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スタッフ佐藤の、コレ好きなんですよ。 – 第七回 キャラヴァン『Blind Dog At St. Dunstans(聖ダンスタン通りの盲犬)』

こんにちは、カケレコ・スタッフ佐藤です。

「スタッフ佐藤の、コレ好きなんですよ。」は、一般的にはあまり注目を集めることのない作品ながら「実は良い作品なんだけどなぁ、もっと聴かれてほしいなぁ。」とスタッフ佐藤が日頃から感じている、愛して止まない作品たちを取り上げてご紹介していこうというコーナー。

今回は、カンタベリー・ロックの重鎮キャラヴァンによる76年作『Blind Dog At St. Dunstans(聖ダンスタン通りの盲犬)』を取り上げます。

考えてみると、カンタベリー・ロックってつくづく不思議な括りだなあと思います。

名称としては「地域+ロック」なので、一見ブリティッシュ・ロックやイタリアン・ロックなどのようにジャンルを問わない地域的な括りなのかと思えますが、一方でジャズ・ロックやブルース・ロック、チェンバー・ロックのようなある共通の方向へとサウンドが特徴づけられている「ジャンル(サブジャンル)」と同列に語られている節もあります。

そのあたりの立ち位置の特殊さが、「カンタベリー・ロックってどんなの?」と知人友人に聞かれた時の説明の難しさを生じさせているように思うんですよね。

「ならこれを聴け!」とそいつに1枚を渡すにしても、ソフト・マシーン『3rd』がいいのか、はたまたハットフィールド・アンド・ザ・ノース『ロッタース・クラブ』にすれば良いのか、どれだけ名盤の誉れ高き作品を選んだとしても、どうにもカンタベリー・ロックの魅力を伝えきることはできていない気がするのです。

ただ、「カンタベリー・ロックを聴いてみたいんだけど、どれからがいい?」と尋ねられたとすれば、そこはキャラヴァンの作品を薦めることに多くの方が同意してくださるのではないでしょうか。

アヴァンギャルドな要素を含んだジャズ・ロック系グループが多いカンタベリー・ロック勢にあって、一般的なブリティッシュ・ロックに最も近いサウンドを鳴らしてくれているのが、このキャラヴァン。特に70年代中期以降の作品では、確かな演奏力に裏打ちされた締まりのあるアンサンブルとほのぼのとしたポップテイストを持つ楽曲が絶妙に合わさった、愛すべきサウンドを展開しています。

そんな彼らの持ち味であるポップな親しみやすさが頂点に達していると個人的に思うのが、この76年作『Blind Dog At St.Dunstans』。カンタベリーだプログレだブリティッシュ・ロックだとカテゴライズするのが無意味にすら思えるような、普遍のポップ・ロックを楽しませてくれる好盤に仕上がっており、私スタッフ佐藤が「キャラヴァンの裏代表作」に勝手に認定させていただいている一枚です。

3.A Very Smelly, Gruby Little Oik

前作『CUNNING STUNTS』収録の「Stuck In The Hole」を思い出させる完成度の高いポップ・チューン。キャラヴァンのヴォーカルとしては初期に在籍したリチャード・シンクレアの人気が高いですが、この曲のような軽快なナンバーではパイ・ヘイスティングのほのぼのヴォーカルがいい感じにマッチしますよね。

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5.Come On Back

エレピやサックスをフィーチャーしたジャジーなテイストが印象的ですが、ジャズ・ロック調にはならず、あくまでポップ・ミュージックなところはさすがのキャラヴァン。シンプルながらグッと来るサビのメロディーがまたたまりません。

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7.Jack And Jill

ベースの踊るようなプレイが耳に残るキャッチーなナンバー。ヴィオラの味のあるプレイも聴きどころですね。終盤、レコード・プレイヤーが壊れたように同じフレーズを繰り返す仕掛けなんてヒネリが効いています。もっともCDではその醍醐味も薄れてしまいますが・・・。

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  • CARAVAN / PLACE OF MY OWN: THE COLLECTIO

    14年リリース、15曲収録編集盤

  • CARAVAN / DECCA/DERAM YEARS(AN ANTHOLOGY) 1970-1975

    『If I Could Do It All Over Again, I’d Do It All Over You』〜『Cunning Stunts』のスタジオ・アルバム5作+『Caravan & The New Symphonia
    The Complete Concert』『Live At The Fairfield Halls 1974』『The Show Of Our Lives: Live At The BBC 1970-1975』を収録

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    記念すべき69年デビュー作、哀愁溢れるオルガンが素晴らしい叙情派ブリティッシュ・ロックの逸品

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    70年作の2nd。ファズ・オルガンとフルート&サックスが絡んだテンション溢れるアンサンブルとキャッチーなヴォーカル、というキャラヴァン・サウンドが確立した名作。

    • UICY9065

      紙ジャケット仕様、デジタル・リマスター、ボーナス・トラック4曲、英文ブックレット封入、定価2039+税

      盤質:無傷/小傷

      状態:良好

      帯有

      帯に小さい汚れあり

    • UICY9065

      紙ジャケット仕様、デジタル・リマスター、ボーナス・トラック4曲、英文ブックレット封入、定価2039+税

      盤質:傷あり

      状態:並

      帯有

      紙ジャケに若干黄ばみ・スレあり、解説に若干黄ばみ・小さい折れあり

  • CARAVAN / IN THE LAND OF GRAY AND PINK

    ソフト・マシーン『Third』と共にカンタベリー・ロックの代表作と言える一枚、71年発表の大傑作3rd!

    SOFT MACHINEと同じWILDE FLOWERSを母体にRichard Sinclairらによって結成されたグループであり、カンタベリー・ジャズ・ロックシーンを代表するグループの71年3rd。彼らの代表作との評価も高いその内容は、淡いサイケデリック・ロックの質感と、Richard Sinclairの甘く響くボーカル、Dave Sinclairの各種キーボードによるマイルドなアンサンブルが上質に響くカンタベリー・シーン屈指の名盤であり、英国然とした湿り気を帯びた雰囲気とSOFT MACHINEよりもポップ且つメロディアスな音楽性が素晴らしい1枚。20分超の大作も採用し、プログレッシブ・ロックならではのスリリングなインタープレイを見せ付けながらも、やはりナイーブでセンチメンタルな叙情に溢れた傑作です。

  • CARAVAN / WATERLOO LILY

    ジャズ・ロック色が最も濃い72年作、聴けば聴くほどに味わいが増すスルメ盤!

    名作『グレイとピンクの地』に続いてリリースされた72年作4thアルバム。キーボードがDave Sinclairから元DELIVERYのSteve Millerに交代。Lol CoxhillやPhil Millerなど、カンタベリー・ミュージックを語る上で欠かせないミュージシャンもゲスト参加するなど、彼らの作品の中で最もジャズ度の強い作品。ただ、バンドの魅力である、英国的叙情性と牧歌性は相変わらず。前作に比べて派手さはないものの、聴けば聴くほどに味わいが増す名作。

  • CARAVAN / FOR GIRLS WHO GROW PLUMP IN THE NIGHT

    カンタベリー・ロックの代表格、管弦楽器の格調高い響きが印象的な73年5th、前々作の名盤『グレイとピンクの地』と並び人気の高い一枚

    SOFT MACHINEと同じWILD FLOWERSを母体にRichard Sinclairらによって結成されたグループであり、カンタベリー・ジャズ・ロックシーンを代表するグループの73年5th。Richard Sinclairが脱退しリリースされた本作は、サックス、フルート、クラリネット、トランペット、チェロ、トロンボーン、そしてパーマネントメンバーとしてバンドを支えていくことになるPeter Geoffrey Richardsonのヴィオラなど贅沢な金管楽器をゲストに導入し、ポップ・フィーリングに溢れたジャズ・ロックを展開。3rdとあわせてカンタベリー・シーンに輝く名盤です。

  • CARAVAN / CARAVAN AND THE NEW SYMPHONIA

    74年発表、オーケストラとの共演ライヴ作

    カンタベリー・シーンを代表するバンド、キャラヴァンによるオーケストラとの共演を収めた74年発表のライブ盤。まず特筆なのは、ライヴならではの臨場感とダイナミズム溢れるバンドの演奏。リチャード・コフラン(Dr)とジョン・G・ペリー(B)によるタイトかつグルーヴ感いっぱいのリズム隊、デイヴ・シンクレアによるこれぞカンタベリーと言える淡い色彩のファズ・オルガン、そして、パイ・ヘイスティングスのギターと前作から加入のジェフリー・リチャードソンのヴィオラが繰り広げるエキサイティングなソロ。全盛期と言われるだけある脂の乗った演奏に思わず体が揺れます。そこにオーケストラも絡んでくるんだから凄い。変拍子によるキメのパートでは、艶やかなトーンの管弦楽器がまるでストラヴィンスキーの交響曲ばりに鳴り響いて、実にスリリング。もちろん、キャラヴァンらしい甘やかなパートでの壮大なオーケストレーションも出色です。キャラヴァンらしい淡いトーンと管弦楽器が生む艶やかなトーンが合わさった絶妙な音の色彩、そして、ロック的ダイナミズムとオーケストラの壮大さとが融合したスケール感。オーケストラを導入したロック・アルバムの中でも屈指の完成度と言える、贅沢な逸品です。新曲3曲収録。

  • CARAVAN / CUNNING STUNTS

    CARAVAN史上屈指の名曲「ロッキン・コンチェルト」他、愛すべきポップな佳曲が並ぶ75年作

    75年作、邦題別名「ロッキン・コンチェルト」。

    • UICY9067

      紙ジャケット仕様、デジタル・リマスター、英文ブックレット付仕様、ボーナス・トラック3曲、定価2039+税

      盤質:傷あり

      状態:並

      帯有

      若干カビあり

  • CARAVAN / BLIND DOG AT ST.DUNSTANS

    ブリティッシュ・ポップ・ロックとして抜群の完成度を誇る76年作!

    ソフト・マシーンと共にカンタベリー・ロックを代表する名グループが、76年にリリースした8thアルバム。デイヴ・シンクレアが再脱退し、後任としてオランダ出身キーボーディストのヤン・シェルハースが加入しています。以降のポップ・ロック路線を方向づけた作品で、前作『Cunning Stunts』収録の軽快なポップ・チューン「Stuck In A Hole」を引き継ぐような人懐っこいポップ・ロックを軸としつつ、パブ・ロッキンなノリやクラヴィネットを多用した黒っぽいグルーヴまでも混ぜ込んだ新境地も披露。そんな多彩な要素が取り込まれていてもゴチャッとせず、あくまで軽やかでハートフルに聴かせてくれるところがさすがはキャラヴァンです。レコードが針飛びしたように同じフレーズを繰り返す演出を仕込んだりと、彼ららしい遊び心も堪りません。ブリティッシュ・ポップ・ロックとして抜群の完成度を誇る好アルバム!

  • CARAVAN / WITH AN EAR TO THE GROUND

    69年〜75年のベスト、91年編集

  • CARAVAN / ALL OVER YOU

    96年リリース、ベスト選曲によるリ・レコーディング・アルバム

  • CARAVAN / ALBUM/BACK TO FRONT

    カンタベリー・ロックを代表する名グループ、77年9thと80年10th

    • BELLE223708/9

      特典ボックス付き、紙ジャケット仕様×2、SHM-CD、デジタル・リマスター、ボーナス・トラック2曲 ※本来セットになっている「聖ダンスタン通りの盲」「/ベター・バイ・ファー」はありません

      盤質:無傷/小傷

      状態:良好

      帯有

      若干圧痕あり、ボックスに若干スレあり

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