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ジーン・クラークやラウドン・ウェインライト3世とも繋がりが深い米SSW、トーマス・ジェファーソン・ケイ特集

こんにちは。スタッフみなとです。

今日は、アメリカのSSW、トーマス・ジェファーソン・ケイを特集いたします。

ジーン・クラークの74年作『NO OTHER』のプロデュース、スリー・ドッグ・ナイトの70年のヒット曲「One Man Band」の作者としても有名なSSWで、70年代に2枚、90年代に1枚のソロ作をリリースしています。

彼の魅力は何と言っても、「レイドバック」したサウンドです。

「レイドバック(laid-back)」とは、「くつろいだ、リラックスした」といった意味ですが、トーマスの作品では、泥臭さと洗練のバランスが絶妙で、渋みのある低めのボーカル、肩の力の抜けたバンド・サウンドが聴く人を心地良くさせてくれます。

まずは一曲

♪American Lovers

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こちらの曲はドナルド・フェイゲン、ウォルター・ベッカーによる楽曲です。

トーマス・ジェファーソン・ケイの73/74年の2作品とも、スティーリー・ダンのプロデューサーやエンジニアをしていたゲイリー・カッツがバックアップしています。

ゆったりとしたリズムで刻むギター、トーマスの落ち着いたボーカル。

ストリングスや女性コーラスも入って、奥行きのあるサウンドです。

THOMAS JEFFERSON KAYEの略歴

1942年、米ノース・ダコタ州生まれ。

14歳の頃には既にニュー・ヨークにてヴォーカル・グループで活動し、18歳でセプター・レコードのA&Rとして働いていました。

60年代後半~70年代初頭には、スワンプ・ロック・バンド、WHITE CLOUDに参加。

72年リリースの『WHITE CLOUD』では、パワフルな女性ボーカル、ジョーン・ヴェントとは対照的なマイルドなボーカルを聴かせてくれます。

WHITE CLOUD / WHITE CLOUD

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また、同時期にトーマスは、LOUDON WAINWRIGHT IIIのアルバムのプロデュースも手掛け、ヒット・シングル「Dead Skunk」を生み出しました。

LOUDON WAINWRIGHT III / ALBUM III

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70年代初頭にはサンフランシスコへ引越し、

LINK WRAYの73年作『BE WHAT YOU WANT TO』
BOB NEUWIRTHの74年作『BOB NEUWIRTH』
MIKE BLOOMFIELD / JOHN PAUL HAMMOND / DR. JOHNの73年作『TRIUMVIRATE』

などをプロデュース。

そして、73年に初のソロ・アルバムをリリースしました。

THOMAS JEFFERSON KAYEの作品

73年作、74年作のどちらにも、仕事をする中で出会ったゲイリー・カッツ、ドナルド・フェイゲンやウォルター・ベッカーをフィーチャーしています。

スワンプ・ロックやカントリー・ロックの混ざり合うなかで、陰影あるストリングスやリリカルなピアノ、ギターを効かせた洗練されたサウンドを展開しています。

THOMAS JEFFERSON KAYE/THOMAS JEFFERSON KAYE

73年作。

クラプトンのソロ曲にも通じるフォーキー&ブルージーな楽曲、ホーンが入る軽快かつリラックスしたムードの楽曲まで、アクのないグッド・メロディに溢れた佳曲ぞろいです。

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THOMAS JEFFERSON KAYE/FIRST GRADE

74年作。

しっとりとした歌声、土臭さとメロウネスが絶妙にバランスしたメロディ。素晴らしいです。

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上記2作は、これといったヒットに恵まれず、他のミュージシャンのプロデュースなどの仕事をしていきます。

なかでもジーン・クラークの『NO OTHER』は、カントリー、フォーク、ゴスペルなどの要素が見事に融合した傑作として、高い評価を得ています。

最後のソロ作

1992年にTHOMAS JEFFERSON KAYEは再びソロ・アルバムをリリースしました。

元イーグルスのティモシー・B・シュミット、リック・ダンコ、スティーヴ・ミラー、DR.JOHN、そしてエリック・クラプトンまで参加という豪華ゲスト陣。

いかにトーマスがミュージシャンに信頼されていたかが分かります。

THOMAS JEFFERSON KAYE / NOT ALONE

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THOMAS JEFFERSON KAYEは、94年にまだ50代の若さで糖尿病などの合併症のため亡くなっています。

数々の名盤の裏方として活躍し、またソロとして素晴らしい作品を残してくれたトーマス・ジェファーソン・ケイ。

いつまでも大切に聴き続けたいものです。


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