2020年5月21日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ,日々是ロック
こんにちは。
スタッフ佐藤です。
新品CDをメインに直近で入荷した注目のタイトル、売れ筋の人気タイトルの中からスタッフおすすめの作品をピックアップするコーナー「日々是ロック」。
カケレコが厳選して入荷している世界のロック/プログレの新品CDを通して、魅惑の音楽探求をお楽しみください☆
昨日はアルゼンチン、ブラジル、ウルグアイなどの南米産アルバムを複数のお客様にご購入いただいておりました。
爽やかさとセンシティヴ&メロウな質感が入り混じった南米のサウンドは、夏へと向かう今の季節とちょうどフィットする気がします。
売れ筋を中心にピックアップしてまいりましょう~☆
まずは、アルゼンチンが誇る大ベテラン・バンドの作品からスタート!
70年代はじめから2000年以降に至るまで活動を続けるアルゼンチンの大御所バンド。映画『ブロークバック・マウンテン』『バベル』の音楽でオスカーに輝くGustavo Santaolallaが在籍していることで知られます。サイケ・ハードの熱量、南米的たおやかなリリシズム、民族楽器によるエキゾチズムが渦巻くサウンドはいかにもアルゼンチン・プログレの魅力いっぱい!
続いては、最近発掘されたアルゼンチンからのとっておき盤をご紹介♪
軍事政権下の弾圧により作品を残さぬまま解散したアルゼンチンのグループ。そんな彼らの80年ライヴ音源なのですが、作品を発表していればPABLO EL ENTERRADORやMIAとも並び称されたであろう素晴らしいサウンドでもうビックリ!
70年代アルゼンチン・ロックのセンシティヴさが堪らない!という方には、新世代からこの作品をオススメ!
もし70年代の若きスピネッタが現代に蘇ったとしたら…。そんな想像を形にしてくれたような好盤に仕上がっていて、アルゼンチン・ロック・ファンとして涙を禁じえません。17分の大作も南米らしい柔らかな叙情性を失うことなく構築的に聴かせていてセンス抜群!
続いてはウルグアイからピックアップ。
南米ならではのセンシティヴさメロウさという点ではウルグアイ最高峰SSWによるこのアルバムが至上!
ウルグアイ髄一のSSW。南米独特の憂いと郷愁を帯びた唄声、飾らないギター・ストロークと瑞々しく弾かれるアルペジオ、優しく響く朴訥としたパーカッション。心やすらぐ音空間を創り出す音響処理が、また素晴らしいです。
こっちも甘く美麗な旋律が素晴らしいウルグアイ・ロックの逸品!
ウルグアイが誇るシンフォ傑作といえばコレですね!イタリアン・シンフォを思わせる甘美なメロディ、広がり豊かなキーボード、たおやかさ溢れる清純なフルートの調べにもう・・・涙。
南米の秘境ボリビアものぞいてみましょう♪
格調高い管弦楽器と儀式めいたアグレッシヴなオルガン、エッジの効いたギターが絡み合う、ヘヴィかつミステリアスなシンフォニック・ロックが圧巻。これほどの作品が、73年のボリビアで生まれたとはっ!
WARAを輩出した南米の秘境ボリビアに、こんな凄まじい作品が眠っていたとは…!プログレとハード・ロックとヘヴィ・サイケをごった煮したような、スリリングで凶暴極まりないサウンドに度肝を抜かれます…。合間に見せるセンシティヴで情感あるタッチも魅力。それにしてもこのドラム、粗野なフリオ・キリコって感じで圧巻!
南米と言ったらブラジルは外せませんよね。新旧プログレ・シーンにも魅力的なアーティストがひしめいています。
「80年代のエグベルト・ジスモンチ」とも評され、その才能が高い評価を受けながら、急病により早逝したブラジルのSSW/マルチ奏者。管弦楽器をリリカルで繊細に折り重ねたシンフォニック・ロックが絶え間なく胸を打ちます。
初期PFMへのリスペクトに溢れた、雄大でスケール大きいキーボード・シンフォが感動的だなぁ…。なるほど、あの70sブラジルのプログレ・バンドMODULO 1000のkey奏者によるグループなのか。
KANSAS並にスケール大きく展開したと思ったら、感傷を秘めたギターと繊細なピアノが紡ぐ南米らしいメロウなサウンドも聴かせて、とにかくドラマチック!
いかがでしたか?
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ボリビア出身、73年の激レア盤。ギターとオルガンによるダーク&ヘヴィなアンサンブルに、格調高いクラシカルなストリングスが絡むヘヴィ・シンフォ・プログレ。線の細い退廃的なムードのヴォーカルがなんとも美しすぎます。手数多くアグレッシヴなドラムも印象的。全体的に謎めいた雰囲気が、なんともボリビア!秘境的名作!
ウルグアイのキーボード奏者Armando Tirelliによる78年唯一作。広がり豊かなキーボードをバックに、ピアノ、シンセ、フルートが優美なメロディを奏でる南米シンフォ。ファンタスティックなパートとダークで荘厳なパートとを行き交う展開や、甘美なパートでも安定感のあるシャープなドラムが全体をピシッと引き締めるところなど、イタリアン・シンフォを彷彿とさせます。南米らしい詩情豊かでたおやかなメロディも絶品。荘厳なナレーションなど、辺境臭さもたまらないアクセント。南米シンフォ屈指の傑作。
ブラジルの新鋭シンフォ・バンドBLUE MAMMOTHの11年作。全編を貫く力強いシンセサイザーの音色とハードエッジなギターをフィーチャーして展開される壮大なるシンフォニック・ロック。KANSASなどを思わせるファンタジックで勇壮なアンサンブルが何とも素晴らしく、骨太なシンフォ作品としては近年のブラジルでは間違いなく最高レベル。TEMPUS FUGITともタメを張れそうな内容です。ハードな中にも感傷を秘めたギターと繊細なピアノとによってひたすらドラマティックにアンサンブルが進行していく場面には思わず目頭が熱くなってしまいます。猛者揃いの南米シンフォ・シーンにまた新たな傑作が誕生しました。
70年代はじめから2000年以降に至るまで活動を続けるアルゼンチンの大御所バンド、75年作。荘厳なハモンド・オルガン、エッジの立ったエモーショナルなトーンで歌いまくるギターによるサイケデリック&プログレッシヴなパート、たおやかなアコギやリコーダーなどが放つフォルクローレ・タッチの哀愁溢れるパート、サックスとムーグが疾走するエキゾチックなジャズ・ロック・パートなどがめくるめく展開が聴き所。サイケ・ハードな熱量、南米的なリリシズム、民族楽器が放つエキゾチズムが同居した音楽性はいかにも南米プログレ。力作です。
71年の名作で知られるブラジルのサイケ・プログレ・バンドMODULO 1000のkey奏者Ronaldo Rodriguesが新たに結成したシンフォ・バンド、17年デビュー作。とにかく冒頭2曲が素晴らしさと来たら!PFMのFlavio Premoliのプレイを思わせる色彩感溢れるムーグとオルガンが渦を巻くように駆け巡るテクニカルなインスト・パートから、メロトロン(をシミュレートしたシンセ)も加わって雄大に広がっていく「RIVER OF LIFE」彷彿の叙情パートへと劇的に移り変わっていくサウンドがあまりに感動的。切々と歌われるポルトガル語ヴォーカルも胸に迫ります。続く2曲目は、PFMのイタリアデビュー作『STORIA DI UN MINUTO』の世界観を思わせる、エレピがきらめきギターが流麗に音を運ぶジャジーな変拍子アンサンブルに耳を奪われる一曲。この2曲でシンフォ・ファンならハートを鷲掴みされてしまうはず。清涼感と切なさが入り交じる珠玉のメロディが溢れ出す5曲目も必聴で、あのO TERCOらと同郷バンドであることを実感させるメロディセンスを発揮しています。初期PFMをはじめとする70sシンフォ・ファンなら必ずやグッと来るサウンドでしょう。オススメ!
南米からの輸入盤という関係上、ジャケットに若干の不良がある場合がございます。ご了承ください。
アルゼンチン出身の新鋭プログレ・バンドによる17年作2nd。キーボードも操るギタリストとリズム隊のトリオ・バンドで、南米らしい清涼感を纏ったメロディアス・プログレを聴かせます。故スピネッタ譲りの柔らかくセンシティヴなハイトーン・ヴォーカルに驚きますが、サウンドもかなりスピネッタに影響を受けており、Pescado Rabioso〜Invisible期のブルース・ロック〜ジャズ・ロックに傾倒していた70年代前半のスピネッタがまさに鳴らしそうな音を聴かせていて、70年代アルゼンチン・ロック・ファンならこれは悶絶のサウンドでしょう。17分に及ぶラストの大作もアルゼンチンらしい柔らかな叙情性を失うことなく構築的に聴かせていてセンス抜群。もし70年代の若きスピネッタが現代に蘇ったとしたら、そんな想像を形にしてくれたような好盤に仕上がっています。ずばり南米ファン必聴。
Lito VitaleやFito Paezらとの共演で知られるヴォーカリストJuan Carlos Bagliettoが在籍し、MIAやREDDなどとステージを共にするなど活躍しながらも、軍の圧力でアルバムを残さぬまま解散に追い込まれた6人組グループ。80年に残された貴重なライヴ音源を収録。PABLO EL ENTERRADORやMIAらに通じるリリカルで優美なシンフォニック・ロックは驚くべき完成度!手数多く緩急自在に刻むリズム隊、壮麗に湧き上がるシンセとオルガン 軽やかに躍動するフルート、歌心あるフレーズを次々と奏でるギター。そして優しくも切ないスペイン語ヴォーカルらが、エレガントかつ叙情的に紡いでいくサウンドは、当時アルバムを出せていたら上記バンドと並び称されていたであろうと確信する出来栄えです。2曲目や6曲目あたりのファンタジックでスケール大きなインストパートはPABLO〜ファンなら泣いちゃうかも。南米プログレ・ファンには是非とも聴いていただきたい素晴らしき発掘音源です!
EL KINTOでの活動でも知られる、ウルグアイを代表するSSW。本作は、唄、アコギ、パーカッションというシンプルな素材をエンジニアが再構築して完成したという、彼のファースト・ソロ。72年発表。南米独特の憂いと郷愁を帯びたMateoの唄声、飾らないギター・ストロークと瑞々しく弾かれるアルペジオ、優しく響く朴訥としたパーカッション。MATEO Y TRASANTE名義の作品同様、心やすらぐ音空間を創り出す音響処理が、また素晴らしい塩梅。ウルグアイ・ボッサの系譜としても聴きつがれてほしい永遠の名作。
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