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スタッフ佐藤の、コレ好きなんですよ。 – 第八回 ブライアン・イーノ『ヒア・カムズ・ザ・ウォーム・ジェッツ』

こんにちは、カケレコ・スタッフ佐藤です。

「スタッフ佐藤の、コレ好きなんですよ。」は、一般的にはあまり注目を集めることのない作品ながら「実は良い作品なんだけどなぁ、もっと聴かれてほしいなぁ。」とスタッフ佐藤が日頃から感じている、愛して止まない作品たちを取り上げてご紹介していこうというコーナー。

今回取り上げたいのが、奇才ブライアン・イーノのソロデビュー作『Here Comes The Warm Jets』です。

ブライアン・イーノと言えば、アンビエント・ミュージックの創始者として現在の音楽シーンにも大きな影響を及ぼしている大物中の大物ミュージシャン。またトーキング・ヘッズやU2などを手がけロック・シーンを牽引するグループへと導いた敏腕プロデューサーとしての顔も持ちます。ボウイとのベルリン三部作も最高の仕事ですよね。

さらにWindows95の起動音を手掛けたことで、彼の存在やその音楽はロックファン以外の人々にも広く知れわたることになりました。

長年にわたって多方面でその才能を発揮してきたイーノさんではありますが、スタッフ佐藤にとってのイーノって、ケバケバしいメイクと悪趣味スレスレの衣装を纏い怪しげな音を出しまくる、ロキシー・ミュージック~初期ソロ時代のあの姿で固定されていて、いまだに「イーノ=変態ミュージシャン」と認識している部分があります。変態はもちろん褒め言葉です。

ロキシー時代にはシンセを使ってユニークなエフェクトを鳴らしロキシーのサウンドに一役買っていた彼ですが、自身の主導のもとあの見た目のイメージそのままと言えるエキセントリックなサウンドを提示したのが、ロキシー脱退後の1stソロである73年作『Here Comes The Warm Jets』です。

底抜けなまでのポップさの中に「毒」が見え隠れするような、一筋縄ではいかないひねくれ具合がかえって聴いていて心地良かったりします。時々裏返ったりするイーノの素っ頓狂な脱力ヴォーカルも最高です。全体を通じて、どこか素人っぽいガチャガチャとした印象はあるのですが、聴きにくさは感じられずどこか知的な抑制が効いている印象すら与えるところは、やはり音楽家としてのセンスなのでしょうね。

のちのアンビエント系作品も素晴らしいですが、スタッフ佐藤のように単純なロック好き人間からすると、本作で聴けるヘンテコポップ・サウンドがとにかく楽しくてしょうがないんです。

Needle In The Camel’s Eye

イーノがヴォーカルを取ったロキシー・ミュージックの曲と言われても納得してしまいそうなナンバー。テーマを繰り返すシンプルな曲ですが、どうにも癖になる魅力があります。

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Blank Frank

リズミカルでポップな曲調とイーノのひねくれヴォーカル、そしてロバート・フリップの凄絶なギターが絡みあう、本作を象徴するようなナンバー。名曲です。

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Dead Finks Don’t Talk

こちらもロキシー色のある叙情的なナンバーですが、イーノの素っ頓狂な「オーノー」コーラスがいい具合に雰囲気をぶち壊していて最高。

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おまけで、ケヴィン・エアーズ、ジョン・ケイル、ニコらと共演したライヴ作品「JUNE 1,1974」での本作収録ナンバーの音源もどうぞ。ライヴゆえかさらに変態度が増していて強烈です!

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    ROXY MUSICへの参加からそのキャリアをスタートさせ、その音楽性からファッションに至るまでシーンに衝撃を与え、ROXY MUSIC脱退後は画期的なソロ・アルバムを発表。その後アンビエント・ミュージックへと急速に接近し、ドイツのエレクトロ・グループCLUSTERとの実験的なジョイント作をリリースするなど、環境音楽の元祖として高い評価を受けている音楽家の75年作。様々に表情を変える弦楽アレンジによる「パッヘルベルのカノン」を中心に、テープ・ループの使用によって空間に溶け込み「無視することができる音楽」という逆転的発想が音楽に革命的とも言える新たな解釈を吹き込んだ歴史的名盤です。————————————————————————————————-

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