2014年3月25日 | カテゴリー:ユーロ・ロック周遊日記,世界のロック探求ナビ
一日一枚ユーロロックの名盤をピックアップしてご紹介する「ユーロロック周遊日記」。本日は、スペインらしい熱気と哀愁溢れるプログレ・ハード・バンドATILAの76年2nd『INTENCION』をピックアップいたしましょう。
ATILAは73年に結成されたスペインのグループ。75年にデビュー作となるライヴアルバムをリリース、その後76年と77年に2枚のオリジナルアルバムを発表した後78年に解散しています。
わずか3枚の作品をリリースしたに留まったバンドではあるのですが、それが惜しいと思えるほどにいずれも高い完成度を持った名作ばかりなんです。
特に今回取り上げる76年の実質的な1st「INTENCION」は、これぞまさに!と言いたくなる、かの地らしい哀愁と情熱に満たされたプログレッシヴなスパニッシュ・ハードを聴かせてくれる好盤。
タイトなジャズ・ロック系ドラムと運動性の高いベースによるテクニカルに畳み掛けるリズム隊や、これでもかと泣きを炸裂させるギターも無論素晴らしいものですが、聴き所はやはり全編にわたり冴えに冴えるキーボードプレイ。まるでウェイクマンの格調高いクラシカルなプレイとエマーソンの疾走感溢れるソロプレイを合わせ持つかのような逸材で、オルガン、ピアノ、ムーグ、メロトロンを自在に操りバンドのカラーを作り上げます。
ではその華麗なキーボードさばきをお楽しみいただけるこちらのナンバーをお聴きください♪
1.「INTENCION」
3.「DIA PERFECTO」
いかがですか?このキーボーディスト、上記の2人よりは荒いタッチではあるんですがテクニックに関しては申し分なし。その荒々しさからもスパニッシュらしいエネルギッシュさを醸し出していてまたいい感じなんです。オルガンとムーグを中心としたクラシカルでありつつエキゾチズムも漂わせる独特のサウンドが魅力の名奏者ですよね。
これは70’sスパニッシュ・プログレの名作であると同時に、MEDINA AZAHARAらをはじめ80年代に隆盛するスパニッシュ・ハードの先鞭をつけたという点でも評価されるべき、スパニッシュ・ロック史に残る一枚!
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