2020年3月26日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
タグ: ジャズ・ロック
こんにちは。スタッフ増田です。
ここ最近、世界各国の再発レーベルよりニッチなユーロ・ジャズ・ロック作品が続々とリリースされております。
まだまだ知られていないものもあるかと思いますので、今回は直近で入荷したジャズ・ロック・リイシュー盤を一挙ご紹介!
まずはジャズ・ロックの隠れた宝庫フランスから。GONG~マイルス・デイヴィス・グループ参加ドラマーMino Cineluのジャズ・ロック・グループ、78年作2nd!
在籍1stでは7人でしたが、この2ndでは10人編成となりブラス・セクションを強化。ファンキーなノリの良さと地中海的な芳醇さを併せ持つ絶品サウンドを披露しています。
これ、ジャズファンク+カンタベリーと言えちゃうかな?
ヴァンデ総帥からMAGMAの2ndドラムに抜擢されるメンバーやB.パガノッティがいたCRUCIFERIUSの元メンバーなど実力者が集った仏ジャズ・ロック・バンド。強靭かつ気品高い73年デビュー作!
R.フリップとJ.マクラフリンを合わせたような攻撃的なギターと、ふくよかなダブルベースの響きが対比する、フランス発個性派インプロ・ジャズ・ロックな79年作!
硬質さと芳醇さの絶妙な均衡が見事!
70年代に出ていれば名を残していたであろう完成度にビックリ!
夢想的なキーボードワークとジャジーで緊張感あるギターが対比する、ジャズ・ロック・ファンにもシンフォ・ファンにもオススメのフレンチ・マイナー・プログレ82年作。
こちらは再プレス盤が入荷!ヘンリー・カウやマグマやユニヴェル・ゼロに比肩する強度を誇る、驚異の81年自主制作盤。
テンションみなぎるジャズ・ロックを軸に、フルートやマリンバが駆け巡るチェンバー・ロックなパートを配してとめどなく聴き手に襲いかかる傑作!
次はドイツから。といってもジャーマン的なキワモノ感はなくて、カンタベリーやイタリアに通ずる技巧的でたおやかなサウンドが絶品。
フルートやエレピをフィーチャーした優美なアンサンブルを聴かせる74年唯一作!
次はオランダのジャズ・ロック・バンドが残した74年の唯一作。
知名度は低いですが、これぞ「職人的アンサンブル」と呼ぶべき鮮やかな技巧の応酬が最高に心地よい好盤。ジャズ・ロック好きなら一聴の価値ありですよ~。
北欧を代表する名ギタリストJukka Tolonen在籍のバンド、72年作3rd。
淡く幻想的なジャケットに惹かれますが、サウンドはスリリングかつテンションみなぎる最高のジャズ・ロック!Jukka Tolonenによるセンス抜群のギターワークは必聴です。
ジャケ通りの幻想的な質感に包まれながらも、各楽器が白熱のソロを繰り広げスリリングに疾走するジャズ・ロック・サウンドが絶品だなあ。
79年フィンランド産、北欧フュージョン/ジャズ・ロックの知られざる逸品!
こちらはノルウェーのグループ。YESスタイルの1st&2ndが有名ですが、この75年3rdではプロデュースにあのテリエ・リピダルを迎え、洗練されたジャズ・ロック/フュージョンを聴かせています。
手数多く刻むドラムと歌うようにメロディアスなギター、透明感いっぱいに広がるキーボードらが軽やかに疾走するアンサンブルに、声量ある女性スキャット。このスタイルはちょっと他では聴けませんね。
最後はデンマーク。トラッド色醸し出しつつ吹きすさぶサックス、アヴァンギャルドに切り込むギター、そしてザッパばりの諧謔精神!
こんな凄いバンドがデンマークに眠っていたとは…。視聴是非!
洗練されたジャズ/フュージョンにダウナーなサイケ感、そして北欧らしい幻想性を混ぜ合わせたようなサウンドが個性的。
カンタベリー界隈にもちょっぴり通ずる、淡く幽玄なデンマーク産プログレ秘宝!
デンマークを代表するジャズ・ロック・バンドSECRET OYSTERのリイシューも一挙入荷しました!終始ハイテンションだった前作に比べ、陰影ある「静」の表現も織り交ぜて聴かせるのがこの2nd。英国ジャズ・ロック・ファンもこれは是非!
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北欧を代表するギタリスト、JUKKA TOLONENを中心にフィンランドで結成されたグループ。72年作の3rdアルバム。初期はTRAFFICタイプのサウンドでしたが、徐々にジャズの度合いを増し、本作で聴けるのは、ギター、サックス、フルートが次々にスリリングなフレーズで畳み掛けるテンション溢れるジャズ・ロック。テクニック、アレンジ能力ともかなりハイ・レベル。ジャズ・ロックの知られざる傑作でしょう。
【カケレコ国内盤(直輸入盤帯・解説付仕様)】19年デジタル・リマスター、ボーナス・トラック2曲、定価2990+税
19年デジタル・リマスター、ボーナストラック2曲
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オランダ出身のジャズ・ロック・バンドが74年にリリースした唯一のアルバム。寸分も狂いなく刻む鋭い打音のドラムス、メロディアスな音運びのベース、ヤン・ハマーを思わせるピッチベンドを多用した躍動感あるプレイのシンセとエレピ、スリリングで緊張感あるフレーズで切り込むギター。緊密なテンションが支配するテクニカル・ジャズ・ロックを聴かせる、挨拶代わりの一曲目でその実力がわかります。以降はファンキーな跳ねるリズムも入ったフュージョン風ジャズ・ロックとなり、一曲目に比べてリラックスしているようでいて、どこか緊張感を持続させた油断ならない演奏がまた堪りません。基本的にインストですが、ムーディーなフュージョン曲で突如歌い出すリチャード・シンクレアみたいなヴォーカルも印象的。これぞ「職人的アンサンブル」と呼ぶべき鮮やかな技巧の応酬がただただ心地よい好盤。ジャズ・ロック好きなら一聴の価値あり!
西フランスのナント出身、フルート奏者、パーカッション奏者を含む6人編成のチェンバー・ロック/ジャズ・ロック・グループ。81年に自主制作された唯一作。マハヴィシュヌ・オーケストラ、フランク・ザッパ、マグマ、ヘンリー・カウから影響を受けたようで、テンションみなぎる緻密かつ狂暴なサウンドが持ち味。一時、ETRON FOU LELOUBLANのメンバーと交流を持ち、彼らが所属するR.I.O.への参加も打診されたようです。アルバムの録音は、UNIVERS ZEROが傑作『HERESIE』と『CEUX DU DEHORS』を録音したスイスのスタジオ。これほどのテクニックを持つグループながらレーベルを探すことはせず、自費プレスでわずか1000枚のみ、ほぼライヴ後の手売りのみでさばかれたようです。サウンドは、自主制作の中でも屈指のクオリティ。変拍子というか、唐突にストップ&ゴーを繰り返しながらリズムを解体し、いびつな拍子で予測不能に畳みかけるドラム、低域で強靱にうねるベース、硬質なタッチのピアノ、エッジの立ったトーンでエキセントリックなフレーズをアグレッシヴに弾き倒すギターによるテンションみなぎるパートを軸に、フルートとマリンバが細かい拍子の中を鋭角に駆け巡る暗黒チェンバー・ロックなパートを配して、とめどなく聴き手に襲いかかるサウンドが持ち味です。そのアンサンブルの強度は、ヘンリー・カウやマグマに比肩。ヘンリー・カウやユニヴェル・ゼロやマグマのファンは間違いなく気に入るでしょう。傑作です。
デンマーク産ジャズ・ロック・バンド、77年作1st。こ、これは凄いです…。北欧トラッド感漂うフレーズを吹き鳴らすサックスとアヴァンギャルドなギターが変拍子織り交ぜつつ疾走、かと思えば突如洒脱でムーディーなジャズ・ロック・パートに突入し、ヴォーカルが入れば人を食ったようにファンキーなサウンドに変貌し…。本格的なジャズの素養を感じさせるしなやかな技巧性と、ザッパやSAMLA MAMAS MANNAを思わせる諧謔精神が交わった変幻自在のアンサンブルは、とても無名とは信じられぬほどの完成度。とにかくキレのあるサックスが出色で、幻想的なエレピや強靭に歪んだギターと絡み合うナンバーはクリムゾンやHENRY COW好きにもグッと来ること間違いなしでしょう。COMPANYIA ELECTRICA DHARMAのファンにもオススメです!視聴是非。
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