2017年11月27日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
スタッフ増田です。
クラウトロック。60年代末から西ドイツで現れ始めた「実験的ロック」グループの総称ですね。
その主な特徴は、ミニマルで反復的だったり、エレクトロ・ミュージック的電子楽器を多用していたり、はたまた東洋音楽との本格的な融合を試みていたり…。
ともかく、ロックにそれまでにない「実験的」な要素を持ち込んだのが西ドイツの「クラウトロック」だったのです。
しかし、そんな「実験的」ロックに着手したのは西ドイツのグループだけなのでしょうか?
今回はドイツ以外のグループだけど、これは「クラウトロック」と呼んでもいいんじゃない!?という作品をスタッフ増田の独断でピックアップしてみました。
まずはドイツの西、HELDONやPULSARなどエレクトロ・プログレ系も盛んなフランスから。78年作。
リシャール・ピナスらHELDONのメンバーが全面参加し、エレクトロニクスによるミニマル調に、スペーシーなシンセが織りなすサウンドはタンジェリン・ドリームなどジャーマン音響系好きにもグッとくるはず!
こちらもフランス、76年の2nd。
リズム・セクションを廃した40分間の大曲1曲のみという試みも実験的ですが、神秘的な女性ヴォーカルや冷ややかなエレクトロ・サウンドはジャーマン・サイケ・フォークのEMTIDIを彷彿とさせます。
次はドイツの南に位置するオーストリアから。72年の唯一作。
へヴィかつ酩酊的なサウンドは、まるで初期タンジェリン・ドリームとブラック・サバスとが出会ったみたい。
なるほどこれがプログレ未開の地オーストリアのプログレ秘宝なのか……。
次はイタリアから一枚!73年のデビュー作。
情熱的なプログレを多く輩出するイタリアですが、このオリエンタルでサイケデリック且つ静謐なサウンドは、ポポル・ヴーやアジテーション・フリーなど民族音楽系クラウトロックに通じますね。
次はなんと……ギリシャ!81年作。
AMON DUUL IIを彷彿させるジャーマン・エクスペリメンタル影響下のサウンドに、クリムゾン等のヘヴィ・プログレ要素、ギリシア的なエキゾチズムを加えた荘厳なサウンドを展開。それにしてもこのジャケ怖すぎ!
こちらはエストニアのプログレ・グループMESSのシンセ奏者による80年ソロ作。
クラウス・シュルツェのような荘厳かつ粛々としたシンセサイザー・ミュージックですが、全体的に爽やかな空気が漂っており、非常にキャッチーに聴かせてくれます。
次はまさかの旧ソ連産アンダーグラウンド・サイケ秘宝!73年作。
一応軸はフォーク…?なのですが、突如ファズギターやエコーたっぷりの奇声が響いたり、シンセサイザーがピュンピュンと発振したりと、この混沌と狂気にまみれたサウンドはFAUSTに近いかも!?
辺境まで来てしまいましたが、最後はアメリカ3連発!まずはこちらの68年作。
力強いバンド・サウンドを軸に据えながらも、その上をスペーシーなシンセが縦横無尽に駆けていくサウンドはまさしくクラウトロック的!?
US電子/エクスペリメンタル・サイケの傑作。
こちらも68年作で、米ELEKTRAレーベルの創始者ジャック・ホルツマンによるプロジェクト作!
スペーシーなムーグシンセにシタールなどの東洋音楽、怪しいナレーションなど実験要素満載のエクスペリメンタル・サイケですが、曲自体はミニマルかつポップで、バランス良くまとまっています。
最後は米アイダホ出身のサイケ・ハード71年作ですが、このバンド、なんといってもムーグ・シンセを取り入れているのが斬新!
まるでCANのごとき反復的リズムに乗って繰り広げられるギターとムーグ・シンセの即興的ソロ……これはもうクラウトロックでしょう!
ギリシアのグループ、81年作。ジャーマン・エクスペリメンタルをベースに、クリムゾンなどのヘヴィ・プログレ要素、ギリシア的なエキゾチズムを加えた荘厳なサウンドが印象的。
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