2019年2月7日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
20年以上の歴史を誇るスペインの再発レーベルGUERSSEN。
そんな彼らが2016年に新たに設立したサブ・レーベル、MENTAL EXPERIENCEをご存知でしょうか。
このレーベルが特に力を入れているのは、「クラウトロック」「エクスペリメンタル・ロック」「アヴァン・プログレ」といった、ちょっぴり聴き手を選ぶディープな作品の発掘。
「普通のロックじゃ物足りない!」という方にはたまらない、キワモノ揃いのラインナップをご紹介してまいりますよ~。
スイス出身アヴァン・サイケ・ジャズ・ロック・バンドの73年唯一作。
雑踏、さざ波、鳥の鳴き声などをコラージュしたミュージック・コンクレートと、ジャズの素養をベースとするフリーフォームなバンド・アンサンブルを対比させた、クラウト・ロック勢にも通じる実験性に富むサウンドを形成。
「Hot Rats」ばりにスリリングなエレキ・ヴァイオリンのプレイにも痺れます!CANや60sザッパのアヴァンな作品がお好みなら要注目。
宇宙的かつ祝祭的!?GOLEM、COZMIC CORRIDORSなどを生んだドイツ地下レーベルPYRAMIDの創始者、Toby Robinsonによる33分に及ぶクラウト・ジャム。
メロトロン、シンセ、ギター多重録音を用いたコスミックな音響、混沌としつつもドライヴ感のあるバンド・アンサンブルなど様々な展開を盛り込んだ、ジャケ通りのミスティックな作品に仕上がっています。
そんなPYRAMIDレーベルからリリースされた作品の中でも最も「ロックしてる!?」作品がこちら。
ザクザク歪んだギター、ゴリゴリ突き進むベース、怪しげなハモンド、うねるムーグ・シンセに溢れ出す荘厳なメロトロン!HAWKWIND直系のスペーシー・ハード・ロックにドイツらしい剛直さをまぶした感じで良いですねえ。
中でも「HAWKWIND meets NEU!もしくはLA DUSSELDORF」!?なこのナンバーがイチオシ!
こちらも同じくPYRAMIDレーベルより72年にリリースされた(という噂の)クラウトロックのディープ盤。
「暗い部屋で一人で聴いてはいけない」との注意書きが添えられている通り暗鬱でホラーチックな楽曲も無きにしも非ずなのですが、その中で本曲「The Summit」のように優しいムーグのメロディをフィーチャーした癒しのナンバーもあったりと、静謐で神秘的な雰囲気を湛えた一枚に仕上がっています。
電子音楽、特にテリー・ライリーの「A RAINBOW IN CURVED AIR」が好きなら特にオススメ。
ドイツのサイケ・アシッド・プログレ・バンド、75年の唯一作。
エキゾチックなアコギなどの民族色、ヘヴィにうねるサイケ・ハード、アヴァンギャルドなインプロビゼーション、ザッパばりの諧謔趣味・・・。
CANのアカデミズムに対してノリの良いゴッタ煮精神で対抗したかのようなサウンドは実に痛快!
74年から78年の活動期間中、ヘンリー・カウやナショナル・ヘルスともライヴで共演しながら、あまりにアヴァンギャルド過ぎるサウンドのためにアルバムをリリースできずに終わったという幻のバンド…。
レーベルのインフォを抜粋すると「ジミ・ヘンドリックスとキャプテン・ビーフハート、そしてシュトックハウゼンをブレンドした感じ」。
強靭なギター・ノイズと凶暴なサックスが問答無用で暴れ狂う、危なすぎ極左アヴァン・ロック!!
その他の再発レーベル特集はこちら!
【関連記事】
欧米各国の「ど」がつくマイナープログレを発掘リリースしている注目の新興レーベルPAISLEY PRESS。リリース作品を一挙ご紹介!
【関連記事】
選盤基準がとても気になる、注目のリイシューレーベルAMPHONOTONESのラインナップを一挙ご紹介!
【関連記事】
ユーロ・ロック・ファン大注目!良質リイシューレーベルO-MUSICのプログレ作品ラインナップを一挙ご紹介!
ギタリストChristian Oestreicherを中心に結成された、スイス出身アヴァン・サイケ・ジャズ・ロック・バンドの73年唯一作。雑踏、さざ波、鳥の鳴き声、ラジオ音声などをコラージュしたミュージック・コンクレートと、ジャズの素養をベースとするフリーフォームなバンド・アンサンブルを対比させた、クラウト・ロック勢にも通じる実験性に富むサウンドを形成。演奏面の核となるのがギターとヴァイオリンで、自在にリズムを変化させながら手数多く刻むジャジーなリズム隊をバックに、クリーントーン主体ながらサイケデリックな熱量を感じさせるギター、ひんやりしたトーンでスリリングに切り込んでいくエレキ・ヴァイオリンが、アヴァンギャルドに交差するアンサンブルはかなりのカッコよさ。ジャズ由来の洒脱なタッチで舞い踊るピアノ/エレピのプレイにも注目です。コラージュを多用した実験的パートと、バンド・アンサンブルのパートは大体曲ごとに別れており、混沌とした雰囲気はなく聴きやすいのも好印象。CANなどクラウト・ロック、60sザッパのアヴァンギャルドな作品などがお好きな方にはオススメの作品です!
コメントをシェアしよう!
カケレコのWebマガジン
60/70年代ロックのニュース/探求情報発信中!