2018年5月25日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ,今週のカケレコFacebook
こんにちは。いよいよ初夏らしくなってきましたね。木々の緑も鮮やかで、気持ちの良い季節です。
さて今週は、「私の1968年ベストアルバム」というテーマで、facebookに投稿してまいりました。
ロックが最も熱かった時代の一つと言える、今からちょうど50年前1968年にリリースされた作品にフォーカス。カケレコ・スタッフが愛聴する68年作品を取り上げてまいりたいと思います。
スタッフ佐藤が選ぶ68年のアルバムは、ゾンビーズの『Odessey And Oracle』です!
ロッド・アージェントとクリス・ホワイトという優れたソングライターの2人が紡ぎ出すマジカルなメロディ、サイケ全盛期らしい溢れる色彩感、そしてストリングスやハープシコードの音色がもたらす気品。
ここまででも惚れ惚れするほどに完成された英国サイケ・ポップの名品ですが、それを歌うコリン・ブランストーンのスモーキーかつ温もりある歌声が、完璧なサイケ・ポップに人間味ある柔らかな表情を加えます。
大ヒットした「ふたりのシーズン(Time of the Season)」もいいですが、ここはメロトロンとコリンのヴォーカルが溶け合うメインパートが素敵すぎる「Brief Candles」をイチオシ!
スタッフ増田が選んだのはコレ。ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスによる三枚目のアルバム、『ELECTRIC LADYLAND』です。
理由はとにかく「曲が格好いい」。私がジミヘンを最初に聴いたのは何年か前に車のCMに使われていた「Crosstown Traffic」だったのですが、もうそこで彼の格好良すぎるギター・サウンドに完全にノックアウト!
一目散に最寄りのレンタルショップに駆け込み(中学生くらいだったのですぐにCDが買えませんでした)、このよく見かけるジャケのアルバムを借りてみたら、もう全曲が滅茶苦茶に格好いい。
前述の「Crosstown Traffic」やボブ・ディランのカヴァー「All Along the Watchtower」はもちろんのこと、ヴォーカルとギターのユニゾン・メロディに痺れる「Gypsy Eyes」、ドラマチックな展開がピンク・フロイドなどにも通じそうな「1983」など、衝撃的な楽曲、誰も考え付かないようなギター・リフが次から次へと溢れ出てきてもう絶句。
極めつけは最終曲「Voodoo Child(Slight Return)」。このヘヴィでクールで自由奔放なギター、何度聴いてもあまりの格好良さに涙が出てきます。
「エクスペリエンス」の最終作であると同時に、ジミ・ヘンドリックス存命時の最後のスタジオ・アルバムでもある本作。
英国と米国、白人と黒人などの垣根を超越し、ただひたすらに「音楽」を追求する、彼の類稀なる創造力がこれでもかと注ぎ込まれた最高のギター・ロック・アルバムです。
スタッフみなとは、ダンカン・ブラウンの『GIVE ME TAKE YOU』を取り上げたいと思います。
その才能の割にはあまり評価されず、46歳の若さでこの世を去ったダンカン・ブラウン。この68年1stは、英国らしい気品に満ち満ちた、素晴らしい作品なのです!
まず特筆すべきは、ハープのように緻密なガット・ギターの調べ。クラシック・ギターを専門的に学んだ彼ならではの演奏です。
本人のアレンジによるクラシカルなストリングスや管楽器もアルバム全体をこれ以上無くエレガントにまとめており、ひたひたと胸を打ちます。
そして時おり挟まれる合唱や風の音は、まるで遠い日の記憶が蘇って来るような、切ないような懐かしいような気分にさせてくれて・・・
触れたら壊れてしまいそうな、繊細な美しさを持った作品です。
スタッフ青山が選んだのは、ザ・バンドの『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』です。
カラフルなサイケデリック・ブームの真っただ中にリリースされた地味なこの作品。
でも、他のミュージシャンに与えた影響は大きく、エリック・クラプトンがこの作品に衝撃を受けてクリーム解散に至った話は有名ですよね。
土臭さと哀愁を感じさせるリヴォン・ヘルムの声、胸が締め付けられるような繊細なリチャード・マニュエルの声、ダイナミックで温かみのあるリック・ダンコの3人によるヴォーカル&コーラス。絶妙な「間」で鳴らされるロビー・ロバートソンのギター、重厚だったりクラシカルだったりと曲に彩りを添えるガース・ハドソンのオルガン。
聴くたびに、心に沁みるメロディとこの5人による唯一無二のサウンドにしみじみと浸ってしまいます。
そしてこのアルバムを聴くとどうしても『ラスト・ワルツ』が観たくなってしまうんですよね!
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