバンドがSAMURAI。彼らの71年唯一作が本作です。管楽器奏者を含む7人編成で、淡いトーンのオルガン、角の取れたマイルドなファズギター、叙情的にむせぶサックスやたゆたうビブラフォンが織りなす幻想美溢れるサイケデリック&ジャジーなブリティッシュ・ロックが印象的です。引き締まったドラムやゴリゴリとアグレッシヴなベースなどタイトなリズム、そしてデイヴ・ローソンによる英国的な優美な歌声も特筆。KHANあたりと並ぶR&Bからサイケを通過したジャズ・ロックへとたどり着いた英国ロックの逸品です。
紙ジャケット仕様、06年24ビット・リマスター、定価2730
盤質:無傷/小傷
状態:
帯有
帯・解説に黄ばみあり
アメリカのヴィヴラフォン奏者、69年のソロ唯一作。バックにFLYING BURRITO BROTHERSのギタリストSneaky Pete Kleinow、名盤MARK-ALMOND『TO THE HEART』に参加するベーシストのWolfgang Melzなどが参加。カントリー、フォーク・ロック、サイケなどの要素が混ざり合ったアーシーで柔らかなアンサンブルを土台に、ジャジーで涼やかなヴィヴラフォンがの音色が響き渡る、「インストゥルメンタル・カントリー・ジャズ・ロック」と言うべきサウンドが独特ながらも非常に心地よい一枚。ソフト・ロック好きにもオススメです。
2015年にデビュー、これまでに3作品をデジタル・リリースしている英国のプログレ・グループによる4thアルバム。サイケデリックなトーンでテクニカルに畳みかけるギターを特徴とするインスト・プログレを展開。ヴァイオリンも交えたふくよかでファンタジックなサウンドは初期YESを思わせますが、チェンバー風の緊張感あるパート、古楽をイメージさせるGENTLE GIANT風のパート、そしてOZRIC TENTACLESばりの疾走感でひた走るサイケデリックなパートなどが次々と現れる目まぐるしいアンサンブルに飲み込まれます。それほどの振れ幅を持ちつつ、終始英国らしい「気品」を失わない演奏がまた素晴らしい。GGファンにOZRICファン、そしてアメリカのDELUGE GRANDERなどがお好きな方にもきっと響くサウンドです!
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