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【KAKERECO DISC GUIDE Vol.7】71年カリフォルニア産、レイジー・アシッド・フォーク。KATHY SMITH『2』

こんにちは。スタッフみなとです。

少しずつ日が長くなってまいりましたが、まだまだ寒いですね。ついつい身体が縮こまってしまって、いけません。

半年前のあの夏の暑さを思い浮かべたいのですが、なかなかどうして、思い出せないのですよね。不思議なものです。

さてさて今日は、寒さを溶かす暖かい風のようなKATHY SMITHの『2』をピックアップしてまいります。

KATHY SMITHについて

60年代末、キャシー・スミスはカリフォルニアのオレンジカウンティにある「パラドックス」というカフェで演奏をはじめました。

17歳のジャクソン・ブラウンが初めて人前でプロとして演奏したのもこのカフェだったそうで、他にはジェニファー・ウォーンズやニッティ・グリティ・ダート・バンドなども出演していたそう。

キャシーは70年にリッチー・ヘイヴンスのレーベル、Stormy Forestより1stアルバム『Some Songs I’ve Saved』をリリース。

この1stはアーティー・トラウムやエリック・ワイズバーグなどのウッドストック・シーンの名プレイヤーや、BS&Tのジム・フィールダー、また元ジェントル・ソウルのパメラ・ポランドが楽曲提供で参加もしています。

KATHY SMITH『2』

さて今作の『2』ですが、1stと比べて、とっても「レイジー」。

これを聴きながらいつまでも眠ってしまいたくなるような、気だるくゆったりとしたアシッド・フォークが詰まっています。

まずは一曲どうぞ。

♪Fly Off With The Wind

試聴 Click!

いやあ、いいですねえ・・・。心が緩んでいきます。

キャシーのボーカルは、ボニー・コロックやケイト・ウルフに近い、甘さの無い大人びた質感。

そのボーカルを軸に、アコギやフルート、キーボードなどが繊細に絡み合っていき、アルバムを聴き進めるうちに次第にジャジーなアレンジに。

このフォークとジャズをクロスオーバーさせたような心地よいサウンドは、いったいどうしたことでしょうか・・・?

参加ミュージシャンがめちゃくちゃ豪華だった!!

今作には、ジャズ/フュージョン系のミュージシャンが多数参加しています。

ドラムはドン・アライアス。

マイルス・デイヴィスやジャコ・パストリアス等との共演で有名な米ジャズ・パーッカショニストです。

今作2曲目「It’s Taking So Long」や8曲目「Travel In A Circle」でのシャープなドラミングは、他のフォーク作品にはあまりない洗練さと風通しの良さを与えています。

♪It’s Taking So Long

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そして、フルートにはジェレミー・スタイグ。

ビル・エヴァンスとの『What’s New』で有名なジャズ・フルート奏者です。8曲目の「Travel In A Circle」でエモーショナルな演奏を聴かせてくれます!

♪Travel In A Circle

試聴 Click!

そしてそして、ベースにはプログレ・ファンにはお馴染みのトニー・レヴィンが参加しています!SSW作品にも多数参加しているのですね。

ラスト曲が本当にいいんです・・・

静謐なピアノのアルペジオにのって、キャシーのボーカルがゆったりと重ねられていき、胸に深く染み入っていきます。

♪Blessed Be The People

試聴 Click!

いかがでしたでしょうか。カケレコには他にも様々に作品を紹介しておりますので、ごゆっくりご覧ください。


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  • KATHY SMITH / 2

    70年ワイト島フェスでも活躍した米女性SSW、71年作2nd、ドリーミー&メロウでアシッド臭漂う名作

    カリフォルニアを拠点に活動、計60万人を動員した70年ワイト島フェスで好演を披露した女性SSW、71年作2nd。虚ろなアコギ爪弾き、ひっそりとリリカルなピアノ、憂いと透明感に溢れたヴォーカル。神秘的な弾き語り曲での言葉を失う素晴らしさはもちろん、トニー・レヴィンやヤン・ハマーなど豪華ミュージシャンがサポートしたジャジーなタッチの緊張感ある楽曲も絶品。ジョニ・ミッチェルのファンをはじめ、ブリジット・セント・ジョンなど英フォークのファンも必ずや心奪われる名作です。

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