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【KAKERECO DISC GUIDE Vol.52】情熱&グルーヴ溢れるファンキー・ハード・ロック!HANSONの74年作2nd『MAGIC DRAGON』

こんにちは。スタッフ増田です。

今カケレコで一押しの作品をご紹介するKAKERECO DISC GUIDE。

今回ご紹介するのは先月韓国BIG PINKレーベルよりリイシューされたブリティッシュ・ファンク・ロック名作、HANSONの74年2nd『MAGIC DRAGON』です。

どんなグループ?

HANSONはジャマイカ生まれの黒人ギタリスト、HansonことJunior Marvinを中心とする英国のロック・グループ。

Marvinは77年にBOB MARLEY & THE WAILERSの名盤『EXODUS』に参加したことで特にその名が知られており、現在でもWAILERSへの参加やソロ活動などレゲエ・シーンの一線で活躍するミュージシャン。

WAILERS参加以前のキャリアも長く、米国の名ブルース・ミュージシャンT-Bone WalkerやIKE & TINA TUNERと共にプレイしたり、また70年には英国のブルース・ロック・グループKEEF HARTLEY BANDにも参加するなど、英米双方のブルース、ファンク・シーンで力を付けていきました。なおKEEF HARTLEY BANDの72年作『SEVENTY SECOND BRAVE』ではJunior Car名義でギター/ヴォーカルを任されているほか、「Heartbreakin’ Woman」など曲作りにも貢献。翌年のKEEF HARTLEYのソロ名義作『LANCASHIRE HUSTLER』にもクレジットを残しています。

そんな彼が73年に結成した自身のグループがHANSON。アルバムは2枚ですが、なんと共にあのEL&Pが設立したマンティコア・レーベルよりリリースされており、彼らのお眼鏡にかなう高い技量を持ったグループであることがうかがえます。

73年にリリースされた1st『NOW HEAR THIS』はこれまでに何度か再発されており、聴いた事がある方も多いのではないでしょうか。Junior Hansonと名乗るMarvinがギター/ヴォーカルを担当し、JEFF BECK GROUPで知られるベーシストClive Chaman、またゲスト・ミュージシャンにヴァン・モリソン作品への参加で知られる名ヴォーカリスト/ギタリストBobby Tenchなど多くのメンバーを迎えて制作された記念すべきデビュー作。ファンク、ブルース・ロックをベースとしつつエレピ・フルートなどジャジーな要素も加え、スワンプ/AOR的とも言えそうな洒脱で洗練されたサウンドを聴かせていました。

ただ74年にリリースされ最終作となったこの2nd『MAGIC DRAGON』では、Marvin以外のメンバーがガラリと交代。それに伴い作風も変化しているため、1stを聴いた方は少々驚くかもしれません。では、そんな本作の特徴をご紹介していきましょう。

洗練からハードへ!?最終作『MAGIC DRAGON』

74年のはじめにメンバーを一新し録音、そして74年の終わりにリリースとなったこの2nd。まずはメンバーをご紹介いたしましょう。

ギター、ヴォーカルにJunior Hanson、そしてサイド・ギターにポール・マッカートニーの「Girlfriend」でもプレイしたセッション・ミュージシャンのMarlo Henderson。ドラムに英国ファンク・バンドOLYMPIC RUNNERSで知られるGlen LeFleur、パーカッションにSTOMU YAMASHTA’S GOに参加したBrother James。キーボードにEARTH, WIND & FIRE、フランク・ザッパらと共にプレイした事もあるMandreことMichael Andre Lewis。さらにブリティッシュ・ロック好きには馴染み深いのが、後にCOLOSSEUM IIやWHITE SNAKEやBLACK SABBATHに参加する名ベーシスト、Neil Murrayでしょう。

長いキャリアを持つNeil Murrayながら、ベースを始めたのは67年だそう。彼はまず73年にアラン・ガウエン率いるカンタベリー・ロック・グループGILGAMESHに加入しキャリアをスタートさせますが、アルバムリリース前の短期間で脱退。その後JEFF BECK GROUPのベーシストClive Chamanの推薦を受けHANSONのアメリカ・ツアーに参加し、そのまま2ndの録音に参加することになったとのこと。つまり、後に多くのバンドに直を残す彼の初のクレジット作であり、実質的な出発点がこの『MAGIC DRAGON』だったということですね!

そんな本作のサウンドはと言えば・・・

♪Magic Dragon

試聴 Click!

ファンキーさ&ブルージーさは前作同様ながら、軽やかに洗練されていた1stと比べ、かなり重たくハードになっています。Marvinのギターは前作以上にファズ&ワウが効いて、ジミヘンを思わせる切れ味鋭いサウンドに。さらにそこへMurrayの強烈に歪ませたグルーヴィーなベースも合わさって、非常にエネルギッシュかつ腰の入ったアンサンブルが展開されています。いやあこのMurrayのベースの堂々たる事!とてもキャリアの初めとは思えない、ベテランの風格を醸し出していますね。

♪Boy Meets Girl

試聴 Click!

ハードさに加え、『ABRAXAS』あたりのSANTANAを彷彿とさせる情熱的なラテン・ロック色も本作の特徴。ソウルフルなヴォーカルに泣きのフレーズを紡ぎ上げるギター、タメの効いたベース、金物が多めのドラムや流麗なパーカッション。哀愁を感じさせるメロウなメロディは1st同様ですが、どこかクールさのあった1stに比べてこちらはより熱量溢れるアンサンブルが堪能できます。1stから入った方にすると好みが分かれるかもしれませんが、ファンキーなハード・ロックやブルース・ロック、それからラテン・ロックがお好きな方にはぜひオススメしたいブリティッシュ・ロック名作です!

こんな人にオススメ!

・ジミヘンが好き!
・PARADIN、SANTANAなどのファンキーなハード・ロック、ブルース・ロックが好き!

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