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<ロック黄金時代回想企画>1969年デビュー・アルバム特集Vol.7 ー YES『YES(イエス・ファースト・アルバム)』

こんにちは。スタッフ佐藤です。

3月より連載中の特集「ロック黄金時代回想企画【1969】」。

ちょうど今から50年前、ロックが多様なスタイルへと細分化していく転換期と言えた1969年に着目し、ロック史に名を残す重要アーティスト達による69年デビューアルバムを連載形式で取り上げていきます。

今回は、プログレッシヴ・ロックの歴史そのものと言える偉大なバンド、イエスが1969年7月25日に発表したデビュー・アルバム『YES(イエス・ファースト・アルバム)』を取り上げます!

アルバムデビューまでの経緯

イエスの半世紀に及ぶ歴史は、ヴォーカリスト ジョン・アンダーソンとベーシスト クリス・スクワイアの出会いに始まります。
まずはイエスの二本柱と言える2人について簡単に触れていきましょう。

ジョン・アンダーソン

イエスのリード・ヴォーカリストであり、名実ともにプログレ・シーンを象徴するヴォーカリスト。繊細ながら華のあるハイトーン・ヴォイスで、多くのプログレ・ファンを魅了してきました。純粋な美声というわけではなくハスキーさも帯びた声質ながら、ヘヴンリーな聴き心地の良さを持つその歌声はまさに唯一無二と言えます。

62年、兄トニー・アンダーソンと共にTHE WARRIORSに加入し音楽活動を開始。このバンドのドラマーは後にキング・クリムゾンへと加入するイアン・ウォーレスでした。64年にデッカよりシングル「You Came Along / Don’t Make Me Blue」をリリースし、バンドは67年に解散。

翌68年にはハンス・クリスチャンという芸名で「Never My Love」「(The Autobiography Of) Mississippi Hobo」という2枚のシングルを発表します。

また同年、彼を担当していたEMIのプロデューサーでミュージシャンのポール・コルダが、ジョンをガーヴィッツ兄弟率いるザ・ガンと引き合わせ共にバンドを組ませようと計画。この時おこなわれたギグは大変評判を呼びますが、それに気をよくした兄弟がジョンなしでもやれると確信したことで、ジョンはあっさり解雇されてしまいます。ちなみにジョンの解雇が知れると、次のギグには全然人が入らなかったとか。

ガーヴィッツ兄弟は翌年にハード・ロック黎明期の名盤と言える1stを発表しその後も一定の成功を収めますが、ジョンおよびイエスのこの後の大活躍を考えると逃した魚は大きかったのかもしれません。



クリス・スクワイア

頼れるリーダーとして全盛期イエスを牽引した不動のベーシスト。2015年に惜しまれつつ他界した彼ですが、結成以来イエスに在籍し続けた唯一のメンバーです。リッケンバッカーベースを愛用し、イエスの緻密でテクニカルなアンサンブルの原動力を担いつつも、トレブルを巧みに使った派手なプレイを得意としました。プログレのみならずロック界全体を見ても最高峰のベーシストであったことに疑う余地はありません。

65年に5人組R&BグループTHE SYNを結成。後にオリジナル・ギタリストと入れ替わる形でイエスの初代ギタリスト、ピーター・バンクスが加入します。66年にプロデビューを果たし、67年にデラムから2枚のシングル「Created By Clive / Grounded」「Flowerman / 14 Hour Technicolour Dream」をリリース、同年11月に解散。

そしてその翌月の12月には、クリスとピーターを含む4人で新バンドMABEL GREER’S TOYSHOPを発足させます。このバンドこそイエスの母体にあたるグループです。


イエス結成メンバーの集結

結成直後のMABEL GREER’S TOYSHOPからピーター・バンクスが脱退しますが、そこに現れたのがジョン・アンダーソンでした。ロンドンのとあるナイトクラブで出会ったジョンとクリスは意気投合し、ジョンはMABEL GREER’S TOYSHOP加入を決意。その後別バンドでの活動を終えたピーターも復帰します。

バンドは有名なマーキークラブを含むロンドンのクラブや大学を回ってギグを行ない、徐々に知名度を上げていきます。BBCの名物DJジョン・ピールからもお呼びがかかり、彼の番組で曲をプレイしたこともあったようです。

さらにメンバー募集広告を見たドラマーのビル・ブルーフォードが加入。ピーターがその名を考案した新たなバンド「イエス」での始動に向けて動き出します。デビューメンバーの最後の一人であるキーボード奏者トニー・ケイもこの時期にバンドに加入しました。

その後はビルの一時離脱などありながらも、マーキークラブでのギグを積極的におこないイエスというバンドの評判はどんどん高まっていきます。それに伴い、英ツアーのステージをキャンセルしたスライ&ザ・ファミリーストーンの代役として出演したり、クリームの解散公演やジャニス・ジョプリンの英公演で前座を務めたりと大役を任される機会も増えていきました。

そうしてイエスは満を持してアルバム・デビューを迎えるのです。

69年デビューアルバム『YES』

英国のロック・バンドとして初めてアメリカを本拠とする大手レコード会社アトランティックと契約を交わしたイエスは、69年7月25日にデビュー・アルバム『YES』をリリースしました。

そのサウンドは実に69年という時代らしい、サイケデリック・ロック、フォーク・ロック、ジャズなどの要素が複合されたいわゆる「アート・ロック」と呼ぶべきもの。ただ、その言葉から連想される実験性や長尺のインストといったものはさほど目立たず、ポップな歌ものロックとしての魅力が際立っているのが特徴です。6分前後の楽曲を多く含みながらも全編無駄なくスタイリッシュに聴かせる音像は、まだ60年代の音楽とは思えないほどに洗練されていて驚きます。

後のイエスの特徴となる組曲形式も取り入れた構築的なサウンドはまだ登場していませんが、このデビュー作の時点で既にモンスター・バンドとなり得るポテンシャルをひしひしと感じさせますよね。
そのあたりが実感できるナンバーをご紹介していきましょう。

Beyond and Before

前身バンドMABEL GREER’S TOYSHOP時代にクリスとギタリストのクライヴ・ベイリーが共作した、本作のオリジナル曲の中で最初に生まれたのがこのOPナンバー。コーラスを伴ったポップなヴォーカルに対し、サイケデリックに唸るギターと硬質なリズムがゴリゴリと鳴らすアグレッシヴな演奏が炸裂します。リリカルな終盤に存在感を発揮するオルガンはファンタジックな浮遊感を演出。各メンバーがしっかりと持ち味を出しており、デビュー当時のイエスを知るにはまさにうってつけの一曲です。

試聴 Click!

Yesterday And Today

ジョンの優しい歌声とそれを包み込むようにデリケートなフォーク・タッチの演奏に癒されます。こういう曲が様になるのは、やはりジョン・アンダーソンという稀有なヴォーカリストの存在あってこそでしょう。これほどの歌を持っていながらThe Warriors加入時はヴォーカリスト志望ではなかったというから驚きですね。

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Looking Around

初期イエスの持ち味であるスケール大きく躍動感あるアンサンブルの原型は間違いなくこの曲にあり!デビュー時の勢いをそのまま伝えるような生き生きとした演奏が良いですね。オルガンも元気よく鳴っていて、ギターとの息の合ったコンビネーションが実にカッコ良し。

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Every Little Thing

当時のイエスはカバーも聴き所。2曲目のバーズ『I See You』のジャジーなカバーもさすがのセンスでしたが、このビートルズカバーも凄い。スリリングなインストが2分近く続き、ようやく原曲のメロディを弾きはじめる大胆な構成にビックリします。原曲へのリスペクトを感じさせつつ、イエスらしいファンタジックで広がりある演奏でダイナミックに再構築した名カバーですね。

試聴 Click!

Survival

イントロからしてカッコ良すぎる疾走感たっぷりのラストナンバー。原動力となっているのは勿論ドライヴ感満点のベースです。一方ヴォーカルパートはしっとり叙情的かつドラマチックに聴かせていて静かな感動を呼びます。エンディングの各楽器がフレーズを繰り返すところが大好きです。

試聴 Click!



う~む、イエスはやはりデビュー時からとんでもないバンドでした。この創造性豊かなサウンドはプログレ・バンドとして名を馳せる全盛期の作品群にも決して引けを取っていないと思います。そこにデビュー作らしい勢いが加わっていて、本作でしか味わえない魅力をたっぷりと含んでいるのは誰もが認めるところではないでしょうか。

あらゆる音楽を「肯定」し受け入れ血肉とした彼らだからこそ生み出すことが出来た作品であり、プログレッシヴ・ロック・バンド イエスの原点が間違いなくこの作品にあります。




YESの在庫

  • YES / HOUSE OF YES: LIVE FROM HOUSE OF BLUES (CD)

    99年10月、ハウス・オブ・ブルースでのライヴ音源、00年リリース

  • YES / IN A WORD

    デビューからの足跡を網羅した55曲収録ヒストリー・ボックス、未発表音源含む、02年リリース

    • AMCY10042/6

      5枚組デジパック仕様(トールサイズ)、豪華96頁ブックレット付き仕様、帯元から無し、情報記載シール付仕様、定価10500

      盤質:傷あり

      状態:並

      帯-

      1枚は盤無傷/小傷程度、情報記載シールなし、解説・デジパック一部に汚れあり、解説にスレ・黄ばみあり

  • YES / GREATEST HITS LIVE

    全8曲

  • YES / FLY FROM HERE

    新ヴォーカルにベノワ・デイヴィッドを迎えた新生YES第一弾、11年作

  • YES / HEAVEN AND EARTH

    デビュー45年目にリリースされた14年作、プロデュースは敏腕ロイ・トーマス・ベイカー!

  • YES / YES

    ジャズ/サイケ/ハード・ロックなどを自在に取り入れた完成度の高いアンサンブルで聴かせる驚異のデビュー・アルバム、69年発表

  • YES / FRAGILE

    代表曲「ラウンドアバウト」「燃える朝焼け」を収録、71年作4th

    その構築的に練り上げられた楽曲と凄まじい演奏技術により、今なお多くのフォロワーを生み出しているイギリスのグループの71年作4th。その内容は次作「危機」と並ぶ、プログレッシブ・ロック史に留まらず70年代ロック史に残る屈指の大名盤であり、STRAWBSからキーボーディストRick Wakemanが加入、文字通り黄金期を迎えた彼らがトップバンドへと一気に飛躍する様が鮮明に残されています。まだ「危機」のような大作主義こそないものの、「ラウンドアバウト」「燃える朝焼け」など彼らの代表曲を収録。また今作から、その驚異的なエンジニアリング技術で彼らの複雑な楽曲製作に貢献することとなるEddie Offord、そしてその後のYESのトレードマークとなる幻想的なジャケット/ロゴを手がけるRoger Deanが参加、名盤の評価をより一層高めることとなります。

  • YES / CLOSE TO THE EDGE

    72年作5th、緊張感、幻想美、構築性、ダイナミズム、超絶技巧!これぞプログレと言うべき要素が詰まった超傑作!

    その構築的に練り上げられた楽曲と凄まじい演奏技術により、今なお多くのフォロワーを生み出しているイギリスのグループの72年作5th。その内容は前作「こわれもの」と並ぶ、プログレッシブ・ロック史に留まらず70年代ロック史に残る屈指の大名盤であり、20分近い表題曲をメインに据えたコンセプト・アルバムとなっています。Keith Emersonと人気を分かつRick Wakemanによる華麗なキーボード・オーケストレーション、カントリーからフラメンコまでを自在に操る個性派ギタリストSteve Howeの超絶プレイ、難解な哲学詞を伝えるハイトーン・ボーカリストJon Anderson、テクニカルでタイトなBill Brufordのドラム、そしてリッケンバッカーによる硬質なベースさばきを見せるChris Squire、今にも崩れそうな危ういバランスを保ちながら孤高の領域に踏み入れた、まさに「危機」の名に相応しい作品です。

  • YES / YESSONGS

    72年アメリカ・ツアーから収録された圧巻のライヴ・アルバム!

    その構築的に練り上げられた楽曲と凄まじい演奏技術により、今なお多くのフォロワーを生み出しているイギリスのグループの73年ライブ作。名盤「Close To The Edge」を生み出した彼らの自信が感じられる名ライブ作であり、その内容はある種、スタジオ盤以上にファンを虜にしているほどです。もはやおなじみとなったストラビンスキーの「火の鳥」でその幕を開け、「シべリアン・カートゥル」や「燃える朝焼け」「同志」「危機」と、「ラウンド・アバウト」と彼らの代表曲をたっぷりと収録。スタジオ作のクオリティーを完璧に再現するだけでなく、スタジオ作には無いドライブ感の詰まった超絶技巧、名演の数々は全ロックファン必聴です。

  • YES / GOING FOR THE ONE

    屈指の人気曲「Awaken」収録の77年作8th、ジャケットはヒプノシス

    その構築的に練り上げられた楽曲と凄まじい演奏技術により、今なお多くのフォロワーを生み出しているイギリスのグループの77年作。前作「Relayer」でRick Wakemanに代わりテクニカルなプレイを見せたPatrick Morazが脱退しRick Wakemanが再加入した作品となっています。それに伴い、Patrick Morazの即興色やジャズ色が影響した前作に比べてRick Wakeman色がバンドに再び彩りを与え、シンフォニック然としたアプローチが復活。YESらしい個性が再び芽吹いた1枚と言えるでしょう。加えて、非常にポップな印象を与える作風へとサウンドが変化しており、Doger Deanの幻想的なアートワークからHipgnosisの現実的なアートワークへの移行が興味深い作品となっています。

  • YES / TORMATO

    コンパクトな楽曲の中にYESらしさが発揮された78年作9th

    パンク、ニュー・ウェイブ全盛期の中リリースされた78年9作目。大作主義は鳴りを潜め、10分以下の小曲で構成されているほか、音も時代を反映してそれまでよりもかなり煌びやかでポップなものになっています。とはいえ開放感のある瑞々しいメロディや、各楽器が緻密にメロディを奏でていくアンサンブルの構築性は流石のYESと言ったところ。多様な音色を駆使し、生き生きとフレーズを弾きまくるウェイクマンのキーボード。自由奔放かつ繊細さ溢れるハウのギター。地に足のついたスクワイアのベース、タイトかつ柔軟さのあるホワイトのドラム。そこへアンダーソンのヴォーカルが次から次へとメロディを紡ぎ出す、有無を言わせぬ怒涛のプログレッシヴ・ポップ・サウンドは彼らでなければ生み出し得ないものでしょう。「Release Release」など本作を象徴する1stや2ndに入っていそうなスピーディーでストレートなロック・ナンバーも魅力ですが、白眉は「On The Silent Wings of Freedom」。前作『Going For The One』で聴かせた天上を駆けるような夢想的なサウンドと、「ロック」の引き締まったビートが理想的に共存した名曲に仕上がっています。スタイルは変われどもYESらしさは満点と言っていい好盤。

  • YES / CLASSIC YES

    81年リリース、クリス・スクワイア選曲によるベスト、全9曲

  • YES / UNION

    ABWHとスクワイアら本家YESが合体した新生8人組YESによる91年作

    「こわれもの」「危機」を生んだイエス黄金ラインナップからなるABWHと、かつてイエスに在籍した主要メンバー(クリス・スクワイア、アラン・ホワイト、トニー・ケイ、トレヴァー・ラビン)が合体。8人組新生イエスがここに誕生した91年作。

  • YES / KEYS TO ASCENSION 2

    97年作

  • YES / LADDER

    キーボード奏者、イゴール・ホロシェフが加わり6人編成となった99年作。往年のイエスらしさとポップさが融合した名作。

    キーボード奏者、イゴール・ホロシェフが加わり6人編成となった99年作。往年のイエスらしさとポップさが融合した名作。ボン・ジョヴィやエアロスミスをも手掛けたプロデューサー、ブルース・フェアバーンの遺作ともなった。

  • YES / 90125/9012 LIVE/BIG GENERATOR/YESTERDAYS/CLASSIC YES

    83/85/87年作+74年編集盤+81年ベスト

    • AMCY6322/6

      紙ジャケット仕様×5枚、特典ボックス付き仕様、デジタル・リマスター、HDCD,合計定価10200

      盤質:無傷/小傷

      状態:

      帯有

      2枚は盤に傷あり、ボックス・紙ジャケにに角潰れあり

  • YES / BEYOND AND BEFORE : BBC RECORDINGS 1969-1970

    BBC音源集、全18曲

  • YES / LIVE IN NEW HAVEN YALE BOWL 1971

    3rdアルバム『イエス・アルバム』リリースに伴い行われたツアーの中で、1971年7月24日のニューヘイブン公演を完全収録。4曲入り

  • YES / ORIGINAL ALBUM SERIES

    『GOING FOR THE ONE』〜『BIG GENERATOR』までの5タイトル収録

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