2018年11月8日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
カンタベリーのDNAを受け継ぐ魅力的な新鋭グループがイタリアから登場していますので、ピックアップいたしましょう。
流麗かつ精緻なカンタベリー・フィーリング、ジェネシスやキャメルな70年代プログレの叙情美、そして、ポスト・ロック以降の音響感覚を併せ持つモダンなジャズ・ロックたちをお楽しみください。
まずは、カケレコ一番のオススメのFONDERIA。特集記事もございますので、是非、過去作も含めてチェックしてみてください。
94年にローマで結成されたグループ。
「Pure Inprovisation」というテーマを掲げ、作曲はすべて自由なインプロヴィゼーションで行う、というスタイル。ロック、ジャズ、アンビエント、ワールド・ミュージックなどのエッセンスを取り入れつつ、往年のカンタベリー・ミュージックに通じる、リリカルかつ野心に満ちたサウンドが特徴。
こちらは、ピーター・ガブリエル所有のReal World Studioで録音された10年作3rd。
HATFIELD & THE NORTH、SOFT MACHINE、CARAVAN、KING CRIMSONなどの影響を感じるグレイトなカンタベリー・スタイル名盤です。
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3rdが気に入ったなら、2nd、1stアルバムも是非。
12年作もさすがの名品でしたが、この06年作も素晴らしすぎる…!カンタベリー・ロック+ポストロック的浮遊感&スペイシーな音響感覚と言える、メロディアスでお洒落で遊び心溢れる新感覚イタリアン・ジャズ・ロック!
02年に発表された1st。70年代のジャズ、フュージョン、プログレを土台にしつつ、ワールドミュージックやポストロックも飲み込んだイマジネーション豊かなサウンドは、とてもデビュー作とは思えない完成度。もちろんカンタベリー・ロックからの影響も絶妙に織り込んだ伊ジャズ・ロック傑作!
18年にリリースされたこの作品も大注目のカンタベリー・スタイル・ジャズ・ロックの逸品!
ハモンド、メロトロン、スペーシーなシンセ…ヴィンテージ感溢れるキーボードを中心に、カンタベリー・ロックや英国オルガン・ジャズ・ロックからの影響多大なサウンドを楽しませてくれます。
比類なき70年代ロック愛で知られる伊ハード・ロック・バンドSTANDARTEのドラマー率いるグループということで、うむ納得。
カンタベリーな伊新鋭ならMOOGGも忘れてはいけません。11年作1st、16年作2ndともに、70年代英伊ジャズ・ロックのエッセンスをたっぷりと含んだ秀作なのです☆
イタリアはブレシアで01年に結成されたグループによる2011年デビュー作。
レーベルからの紹介文には、ソフト・マシーン、キャラヴァン、マッチング・モール、ハットフィールドなどカンタベリーからの影響に加え、リターン・トゥ・フォーエヴァー、ウェザーリポートなどフュージョンからも影響を受けている、と書いてありますが、たしかにその通り。
新鋭とは思えないヴィンテージな音色で、70年代のカンタベリーの発掘音源と言っても信じちゃうかも!?
デビュー作もハイクオリティでしたが、この2016年作2ndも期待を裏切らない傑作でした。カンタベリー・ミュージック、アレア、イル・ヴォーロあたりのファンにはたまらないはず。
さらに、シチリア島出身の新鋭HOMUNCULUS RESも大変いいグループ。遊び心満載のワクワクするようなジャズ・ロックを聴かせてくれます。
70年代のソロ初期のスティーヴ・ヒレッジと小山田圭吾がもしデュオを組んだとしたら!?そんなクールかつポップな好バンドをシチリア島で発見!
シチリア島発カンタベリー・スタイルで聴かせる好バンドですが、鮮烈だったデビュー作に続き2ndも絶好調!キャラヴァンやソフト・マシーン『6th』やハットフィールド『ロッターズ・クラブ』あたりのポップなカンタベリー・サウンド好きならニヤニヤしちゃうはず!
カンタベリー・ミュージックとチェンバー・ロックをお洒落でモダンに昇華して、さらに地中海の風を吹かせたような感じ!?緻密な変拍子を駆使しつつもポップに駆け抜けるアンサンブルが心地良すぎ。シチリア島より現れた新鋭ジャズ・ロック・グループ、3rdも変わらずたまりません☆
ずばり現代版PICCHIO DAL POZZO!暴走するドラム、縦横無尽に暴れ回るサックス、熱いヴォーカル、テンションみなぎるピアノ、ロバート・フリップに真っ向勝負なギター。こりゃあもの凄いテンション!
まるでロバート・ワイアットがドラム&ヴォーカルで、ジョン・ウェットンがベースで、ゾンビーズのロッド・アージェントがキーボードで、イアン・マクドナルドがサックス&フルートって感じ!?
アート・ベアーズやヘンリー・カウやザッパとともに、ハットフィールド&ザ・ノースやソフト・マシーン、さらにヒップホップまでぶち込んじゃった知性派アヴァン・ロック。さすがはあのYUGENのヴィブラフォン奏者率いるバンド、尖りまくってます。
いかがでしたか?
みなさまにとってぴったりの一枚が見つかれば幸いです。
イタリア北部ブレシア出身の4人組ジャズ・ロック・グループ。『ハットフィールド meets キャメル』といった感じの叙情性溢れるジャズ・ロック・サウンドでプログレ・ファンから高く評価された2011年デビュー作に続く2016年作2nd。サウンドの強度がグッと増した印象で、ソフト・マシーンやハットフィールド、アレアやエトナなど、往年の英&イタリアの名バンドにも比肩するジャズ・ロック・サウンドが印象的。シャープなリズム隊を土台に、クラヴィネットが弾み、ヘヴィに歪んだギターとムーグ・シンセが早弾きリードを炸裂させるテンションいっぱいのパートあり、ギターとキーボードのアルペジオが精緻にからみあうハットフィールド的パートあり、キーボードの変拍子のミニマルなフレーズを軸にしたハード&静謐なソフト・マシーン的パートあり、地中海が香る軽やかなパートあり、荘厳にそそり立つようなイタリア的なパートあり、流麗なピアノとフレットレス・ベースが奏でるメロディをフィーチャーしたジャズ/フュージョンなパートあり、表情豊かで安定感抜群のアンサンブルは絶品の一言。インストが中心ですが、ヴォーカル・パートもあり、アレアを彷彿させる土着的な歌声も魅力的です。ラスト曲では清涼感あるトーンのシンセをバックにロマンティックなギター・ソロが入って、イル・ヴォーロが頭に浮かびました。これはカンタベリー・ミュージックやユーロ・ジャズ・ロックが好きな方にはたまらないはず。70年代のDNAを継ぐ傑作です。
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